見出し画像

【「うみとさち」パートナーのご紹介Vol.1】魚のために立ち上がったシェフたち ①

シーフードアクション「うみとさち」の第一弾では、環境と労働に配慮した美味しい魚をトップシェフによるスペシャルレシピとともにクラウドファンディングを通じて提供します。この企画をウミトロンと共催するのが、海と魚の未来を考えるシェフ集団「です。強い使命感を持って魚の未来を考え、行動するシェフたち。彼らの想いとその活動について、Chefs for the Blueの代表理事を務める、フードジャーナリストの佐々木ひろこさんにお聞きしました。

Chefs for the Blue結成のきっかけは佐々木さんが作りました。食について数多くの取材をしてきた佐々木さんは、漁業関連の取材で漁師の方たちの話を聞く機会があり、漁業の窮状を知ります。乱獲や自然環境の変化によって、日本の魚がどんどん減っていること。当たり前のように獲れていた魚が絶滅危惧種になっていること。その状況に衝撃を受けた佐々木さんは、「こんなに大変な事実を自分が知らなかったこともショックだった」と振り返ります。実際、漁業関連の現場の様子や生産者の事情というのはなかなか外部に伝わりにくいもの。毎日のように魚を仕入れ、料理しているシェフたちでさえ、最初に話を聞いた時には半信半疑だったと言います。

魚をめぐる驚愕の事実に居ても立ってもいられなくなった佐々木さんは、仕事で付き合いのあるシェフたちを集めて、漁業の現状を知ってもらうための勉強会を開きます。「このままでは魚がいなくなる」と言われても俄かには信じられなかったシェフたちですが、思い当たることもありました。市場に行けば魚は流通しているけれど、値段が高騰している、魚が以前より明らかに小さくなっているなど、「なにかおかしい」という感覚を皆が持っていたのです。そのため、勉強会で説明を聞き、ともに学ぶ中で、シェフたち自身が誰よりも魚の未来に対して危機感を持つようになりました。

星付きのレストランや一流店でいただくコース料理は、記念日やお祝いはもちろん、日常を華やかに彩る特別感ある喜びです。そんなレストランのシェフが腕を振るう得意料理、スペシャリテの多くは魚料理だそうです。日本で普段食べられている魚はおよそ400種類。これほど豊かな種類があるため、シェフも魚を素材とすることで自分の個性を発揮して、オリジナリティあふれるメニューを開発できるということなのでしょう。魚はシェフにとって創造力を刺激する大事な素材であることは間違いありません。

画像1

このまま何も手を打たずに魚の乱獲が続けば、近い将来、食べられなくなる魚が増えることが懸念されています。その時には400種類の魚は一体何種類まで減ってしまうのでしょうか。シェフの得意料理、名店のスペシャリテもまた幻の一皿となってしまうかもしれません。2017年から定期的に勉強会を重ね、魚の未来について考えてきたチームは、2018年にChefs for the Blueとして一般社団法人を立ち上げ、本格的な活動に乗り出しました。そのユニークな活動については、次回ご紹介しましょう。

■うみとさちWebサイト

■Chefs for the blue所属シェフの特別レシピとこだわりのより持続可能性に配慮した魚をセットでお届けするクラウドファンディング



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?