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青春生き残りゲーム(5)

 僕には人並みに感情の機微を読み取る力はありません。ましてや、少年時代は尚更でした。

 その頃は、人がどのような感情や背景をもってそういった発言をするのか、立体的にわからなかったのです。

 そのくせ、自分に非難や注意が来ると酷く落ち込んだり、癇癪を起こしたりたりします。そして、2,3日その事で頭がいっぱいになってしまいます。ふとしたきっかけで、言われたことがフラッシュバックされ突然気持ちが落ち込むこともあります。それは、今でもそうです。


 中学生の頃のウナギ少年は、授業の合間合間に、自分の衝動性のままに他のクラスに行っては、インキャ気味の同級生に話しかけては自分の話しかしない完全な『自己中かまってちゃん』でした。

 その一方で、女子や女子と仲が良いようなヨウキャの皆さんに絡むことはしません。

 当時の少年は、仲良くなるためにからかうだとか、仲良くなるために相手の話を引き出すということを理解できなかったのです。


 その理由として思い当たることがあります。

 僕は、多少なりとも、言葉を文面通りに受け取ってしまうところがあるのです。

 僕は、耳から入ってくる情報が人よりも早く抜けていってしまいます。

 なので、少ない情報でもメモを取らないと、人に言われたことを理解することでいっぱいになってしまうのです。そこには、言われたことの内容が核心を突くものなのか、それとも、単なる戯れ言なのか、吟味する余裕はほとんどないのです。

 だからこそ、言葉の中身よりも放つ語気の印象が強くなってしまいます。

 ましてや、言葉を理解する力がまだまだ弱い子どもの頃は、それが顕著で、母親から、『お前は、言われる前と言われた後の行動が極端だ!』とよく言われたものです。まあ、母親にビビっていたのもありますが...

 そんなわけで、語気の強い、女子やヨウキャたちから、『イジられている=イジメられている』と解釈してしまうのです。

 そして、人に興味がないから相手の話を引き出そうとしない...


 そのような特性を抱えて、自分の弱点にも気づかず、何も適応策を持たないままに待ち受けているものは圧倒的孤独感であることを知らずに、少年は、義務教育最後の学年に上がるのでした...




今日はこの辺までにします。

読んでいだだき、ありがとうございました。

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