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「Will-Can-Must」で綴る、私の全キャリア

「キャリアを考えるために、まず自己分析をしましょう」

就活・転職のノウハウが書かれている本や記事を読んでいて、よく目にするフレーズです。

とはいえ

「どのように自己分析すればいいのかわからない」
「分析結果をどのように活かせばわからない」

といった悩みを抱えている方も多いと思います。

この記事では、キャリアにおける自己分析の方法を紹介していきます。

具体的には、

・自己分析のフレームワーク「Will-Can-Must」の紹介と使い方
・自己分析に役立つ質問
・分析結果をキャリアプランに活かすには

など重要なポイントをご紹介していきます。

自分のキャリアを見つめ直そうと思っている方にはおすすめのフレームワークとなっていますので、ぜひ参考にしてください。

1. 「Will-Can-Must」とは

Will - Can - Mustとは、自分の価値観やキャリアの方向性などを理解するためのフレームワークです。それぞれの意味合いは、以下のように表されます。

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・WILL:やりたいこと・・・動機/欲求/志
・CAN:できること・・・能力/経験/強み
・MUST:やるべきこと・・・周囲からの要望/責任、ステップアップのための努力

この3つの輪が重なり合う部分は「核(コア)」と呼ばれており、自分のキャリアにおいてもっともパフォーマンスが発揮でき、「自分らしさ」を表す領域であるとされています。
それではここから、それぞれの輪について解説していきます。

Willとは:やりたいこと・・・動機/欲求/志

Willとは「やりたいこと」です。
「仕事を通じて成し遂げたいこと」「理想の働き方・生き方」など、これから先のありたい姿をイメージしていきます。

キャリアを考えていく上でWillはとても大切な要素です。たとえば就活・転職において、Willを定めないまま会社を決めると、働いていくうちに指針を見失い「やりがい」が低下していく危険を孕んでいます。

しかし、自分の夢や目標を即答できる人の方が少ないのではないでしょうか。そのような時に役立ついくつかのコツをご紹介します。

Tips1. 小さな志を積み重ねること

現時点で取り組み可能な範囲で考えてみるという方法です。これは『志を育てる』という著書からの引用ですが、小さな志を積み重ねることがいずれ大きな志に繋がっていくという考え方です。まずは短期・中期的にやり切ることを重ねていくことで、自分がやりたいことがふとした瞬間に見つかるということが往々にしてあります。

Tips2. 過去に目を向ける

未来に目を向けたときにやりたいことが見つからない場合は、過去に目を向けてみることも有効です。幼少期から現在まで自分がどういう物事に関心があり、どういう時に成功 or つまづきやすいのかなど振り返ることで、自分のやりがいやモチベーションの源泉を深掘りすることができます。それらの要素をかき集め流ことで、未来を描く手助けにすることができます。この作業には「ライフラインチャート」という非常に便利なツールがあります。記事末尾にてテンプレート(記入見本つき)がダウンロードできますので、ぜひチェックしてみてください。

Tips.3 ロールモデルを探す

自分が描いているWillに近いロールモデルがいればとても幸運です。その人がどういう経歴を辿って今に至っているのか。著名な方であればすぐに情報が見つかる時代です。情報をかき集めてイメージを具体化していくことも有効です。

Willの輪を埋めるための効果的な質問例
・あなたが3年後に達成したいことはなんですか?
・あなたは何にワクワクしますか?
・あなたにとって譲れないことはなんですか?
・このまま時間がすぎると、どうなりますか?

Canとは:できること・・・能力/経験/強み

Canは「できること」です。
自分が何かしらの価値を生み出すためのリソースを指します。
スキルやノウハウはもちろん、自分の人柄(性格)や人脈によって生み出せる価値もあるので、様々な視点から考えることが大切です。

Tips.1 謙虚な心を捨ててみる

「できること」を洗い出すときに陥りがちなのは「専門家というほど知ってるわけではない」「人と比べると、自分は”できる”と言えるレベルとはいえない」「スキルを証明できるものがない(資格など)」という考えに囚われ、思考が拡がらないことです。謙虚なことは決して悪いことではありませんが、Canを洗い出す時には少し傲慢になってみてもいいでしょう。

Tips.2 スキルを分類して考える

パッとは思いつかないという方は、スキルの分類を意識するといいでしょう。

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・ テクニカルスキル:
  専門知識・技術など特定の業種で活きるスキル。
  プログラミング、セールス、マーケティング etc.
・ポータブルスキル:
  どんな状況においても使えるスキル。
  課題解決能力、コミュニケーション力、計画力、習慣力 etc.

スキルと言われるとテクニカルスキルを連想しがちですが、ポータブルスキルにも視点を移し、自分が”できること”の認識を拡げていきましょう。ポータブルスキルを土台とした上に、テクニカルスキルが成り立っているという関係性を覚えておきましょう。

Tips.3 他者の視点を借りる

洗い出しに息詰まった時は同僚や上司、家族など周りの人に聞いてみることも有効です。自分が意識できていないだけで、人から見ると強み・適正があると思われてることもあります。自分で今まで見えなかった新たな可能性を発見することもできるかもしれません。

Tips.4 発想の転換

また自分の弱み(できないこと)ばかりに目がいってしまうという人は、発想を逆転することで強み(できること)に転換することもできます。例えば「何事も不安で準備に時間がかかりすぎてしまう」ことは、裏を返せば「綿密な準備力」を発揮していると言えるのではないでしょうか。

Canの輪を埋めるための効果的な質問例
・これまで一番努力したことはなんですか?
  →その努力はなぜ続いたのですか?
・これまで成果を出したことはなんですか?
  →それはなぜ実現できたのですか?
・苦境を乗り切った経験はありますか?
  →それはなぜ乗り越えられたのですか?
・日々の生活の中で気をつけてることはありますか?
  →なぜ気をつけてるのですか?

Mustとは:やるべきこと・・・周囲からの要望/責任

Mustは「やるべきこと」です。
「やるべきこと」には二つの意味合いがあります。

ひとつ目は「やりたい・やりたくないに関わらず、やらなければならないこと」です。会社に所属している場合、置かれているポジションでの「責任」や「義務」が該当します。例えばチームリーダーを担っている場合、「売上目標の達成」や「メンバーマネジメント」などがこれに当たります。組織に所属し給与をいただく以上、その対価として必ず発生しうるものです。また私生活に目を向けると、結婚していて世帯主である場合は、家庭を守るために収入を得ることも「やるべきこと」に該当します。

いくら自分で頑張っていても、周りから求められていることとずれていては評価してもらえません。また「これは私がすべき」と思っていても、周りはそう思っていない場合もあります。何を求められているか知るためにも、一度周囲からのニーズを把握することも必要です。

ふたつ目は「Willの実現に向けてやるべきこと」です。例えば将来、海外を拠点とする企業で働くことを目標としている場合、言語の習得は必須となるでしょう。3ヶ月後に10kg痩せるという目標を立てたとしたら、日々の運動や食事習慣の見直しなどが必要です。Willとのギャップを埋めるために今から「やるべきこと」を洗い出しましょう。

「Will-Can-Must」のフレームを埋めていく際、「やりたいこと」がたくさん挙がっていることはとても良いことです。しかしそれが現状の「やるべきこと」とあまりに乖離しすぎていると、実現に苦しむだけになってしまいます。Mustという要素は、自分の意思を目の前に向けさせるためのアンカーのような役割とも言えるでしょう。

また、仕事においては例えばメンバーからマネジャーへ。私生活においては、独身から結婚・出産へ。ライフステージによって「やるべきこと」は変化していくことを念頭に置いておきましょう。

Mustの輪を埋めるための効果的な質問例
・周りには、あなたがどのように見えていると思いますか?
・〜年後から現在を見つめた時、あなたが今からやらないといけないことはなんですか?
・仕事(or 私生活)でのポジションはなんですか?そのポジションでの義務はなんですか?
・それをやらないことで、あなたの仕事や生活はどう変わりますか?

2. 「Will-Can-Must」を活用するメリット

Will-Can-Mustのフレームワークを活用するメリットは、未来・現在・過去それぞれの分析視点を組み合わせて、シンプルな形にまとめられることです。

未来に向けて「やりたいこと」が、過去から積み重ねてきた「できること」と、現在「やるべきこと」の状況下で、どうやったら実現できるのか。それを分析する過程で自分の強みを発見したり、足りないものがわかったりなど、整理に非常に役立ちます。

また就活・転職などキャリアの転換点でも活用できます

Will:その企業でやりたいことは何か
Can:その企業が求める人物像と自分は合致しているか(採用要件のスキル・実績、人物特性)
Must:その企業で貢献できることはあるか

という軸で企業選定をすることができます。

3. 「Will - Can - Must」を埋めるときのポイント

どの順番で考えてもいい

「Will - Can - Must」という名の通り、Willから考え始めると良いのでしょうか。結論から言えば、それができれば一番スマートです。しかしWillの説明にも書きましたが、やりたいことがいきなり見つかれば苦労はありません。そこで思考がストップしてしまう場合は、過去(Can)や現在(Must)からヒントを得て、フレームを埋めていっても構いません。WillとCanは相性が良く「できること」の延長線上から「やりたいこと」を見つけるというのでもいいでしょう。

拡散→収束で考える

自己分析において大切なことは、思考に制限をかけないことです。Canの説明にも書きましたが「自分はこれが”できる”レベルとはいえない」などと考え始めると、自分の価値を見落とす可能性があります。

またWillにおいては、自分がやりたいと少しでも思っていることは荒唐無稽なことでもまずは構わず書き出しましょう。「世界から戦争をなくす」「生きているうちに地球温暖化を解決する」などすぐに実現できないことでも一向に構いません(考えるだけならタダです)。拡散フェーズにおいてはまずは洗い出すことが大切です。

洗い出しが終わったら、一つ一つの要素を深掘りしていきます。

例えばCanにおいて「自分ができるレベルとは言えない」のであれば、自分が定義する「できるレベル」とはなんなのか。全部で何段階あるのか。今自分はどのレベルにあるのか。などを整理していきます。これが自分の「やりたいこと」と照らし合わせたときに、レベル○○まで達している必要があるならば、それは「やるべきこと」にカウントされるので、Mustのフレームに入っていきます。

また「世界から戦争をなくす」や「地球温暖化をなくす」も、噛み砕いていくとでいま自分ができる範囲で何をしていけばいいのかが見えてきます。実は私は、やりたいことの一つに「戦争をなくしたい」があります。ただこのままでは、取り組むにはテーマが大きすぎます。そこで争いを「愚痴」や「罵り合い」、「他者への無理解」などに分解していき、それがなくなるとはどういうことか?をイメージしてみる。きっと個々人の日常生活が充実していればそういうことが起こらないのではないか?そのためには、自分は何ができるのだろうか?.....このように一つ一つの要素を分解したり、深掘りしていきます。

十分な粒度まで整理できたら、収束フェーズで3つの輪に当て込んでいきます。この際、「Will-Can-Must」に関連性のない項目を入れてしまうと、輪の重なりが生まれません。自分が実現したいことに向けて、どういう項目を入れていけばいいのか考えながら取り組んでいきましょう。

フレームを埋めていくプロセスにおいては、内省で思考が整わないことも多いです。そういう時は他人の視点を取り入れることも有効です。会社の同僚や先輩の意見を聞く。私の場合は後輩の意見を聞くこともかなり効果的でした。

冒頭にも記載しましたが、3つの話が交わるところが自分のキャリアにおいてもっともパフォーマンスが発揮でき、「自分らしさ」を表す領域であるとされています。重なりが大きいほど満足感を感じられます。自分のキャリアを考える際には、この重なりの部分を大きくしていくようにWill-Can-Mustをバランスよく考えていくと良いでしょう。

4. 「Will-Can-Must」を用いたキャリアプランの考え方

本章では、キャリアプランニングにおけるWill-Can-Mustフレームワークの使い方を整理していきます。

フレームに情報を埋めていった結果「Will-Can-Must」の3つの輪が重なっており、かつ大きさにバランスが取れていることが理想です(重なりの部分:コアが大きければ大きいほど良い状態です)。

この状態であれば、日々にやりがいを感じモチベーション高く過ごすことができるでしょう。

ただ、いきなりこの状態が導き出せていれば、そもそもキャリアに悩みを感じることはありません。以下ではいくつかのパターンに沿って、対処法をお伝えしていきます。

WillとCanが一致(Mustは重なっていない)

WillとCanが一致していることは「やりたいこと」と「できること」が一致しており理想に近い状態です。しかしその行動が周りのニーズから逸脱しているのであれば、いずれモチベーションを維持できなくなります。会社のミッション・ビジョン・バリューと自身のWillとが重なるイメージを持てるかを確認しましょう。もしそれが、今の部署で実現できないことだったとすれば異動を打診したり、社内で実現不可能であれば転職を検討した方が、長い目でみると良い結果に繋がるかもしれません。

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WillとMustが一致(Canが重なっていない)

WillとMustだけが一致している場合は「やりたいけど期待に応えられていない」状態を意味しています。主には能力や適性の問題があることになります。スキルを身につけること、経験を積むこと、周りに支援を求める......など、Canを増やすことが必要な状態だと言えるでしょう。

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CanとMustが一致(Willが重なっていない)

CanとMustだけが一致している場合は「会社の期待には応えられているが、自分がやりたいことではない」という状態です。責務を全うしているという意味では問題はありませんが、自分がやりたいことではないので、ストレスフルな状態にあると言えるでしょう。
この場合は「Willに近づくために何が必要か」を考えましょう。スキルなのか、マインドなのか。視点を変えることなのか。可能な限り具体的に・網羅的に洗い出し、次のアクションを起こしやすい状態を作っていきましょう。

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それぞれの輪の一致状態を整理し、ギャップを見つけ、優先順位を決めて行動計画に落とし込みましょう。

VUCA時代の生き方を考える

VUCAの時代と言われて始めて久しいです。先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態な今、これまでの常識が明日には非常識になっているということが頻繁に起こるようになってきます。それを引き起こす一つの要因はテクノロジーの急速な発展です。AIなどの先端技術が進化し、社会への適用が進み、働き方がガラっと変わっていくというケース。もう一つは、ちょうど10年の節目を迎えた東日本大震災や昨年に端を発したコロナウィルスの感染拡大など、人間の力でコントロールできない事象により、不可逆的な変化を余儀なくされるケースです。

経済や生き方など社会が急速に変動する時代において大切なことは、自分の意思で行動できる力、自分の意思で変われる力をつけることです。

自分は何がしたくて
自分には何ができて
自分は何をしなければならないのか

その言語化に「Will-can-Must」のフレームワークは非常に有効に働きます。
いまキャリアにお悩みの方は、一度活用してみてはいかがでしょうか。

5. 私のキャリアを「Will-Can-Must」で整理してみる

ここまでは「Will-Can-Must」の紹介や使い方について説明してきました。最終章では筆者のこれまでのキャリア変遷を、フレームに当てはめながら整理していきたいと思います。実例を交えることで、読者の皆さんにフレームワーク活用のイメージを持っていただけたら幸いです。

Phase.1「やりたいこと」へのスムーズな導入(大学卒〜新卒入社)

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母が介護の仕事をしていた関係で、人体への支援に関心が強かったことから、高専の卒業研究で医用工学を専攻していました。この分野の勉強を続けたいと思い大学に編入。就活では同分野を希望し、世界的に見ても老舗の医療機器メーカーに研究開発職で入社。入社間もない頃は、会社から見た「できること」「やるべきこと(責任範囲)」が少ない状態です。

入社のタイミングが、医療関係の法改正や、競合との合併が水面下で動いていた時期と重なり、メイン業務である研究開発はほぼできない状態でした。業務のほとんどが法改正対応のための紙面作りとなり、新規開発案件はストップの状態で「やりたいこと」ができない日々が続いていました。

入社4年目で部署異動を通知されます。心機一転、新しいことを学び経験する中で「できること」が自然と増えていきました。またこの頃、新人研修の講師にも任命され「やるべきこと」が増えていった時期でもありました。最初は「やるべきこと」として始まった新人研修でしたが、自分の適正とかなり合致していたようで「最適な研修を構築したい」など、次第に「やりたいこと」に転換されていきました。新人研修構築を通じて、「ヒトの成長」に興味関心のある自分を発見できました。

同時期に、労働組合の執行役員にならないかとオファーを受けます。この頃、企業合併により組織が大きく変革する中で、日々の業務や生活に不安を感じる社員も多かったことから、ヒトや組織の問題を解決すべく承諾。労働組合の業務も、自分との適正が合致しており、多忙な中でもやりがいを感じる日々が続きました。労働組合の活動の中で、普通に仕事だけしていたら関わりを持てなかった社員の方とたくさんの関係を築くことができました。これは後に本業務(研究開発)を進める上でも貴重な資産となり「Will-Can-Must」の重なる範囲(コア)がかなり大きくなっていた時期でもありました。同時期に結婚を迎え、仕事のみでなく私生活においても充実した日々を過ごしていました。

企業合併が落ち着いてきた頃、今度はさらに大きな企業に吸収されるという話が持ち上がりました。吸収先では権限も小さく、経験を重ねたところで先が見えてしまう状況の中、労働組合の任期満了を機に転職をすることに決めました。

Phase.2異業界・異業種への無謀なる挑戦(転職、2社目へ)

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次職に選んだのはブライダルプランナー。これまでとはかなり毛色の異なる業界・職種でしたが、これは1社目にて、同期の結婚式二次会の幹事を勤めた経験に端を発します。結婚式は、新郎新婦はもちろんのこと、ゲストの皆さんにも幸せな気持ちになって帰ってほしい。ここまでは普通に考えることですが、私は幹事を勤めた際には、裏にいるスタッフの方にも「今日は本当に良い日だった」と思ってもらえるよう、準備を徹底していました。空間全体が最高の状態になる「三方よし」を作りたい。これは1社目で「ヒト」に向き合ってきたことから生まれた「やりたいこと」でした。

しかし異形界・異業種への挑戦ということで「できること」「やるべきこと」が少ないのが実情でした。私は転職期間を1年と定めました。この間の「やるべきこと」は、ブライダルのスクールに通い、資格を取得し、休日に現場体験をするなどして「できること」を増やしていきました。

中途採用の選考にあたっては、やはり未経験ということもあってお見送りされることも多かったです。しかしそこから学び、これまで得たスキルや経験がプランナー職にどう活かせるかという資料を作成するなど工夫を凝らしました。その甲斐あって、本命としていたホテルに入社することができました。

ブライダルの基礎知識はスクールで吸収していたので、具体的なスキルへの転用をするだけでした。もちろん苦労もありましたが、徐々に「できること」が増えていくことは純粋に楽しかったです。しかし余裕が出てきた頃に、組織が抱えている問題が見えるようになってきました。業界では珍しいことではないですが、業務過多、イメージ乖離による早期離職率が高かったこと。また創業を支えたベテラン社員が一気に抜けるという事態に直面し、グループ全体としてレベルアップを迫られている状況にありました。

もちろん自分の担当するお客様には全力で向き合いつつも、この頃は組織問題の解決に注力していました。自分もそうでしたが、何かしら「やりたいこと」を想い描きながら入社し、ネガティブな想いを抱えて退社していってしまうことは、組織においても個人においてもマイナスにしかなりません。

幸い、同じ想いを抱える同僚との出会いがあって、プロジェクトを発足して問題解決に取り組んでいました。

しかしここで、自身の家庭の事情が絡んできます。子供の出産です。初めて迎える育児は、妻へのケアも含めて多忙を極め、仕事柄両立が難しい状況になっていきます。メンターとなって下さっていた先輩や、上司・人事の方と話し合いを重ね、家庭優先のために退社をすることにしました。

Phase.3そして青春へ(転職、3社目へ)

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家庭が少し落ち着いたタイミングで転職活動を始めました。次の職は慎重に選びたいという思いから、キャリアコーチングを受け、まさに自身の「Will-Can-Must」を整理しながら進めていきました。整理の結果、私は組織の在り方や、組織内におけるヒトの在り方などに趣向があることがわかったので、企業人事ないしは人事領域の仕事を探すことにしました。また異業界・異業種への挑戦となりましたが、自分で見つけた強いWillをもとに活動することに決めました。

本格始動しようとした矢先に、コロナウィルスの感染拡大が起こってしまいました。各社求人を縮小させていく傾向にあり辛い状況ではあったものの、この停滞期間を利用し、人事関係の勉強やコミュニティへの参加を通じて「できること」を増やしていきました。

とはいえコロナ禍における転職活動は熾烈を極めます。各社選考が進まない時期が続いた頃は、エージェントからはWillをズラした活動も進められました。しかしそういった場合、面接で語る言葉に熱が入らず更なる悪循環に陥ってしまうことも。やはり当初の軸をブラさずに活動をしようと決意し始めた頃、先述したコミュニティでの出会いを通じ、活動が一気に好転し始めます。

紆余曲折を経て、自分が成したいことと一番合致した企業に入社することができました。それが「青春の大人を増やす」ために活動しているHeaR株式会社です。設立2年、正社員10人未満の小さい会社で、初めての経験も多く「できること」の少なさ、「やるべきこと」の期待値調整など奮闘しておりますが、入社時に定めた「やりたいこと」の指針だけは見失わないよう、日々邁進しています。

まとめ

本記事では「Will-Can-Must」のフレームワーク活用法を、実例を交えてお送り致しました。

自己分析のフレームワークは他にもありますが、「Will-Can-Must」は使い方がシンプルでありつつ、有効性が高いことが魅力です。

大切なことはフレームを埋めるだけで終わらせないという心掛けです。フレームを埋めて整理することとネクストアクションをすぐ起こすこと。これをセットにして考えていきましょう。

「Will-Can-Must」フレームワークのテンプレート

以下リンクより「Will-Can-Must」フレームワークのテンプレートをダウンロードいただけます。ご関心がありましたらぜひ活用ください。(フレームを埋めるための質問集付き)

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「Will-Can-Must」フレームワークのテンプレートをダウンロードする

また上述したように「Will-Can-Must」を洗い出す工程では、他者の意見を聞くことも有効に働きます。個人の活動ではありますが、キャリアコーチングも受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください(近日中に、予約用URL発行します。直近だとtwitterDMが気付きやすいです)。

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