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デザイナーが2冊のビジネスモデル書を読んで実践してみた

こんにちは、フリーランスデザイナーのUmiです。
主にスタートアップのアプリやWebなどのプロダクトを中心にデザインと、たまにコードを書いたりしています。

スタートアップ企業のデザインをやっていると、自然と経営者と話す機会が増えたり、プロダクトの初期から関わったりして、ビジネスに興味関心が湧いてきます。

今回は2つのビジネスモデルについての書籍、「ビジネスモデル・ジェネレーション」と「ビジネスモデル2.0図鑑」を読んで、実際にビジネスモデル図を作成してみました。

まずは2つのビジネスモデルの書籍の概要から参ります。
※全部は紹介しきれないため、ビジネスモデルの「図解」や「ビジュアライズ」の部分にフォーカスしています。

ビジネスモデル・ジェネレーション概要

ビジネスモデルとは、どのように価値を創造し、顧客に届けるかを論理的に記述したものです。本書のコンセプトを組織で共通言語として使えば、ビジネスモデルを簡単に表現し、活用できるだけでなく、新しい戦略立案もできます。

ビジネスモデルは9つのブロックで構成されます。
1. CS(顧客セグメント)…必ず一つ以上の顧客セグメントに関わることになります。
2. VP(価値提案)…ある価値提案によって、顧客の抱える問題を解決したり、ニーズを満たします。
3. CH(チャネル)…価値提案を顧客に届けるには、コミュニケーション、流通、販売などのチャネルが必要です。
4. CR(顧客との関係)…顧客セグメントごとに顧客との関係が構築、維持されます。
5. R$(収益の流れ)…顧客に価値提案が届けられた結果、収益の流れが生まれます。
6.  KR(リソース)…これまでにあげた要素を提供するのに必要となる資源のこと。
7. KA(主要活動)…実際の活動について。
8. KP(パートナー)…アウトソースされる活動や、社外から調達されるリソースです。
9. C$(コスト構造)…そのコスト構造によって、ビジネスモデルの要素が決まります。

ビジネスモデル・ジェネレーションではこの9つのビジネスモデルのブロックをビジュアライズしたものを「ビジネスモデル・キャンバス」と呼んでいます。

ビジネスモデル・キャンバス

このビジネスモデル・キャンバスでは中央より左側は効率を、右側は価値を表します。

ビジネスモデル2.0図鑑 概要

著者が新書をnoteで公開しているので、詳しくはそちらをご覧ください。(ありがたすぎる‥!)

ビジネスモデル2.0図鑑は、タイトルにある通り「図鑑」のように、ビジネスの大枠をパッと見て、ビジュアルでとらえることができる本です。よりシンプルでわかりやすく相手に伝えるため、いくつかのルールに沿って作られています。

ビジネスモデル2.0 図解の説明書

ルール 1:主体は3×3で構成
重要な関係者・モノを3×3に収めるルールで、上段は利用者、中段は事業、下段は事業者を指します。

ルール2: 矢印はモノ・カネ・情報の流れ(+入れ子)を表現
主体の間を流れる重要な関係性を矢印で表します。必ず存在するわけではない流れは点線で表します。

ルール3: 吹き出しで補足
主体や矢印だけでは描ききれない重要な情報は吹き出しを使います。補足の補足がある場合もふきだしで表現します。


概要を説明したところで、それでは実践…に入る前に、2冊を読む前に作ったビジネスモデル図をご覧ください。

ビジネスモデルのビジュアライズ Before

月額制の入れ替え放題なカメラレンタルサービス「GooPass」

ビジネスモデル

ビジネスモデルが気になっていた「GooPass」を図解化させていただきました。
「GooPass」のビジネスモデルはネットで出てきた情報から推測させていただいております。
※2020年9月17日現在の情報です。個人の勝手な予想になるので事実と異なる部分があるかもしれません。

一見わかりやすいように感じる方もいらっしゃるかもしれないですが、情報が削ってあるだけでまとまっておらず、補足が無いためわかりにくい部分があります。

そして下記が2冊を読む後に作ったビジネスモデル図です。

ビジネスモデルのビジュアライズ After

ビジネスモデル・キャンバスgoopass

ビジネスモデル1

…いかがでしょうか?個人的には思考も見た目も整理され、わかりやすくなったと感じました。
「ビジネスモデル図鑑2.0」の方はひと目でビジネスモデルを把握するのに向いており、「ビジネスモデル・モデレーション」の方は思考をまとめたりみんなでディスカッションをして新たなビジネスモデルを生むために向いていると感じました。

ビジネスモデルのメリット・デメリット

ビジネスモデルのデメリットは、他社が真似しやすいという点にあります。ただ、ビジネスモデルは真似しやすいですが、その企業のストーリーや世界観はコピーできません。ストーリーや世界観というのは、その企業の美意識という難しい判断基準が必要になるため、簡単には真似できないのです。その企業でしか作れないストーリーや世界観を表現することがデザイナーの使命だと思いました。

もう一つのデメリットとして、ビジネスモデルに固執しすぎて流行に乗り遅れてしまうことも良くない点といえます。ビジネスモデルは常に時代の流れとともにアップデートされることを念頭に置きつつ、「現在のビジネスの状態をクリアにして、どこに課題があるかを可視化してくれるツール」という風に割り切って使うのが良さそうです。

メリットはビジネスはお金のためだけではなく、志まで含まれていると気づけることだと感じました。ビジネスモデルは年々複雑化されていますが、複雑なほど図解化できると達成感や面白さを味わえました。

「ビジネス」というととても難しく感じてしまいますし、実際私も苦手意識がずっとありました。今回ビジネスモデルについて正しい手法を学んで、苦手意識が無くなったのはもちろん、ビジネスについてポジティブな感情で興味関心が湧くようになったのがなによりの収穫でした。

よかったらビジネスモデル図解化、やってみませんか?


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