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NUMBERGIRLってやっぱすげえよ

復活した。
ナンバーガールが復活した。
夢かと思った。
夢かと思って30分毎に確認した。
夢じゃなかった。

ナンバーガールが復活した。

僕は解散したあとのナンバーガールしか知らない。
モニター越しでしか、モニター越しで当時のことを妄想しながら自分をその場所に転移させて。
それでもやっぱりモニター越しなのだ。

よって再結成したこの今、とてつもない喜びとどうしようもない不安が入り乱れている。

画面越しに聴いたあのジャリジャリのテレキャスターの鋭い音や、田渕ひさ子さんの弾くジャズマスターが奏でる地鳴りのような轟音、マシンガンのごときドラム、1音ごとに両頬を殴るベース。
そしてちょっと舌っ足らずな向井秀徳のボーカル。
それは本物なのか。
憧れのような、そう僕の中ではもう彼らは伝説上の物語に出てくるような感じにまで膨れ上がっているその妄想、肥大化しすぎたその妄想によって彼らを押し潰してしまいはしないだろうか。勝手に期待して勝手に失望したりしまうのではなかろうか。怖い。すごく怖い。
見るのが怖い。ってのが正直なところ。

意外かもしれないが僕はナンバーガールにヴィジュアルから入った。
どう考えても冴えない見た目をしている向井は、でも目だけはイッちゃっててもれなく周りのメンバーも目が怖い。

切腹しそうだよね。

そんな見た目から入った僕はすぐに良い意味で打ちのめされる。

もちろん僕は後追いなわけだから知った頃には既に彼らは解散済みで僕はこの向けようがない衝動を内に抱えたままどうしようも無くなってとりあえず服を脱いだ。
そんな記憶がある。

“透明少女”

新鮮さと懐かしさを携えた彼らの凄さはもう僕以外の人が書き尽くされてるし書くことなんてないことなんて、彼らの人気は再結成のニュースが入った時すぐさまTwitterのトレンドを制圧したことからも分かると思う。
そして僕はそこにナンバーガールの凄さを見たのだ。

ここから本題
僕が見たナンバーガールの凄さ、
Twitterに溢れる大量の再結成祝福ツイート。
それは老若男女あらゆる種類の人間が書いていた。
世代ドンピシャの30後半から40代の人々はもちろんながら50代60代、20代そして高校生、さらには中学生小学生までもが一様に幼稚園児みたいな文章レベルにまで低下して、
「ナンバーガールふっかつ!?すげえ!うれしい!わーい!」
みたいなツイートをかましてた。

鮮度をいつまでも保つのはほんとに難しい。
音楽は光り物だ。青魚だ。
例えばはっぴいえんどというグループがいる。
はっぴいえんどと言えばこのアルバムが有名で見たことがない人はいないでしょ。

今のJPOPの基礎を作ったと言っても過言じゃない。
今あるJPOPはほとんど彼らが元となってる。

“風をあつめて”

この曲がいちばん有名だと思う。
どう?

多分……多分だけどなんとなく聴いたことがあるような感覚になったのではないか。
別に貶してるわけではなくて僕もすごい好きなんだけど後の世代はみんなはっぴいえんどを聴いてきてるのだ。はっぴいえんどフォロワーが作った音楽が世に溢れている以上どうしてもまっさらな衝撃を100受け取れないのだ。
当時は間違いなく新鮮だった。リアルタイムで聴いた世代の衝撃は計り知れないものであったと思うけど、今の僕らにはその新鮮さは残念ながら完璧に味わうことが出来ない。悲しい。

そしてナンバーガールだ。
今現在日本に存在している邦楽バンドは9割9分ナンバガフォロワーである。
そんなバンドで溢れかえっている。
ナンバーガールで溢れているのだ。
そんな飽和したナンバーガール界を通過してきた今の若者がナンバーガールを聴くとどうなるのか。
普通はこうなる

「なんか聴いたことあるな」
「なんか古くね?」

そりゃそうだ。
後年のバンドがナンバーガールをしているのだから。
だいたい音楽はあたりまえだが新しい世代になるほど洗練されていく。
なんか聴いたことある音で溢れかえる。
それがわかんない音楽好きのオッサンはよく
「んーやっぱりこれを聞いとかなくちゃねー分かってないよねー最近の若い音楽はこれだからダメなんだ」
とかなんとか言って過程を飛ばして一気にすごい昔の音楽を聴かせる。そんで若い子あんまりハマらない。若い子を批判のループ。
んーこれだから自称音楽通はタチが悪い。
……いやほんと良くないからねやめなよ。
そう、なぜなら物事には順序があるのだ。

ただナンバーガールは違う。現在進行形で中学生のフォロワーも高校生のフォロワも増やし続けている。これは本当にすごいことで、今もなお「ナンバーガールを聴いて育ちました」という邦楽バンドは後をたたない。

“水色革命”

これほんと好き

いつの若者が聴いても
「なんだこれ」
「何が凄いのかはわかんないけどなんかすごい」
「夏!夏!夏!夏!」

ってなること間違いなし。

ちなみに物事に順序があるのはもちろん邦楽に限った話ではない。
PIXIESというバンドは超有名な海外のバンドでナンバーガールも色濃く影響を受けてるし僕自身すごい好きなバンドなのだが

“Debaser”

どうだろう、多分いいなと思った人とそうでも無いなという人がいる。
その違い、それはナンバガという順序を1つ踏んでるか踏んでないかだと思う。(ナンバガだけとは限らんけど)
踏んでいるとすんなり聴けるハズ。そのまま直で聞くと刺激が強すぎて拒否反応を起こしてしまう。
なので僕が思う古い音楽の遡り方は逆さまに追っていくことだと思う。
今のバンドを聴きながらそのバンドがインタビューとかでこのバンドに影響を受けました!とか言ってるのを見てその音楽を聴く。
好きなアーティストが好きな音楽は知っておきたいじゃん?
普通はこれがベスト。イレギュラーを除いて。

……そしてそのイレギュラーがナンバーガールなのだ。
まあ多少今はネット上で神格化されすぎな感は否めないけど。(小声)
ここ何年かで一気に神格化路線が進んでいった気がする。
ちょっと前はここまで若者がナンバーガール好きって言う風潮は無かった。名前は知ってるけど〜レベルの人が多かった。
じゃあ何故かと言うと最近のバンドがナンバガを聴ける素地を練り上げてきたからだと思う。つまりまあ思うに例えばそんな彼らも透明少女なのではないでしょうか。

“透明少女”

“IGGY POP FAN CLUB”

でもこの映像を見たら神格化も納得してしまいそうになっちゃうなー。やっぱり。

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#邦ロック
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