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イタリアン・ブレンド; マスターの哲学が反映される

仕事場からほど近いカフェでは、シングル・オリジンのコーヒーを飲むことが多いけど、今日はブレンド・コーヒーをいただいた。

ブレンド・コーヒーはその店の個性、さらにはフィロソフィーが込められると思っている。「イタリアン・ブレンドは」、豆をブレンドした上で最も深く焙煎するイタリアン・ローストだろう。

まず香りを嗅ぐ。きめが細かくて、それでいて深い焙煎香がこのカフェらしい。口に含むと、細やかで強い苦味が明確だ。そして広がるコクとうま味は焙煎香をまとっている。すこし、木の皮の香り。酸味と収斂味のバランスもよい。

長く続く余韻は、上品で力強い苦味と、紅茶や煙草の香り。この余韻の長さ、スーッと引っ張られる感じが心地よい。

少し冷ますと、バランスが変わってくる。酸味が目立ってくる。そして、やわらかさとふくよかさが際立つ。苦味は少し太くなる。余韻の長さは同じくらい。

冷めても別のおいしさがあるコーヒーは多いけど、このコーヒーについては、提供された時の温度が際立ってよい。

2021年6月 カフェ・デ・コラソン(京都・西陣)にて



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