#9 技術とか、製造工程のトレーサビリティとか、作ってる人とか、ストーリーとか、そういうものは、ユーザーには関係ないじゃん。とオールユアーズの木村さんは言った。

オールユアーズの展示会を行なっています。うなぎの寝床とオールユアーズ、一見接点がなさそうな気がする2社。どうでしょう?僕は木村さんと接点を持てて、そして一緒に仕事ができて、とても嬉しいと思っているけれど、この「ものづくり」という仕事に携わってなければ、おそらく一生接点を持たなかっただろうなと思う。だからこそ貴重だなと感じています。

うなぎの寝床は、九州ちくごのものづくりのアンテナショップとして、ものづくりの背景や、その土地の文化特性、技術特性など、地域に眠る(眠ってない。厳密にいうと、そこに存在している)資源と接触して、その方々や技術や物と接して、現代でも価値があって、伝わってなければ、一生懸命伝えようという活動だと考えています。

それは、技術とか、製造工程とか、そこにある物とか人とか、考え方とか、いわゆるストーリーと呼ばれる領域が全てであって「物」や「商品」は、僕の中ではコミュニケーションツールだと考えています。もちろん、それには、前に書いたように機能と価格が存在し、現代生活で生きることが前提条件とはなるのですが。だから、目的が物以前の情報を生活者に意識してほしい。それって、意識する必要があったり、意識することで、豊かさが担保されるんじゃない?という問題提起も含んだ事業だと僕は思っています。

対して、オールユアーズは物はユーザー(生活者)のためのもの。その物がユーザーにとって、どう作用するのか?その物を生活に取り入れることによって、生活に対するストレスが減ったり、物が減ったり、楽になったりという現象をおこすためのツールが重要。そういう服や物を提供するということが重要であって、製造工程や、技術は、それを実現させるためのものであるという考え方です。

しかし、結果的には、その技術は国内の工場に眠っていて、オールユアーズは、その工場やものづくりの現場に落ちている、そして、眠っている技術や、ものを作る情熱的な人々、生産効率や、日本で作る意味を吟味しながら、その情報はユーザー(生活者)の人たちには見えにくいのだけど、よく考えられて作られています。

結論から言うと、両者はやることは変わりません。物のトレーサビリティは結果的に担保されながら、物を通して販売をしていく。その事実は変わらないのですが、うなぎの寝床は「物以前の情報を扱い」、オールユアーズは「物以後の情報を扱う」。このアウトプットの仕方の違いが現れているということです。

とても面白いなと思っています。大事なことは、情報リテラシー、商品リテラシーだと思っていて、やっぱり、物や情報を読み解く力だと考えています。現象や現状に対して、自分はどう考えるのか?どういう意見があるのか?それに対してどう感じるのか?ということに対して向き合って思考するということが大事なのかなーとか考えたりします。

今回、世田谷ものづくり学校で、3日間の共同イベントを行います。僕も木村さんも入り口で接待をしているので、興味がある人はぜひ来てもらいたいです。僕にとっては、このイベントは売上どうこうというより「ものづくりに対する学び」の場だと思っていて、体感と共用の交差と言っているのですが、様々なものづくりに携わる方々が参加しているので、自分も体感してみたいと思っています。

おーるうなーず and IID世田谷ものづくり学校 創業感謝祭

本質的な地域文化の継承を。