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なまはげの里へ

長野の親分よりいつか連絡があった。
仕事のついでに、男鹿半島漕ぎましょう!!
漕ぎましょうと言われる2、3年ぐらい前から地形図を取り寄せて、いつか、いつか、と思っていたのだが、いつになってもいつかは訪れず、ようやく声をかけてもらい二つ返事で「はい、喜んで!!」という流れで男鹿半島行きが決まった。
きっかけって人からだよな、といつも思う。
ちなみに、私の親分はあちこちに点在している。
場所によっては1県に二人いたりもする・・。

初めての日本海。八戸から向かうにはどのルートを通るべきなのか。
有料道路を通ると3時間半、下道の最速は十和田湖経由で行けば4時間。
迷いなく下道を選んだ。行き、帰りとも夕方からの移動にしたが、夜の奥羽山脈越えは不気味。クマに会ったらどうしようとか、人が倒れていたらどうしよう、眠くなったら?コーヒーが飲みたくなったら??そんなバカなことばかり考えていたが、全ては杞憂に終わる(笑)。

秋田の国道は、山の中でも、街の中でも、道がまっすぐでとても走りやすかった。地形のおかげなのか、設計がうまいのか、それとも維持管理が抜群にうまいのか、、きっと全部なのだろう。
普段、八戸のでこぼこ道を走っているからか、余計にそう思う。
なんだか道路がいいからか燃費がいいような気もする。
道路がいいと夜でもルンルン鼻歌交じりだ。

そんなことを考えながらあっという間に4時間。

集合は、なまはげの里オガーレに朝7時。
今回のメンバーは津軽海峡横断青森組がまた集結。
想い想いの時間に来て、トイレの混みように唖然としてトイレがすいていそうな場所へ移動し、計画を立てる。

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駐車場で地図を広げる、が当たり前になっているが、果たして回りの人たちはこの姿を見て何をどう思っているのだろうか(笑)。
きっと海賊に思われているに違いない。
そして、距離を漕ぎたいのか、温泉に浸かりたいのか。ゆっくりしたいのか、面白いところをめぐりたいのか。
今回の旅は、距離を捨て、温泉につかれればそれでいい??ということでキャンプ地でゆっくりする計画となった。

行程的には、かなり時間に余裕がある。
気を張り詰めない旅も、なかなかいいなぁとおもいつつ、ゆっくり準備を進める。カヤックにキャンプ道具を積み終わると、バランスを整えるために前後ろの重量チェックをするが、今回も後ろ側が半端ない重い。
でも、まぁいっか。しょうがない。
果たして、この判断が命取りになるのか、否か。

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そこそこに準備を終え、出艇。
初めての日本海を見て、海の静けさに感動した。これが外海か。この静かさは、太平洋ではなかなか感じることができない。あったとしても、年に何回こんな静かな海に出会えるのだろうか、そんなレベルだ。
普段三陸の北側によくいる私にとっては、男鹿半島のような、なだらかな緑の海岸線は、ほっとする。
岸よりも、沖の方が水温が温かい。水温は、数字では23度。
男鹿半島の真ん中らへんから漕ぎ始め、まずは南下。
目指すは孔雀ケ窟。

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ジオのことは全く詳しくはないが、海蝕、というよりはすごいマグマが冷え固まった感が強い海岸線だ。
と思って調べてみると、どうやら海蝕らしい。
自分の知見のなさに、恥ずかしい限りです(笑)。
リンク貼り付けます。先に行っておきますが、決して男鹿半島観光関係の回し者ではございません。

風裏に入れば、べた凪のロックガーデンが待っている。
外海で、こんなべた凪の中でロックガーデンが楽しめるのが日本海の楽しさだろうか。
しかし、逆光で暗礁はかなり見えにくい。
さらに、キャンプ道具を積んでいるので喫水が下がっている。
こんなので座礁したくないな、と思っている矢先に。
メキメキ。ギャー!やばいやばい。見られてなくてよかったぜ。
真っ先に座礁したのは、自分だった(笑)。

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お待ちかねの孔雀ケ窟。
この洞窟は、なかに入ると湿気を感じる。生暖かい空気が充満していた。

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カメラを構えると、ここでだけレンズが曇る。
もう買い替えか、、、と肩を落としていたら曇っていたのは自分のカメラだけではなかった。なんだろうか、こんなささいなことでも、神秘を感じる。

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どうすれば、こんな奥に深い洞窟ができるんだろう。
すごいよなぁ、地球は。
こうやってブログを書いていて調べものをしながら書き進めるが、この情報をしっていたらもっと現場で楽しめたろうなという情報が出てくる出てくる。
「男鹿の赤神と津軽の黒神のけんか」
こういう伝説は、たまらなく好きだ。
下にリンクを貼り付けます。
再度言っておきますが、男鹿半島の回し者ではございません。

南側の目的地に着いたところで、キャンプ地に向かって折り返す。
この時は南東の風が吹いていたので、追い風、追い波でサーフィンしながら進む進む。あっという間に出艇ポイントを越えた。
しかし、吹き続ける風は一回カヤックの向きが変わってしまうと、なかなか進路を補正できない。
曲がれ!曲がれ!!曲がれ!!!と気持ちを強く漕いでも曲がらない。
こういう時は、気持ちじゃなくて、技術です(笑)。

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ウィルダネスの要素を醸しつつも、なだらかな斜面と緑に再度安心する。
加えて風裏のべた凪ロックガーデン。
男鹿半島、最高かよ!!!

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そうして漕ぎ進んでいると、あっという間にキャンプ地へ。
ほんと、あっという間・・・時間にして2時間程度だろうか。
でも、キャンプ地でのんびりするカヤッキングもなかなか捨てたもんじゃない。

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日本海に沈む夕日は、本当にジュッと音が出そうな夕日だった。
夕日の沈み方さえも、新鮮。
今回の目的である金ヶ崎温泉は、あまりにもワイルドかつセクシーなので、割愛。ぜひ、皆さんも自分の目で確かめてほしい。
一つだけアドバイスすることがあるとすればが、プールは持っていきなさいよ、ということです(笑)。
改めて、余計なことを考えずに、純粋な心で自然を楽しめるこの遊びは、すごいなぁと思う。

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沈む夕日に心奪われ、蚊に足を刺されまくり、たき火を囲み、酒を飲み、天の川を見て、これにて終了。
しかし、まだ蚊がいるとは迂闊でした。10か所はやられました。両足の足首~足の甲までまんべんなく。この時期の蚊は、強烈らしい。
やっぱりキャンプに靴下は必需品ですね。
三陸の北側にはもう蚊はいませんけどね!!!
唯一のマイナスポイントでしょうか(笑)

それを差し引いてもしかし。
もう1回言わせてください。
男鹿半島、最高かよ!!!!

もちろん、真面目に仕事をこなした後のご褒美です。
そして、これも「フィールド調査・開拓」という大事な仕事です。

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