2023.10.22.日

今日は夢の後半部分の少しだけ覚えている。

職場の気難しい上司のSは若い女性には優しいらしく、わたしにも良く親切にしてくれるのだが、その彼に頼み事をしていて、確か仕事上必要な資料を保存してもらっていた。何故かそれを私用のスマホで授受しなければならず、仕事終わりに着替えてSのところへ行こうとしていた。連絡先を交換していないからそのためにスマホを持って行こうとしているのだ。彼は妻帯者だが、私的な連絡を女である自分と行っても良いのか?疑問に思いつつ歩く。あと少しで声を掛けるというタイミングで、これは夢だなと気が付いた。見ていた世界がぼやけ始め、途切れてただの瞼の裏になった。もう起きねばならない。

祖母は民謡大会に出場することを目的に東京に来ている。そして今日が本番だ。私も観に行くつもりである。祖母が6時に出発せねば間に合わないと言うので、そこに間に合わせるには今5時だから起きて風呂に入らねばならない。寒いが布団から出なくては。くしゃみが出る。風呂に入りドライヤーをし、久々にヘアアイロンを通して化粧をする。着替えてからリビングに降りて、昨日買っておいたパンを二欠片食べる。歯磨きを簡単に済ませて助手席に乗車した。

jeepを見ると中学時代の体育教師を思い出す。人間性に難はあるが格好の良い女性だった。いつも薄茶のjeepを校舎裏に停めて出勤しており、素敵だなと見惚れていた。ガソリンスタンドに似たjeepが停まっている。思考は回帰する。多分定期的に同じことを繰り返し考えているから、この日記においても見覚えのある文章が出てくること必至である。

母の運転で南浦和のさいたま市民センターまで来た。ずっと太陽に向かって走っていたので眩しかった。美女木という場所を通った。面白い地名だ。予想よりスムーズで7時半頃に着いたので、8時半に開く駐車場の列に並んだ。日差しは暑いが足元が冷え込む。脚を上に乗せた。母と祖母は誰か知り合いの噂をしている。

「奥さんが亡くなってね、自由に動くようになってね。でも、自分からそこ行こうとは言わんとよ。人がこうしてこうしてしようか言うと、うむ、と言うのよ。」

「殿様やね。」

「ほんとよ。」

外の段差に先ほどからずっと着物姿の年配女性が座っている。羽織を着て布を尻に敷き本を読んで待っている。CHANELの鞄だけが彼女のそばにいる。寒々しい朝だ。母が言う。

「日向市民センターだったらあそこ、裏空いてるじゃない。宮崎だったらこんなふうに待たんでも勝手に入れていいわな。」

駐車場待ちの行列が増えた。日差しが暑い。中古で買った赤と黒を読んでいる。すると15ページに以前の持ち主のメモが挟まっていた。

"モーパッサン 脂肪の塊"

読みたかったのだろうか。私もこの本が好き。センスが合いそうだ。冷たい足が腹を冷やしてジクジク痛み出した。

市民センターの中は民謡大会の関係者の老人が占めており、死に近い匂いがした。鞄を押し当てて腹痛を抑える。祖母は29番目に正調狩干切歌を披露した。11時だ。腹が空いてきた。痛みは気合いで打ち消した。会場内の喫茶店の前に行ったが30分も待たないと開かないらしい。空腹が我慢できないので、徒歩で5分ばかしのファミリーレストランへ行くことを提案する。祖母は知り合いの出番を待ちたいから3人で行ってきな、と言ってくれた。言葉に甘えて店に行くと、すぐに案内され席にありつけた。接客が非常に良い。サンドイッチセットとパンケーキ三枚を3人で分け合った。ドリンクバーも頼んでいたので蜂蜜紅茶というものを飲んだが、匂いがきつく甘すぎて無理だった。その後入れたバンホーテンのココアが美味しく感じる。食事を終わらせ出て行くときには行列が出来ていて、タイミング良く入店出来たなと思った。

会場に戻ると宮崎支部の偉い人に会い、出場者にはお弁当が用意されていることを教えてもらった。祖母のご飯をどうすべきか悩んでいたので安心した。

祖母はシニア部門で3位を獲った。同位が2人いたのでトロフィーの数が足りず、後日郵送されるそうだ。トロフィーは無くとも賞状は手元にあるので、記念に祖母を撮影した。着物がキツイと言うので私服に着替えさせた。

駐車場を出るとすぐ近くに生協があった。母がパートをしているところの基幹店で、視察しに行った。母の職場より規模が大きい。本社が目の前にあり、全てが新しく綺麗だった。サービスカウンターの前にいるとすぐに声をかけてくれた。姉と祖母は自由人で買い物をしている間彼方此方に散りばった。姉は勝手に動くくせして周りに誰も見えないとなると被害者のような顔をしてどこに行っていたのと泣き言を言う。今回もそうだった。困ったものだ。しかも手にはポケモンパッケージのグミがあった。

パーキングエリアに来て、私は車で留守番をした。というか、隣に停まっている車がかなり格好良い。手入れの行き届いた古いアメ車だ。と思ったら、うちの車、2台のアメ車(しかも仲間同士だった)の真ん中に停めていた。カッコいい車が同時に走り去っていくのを見つめた。3人が全然帰って来ない。自撮りをしたりインスタを見たりする。帰ってきた。やっと帰られそうだ。

近所の生協に来た。姉がパーキングエリアでアイスを溢して汚したコートをクリーニングに出していた。祖母が根っこ付きの花を買おうとしている。うちの家に植えるのは面倒なので必死に引き止めた。

家に帰ると父がガトーショコラを作ってくれていた!生クリームも泡立ててくれている。六等分して5人で食べた。残りは誰かが食べるだろう。外はカリッと中はフワッとしていて売れるレベルで美味しい。過去1の出来である。作ってくれて嬉しい、しかも2ホールできていたのでまだ食べられるのが最高だ。明日になればもっと馴染んでしっとり美味になるだろうし、楽しみ。まだ小腹が空いていたのでみかんも食べた。

母は朝の5時からの運転と腹痛で動けなさそう。祖母と父は寝ている。私と姉でカレーを作った。人参の皮を剥かなかったら、ひさしぶりに人参臭さを感じる味だった。いつも母は人参も皮を剥くから癖の少ない料理になっていたのだと判明。

私は咀嚼音の汚い人、食べ方が正しくない人を見るのがとてつもなく苦手だ。祖母は純粋な田舎の人間であり、食事マナーなど学んだことのない人生だった筈だ。啜る音や口を半開きで咀嚼する音を立てる。聞いていると寒気がする。歯磨きも中途半端で口臭が酷い時が多々ある。生活していると見なくてもいい部分を間近に目にしてしまう。自分にも欠点が沢山あるのに、相手の欠点ばかり探してしまうのだ。

明日は三日振りの仕事だ。大変に憂鬱である。サブスクでShiro SAGISU Music from "EVANGELION:3.0" YOU CAN(NOT) REDO.というアルバムを聴く。これは新エヴァンゲリオンQのBGM集だ。今の私のどんよりとした気分に寄り添ってくれる。しかし明日は、帰り際に母が祖母を連れて買い物に来て一緒に帰ることができるようなので、いつもより頑張ることができるかも。化粧を落として早く寝よう。そう言いつつ、寝ると明日になるのが耐えられないので夜更かしする気満々である。

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