保護者107人に聞いた!「2021年春〜夏のお出かけ」意識と行動アンケート結果
「今、保護者の方は、どこに出かけているのだろう?」
編集部の企画会議で出たひとつの疑問をきっかけに、保護者の方を対象に「2020年や2021年のレジャーに関するWEBアンケート」を実施(期間:2021年7月21日〜8月13日)。107名の保護者の方から回答をいただきました。
「コロナ禍で外出や行動を制限され、相当なストレスが溜まっているのではないか」という私たちの想定は合っているのか。だとしたら、どのようなストレスが溜まっているのか。
お子さんや保護者ご自身の普段の様子など、リアルなコメントやご意見をたくさんいただいたので、自分の身に置き換えてふり返ったり、考えていただきながら、ぜひ最後までお読みください。
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(1)回答者数の概要
回答してくださったのは107名、25都道府県にお住まいの20〜60代の保護者。
関東地方にお住まいの方が約66%と一番多く、次いで北海道・東北地方、中国地方の方が約8%、以降関西、中部、九州沖縄、四国という順でした。
職業は会社員、公務員、自営業、主婦/主夫など、さまざまでした。
お子さんの年齢は0〜6歳が60名、小学生が50名、中学生が29名、高校生が19名、大学生が8名という結果となりました。
次のブロックからは、レジャーについての回答内容をご紹介していきます。
(2)【2020年】海・山・川の外出は、「出かけなかった」が約6割
まずは2020年のお出かけ状況についてお聞きしました。
Q .2020年は、家族と自然のレジャー(海、川、湖など)へ出かけましたか?
「いいえ」が約6割。「はい」と答えた方の内訳は「海」、「川」、「山」次いで「湖」。
住んでいる地域は東京をはじめ、全国さまざまでした。2020年はコロナ禍で制限のある状況ではありましたが、半数以上の人が感染対策に注意しながらレジャーに出かけたようです。
(3)【2021年】ゴールデンウィークの外出、「出かけなかった」が5割弱
続いて、2021年のゴールデンウィークのお出かけ状況について。
2021年のゴールデンウィークは、東京、大阪、京都、兵庫の4都府県で緊急事態宣言が発令されていました(4月25〜5月11日)。不要不急の都道府県外間の移動は極力控えるように求められ、イベントなどが中止や延期となっていた時期です。
なかなか帰省や外出がしづらい中、どのように過ごされていたのでしょうか。
Q.ゴールデンウィークは家族でどこかに出かけましたか?
出かけなかった方が半数弱。他の回答としては半数は車を使ったり、公共機関を使ったり。外出したとしても、住んでいる都道府県内への移動が多かった結果に。感染者数の増加や緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が出されていた事なども関係しているのかもしれません。
外出した・しないの理由としては…
・対策をとっていてもどこで感染するか分からないから
・感染症対策を行っているから
・家族以外と接触しない予定だったから
が多く、その他には「子どものストレスが高まっている感じがした」「山や川など密になりにくい場所だったから」などの結果になりました。
その時のお子さんの様子を聞いてみると…
Q.ゴールデンウィーク中のお子さんの様子を教えてください。
「普段と変わりなかった」36.4%、「家族との時間を楽しんでいた」が32.7%で、合わせて7割弱を占める結果に。前の質問の回答に関わらずの質問のため、外出の有無での結果ではありませんが、普段通り過ごしていたお子さんが多かった模様です。緊急事態宣言が3回目となっていたり、コロナ禍2年目に突入していたり。withコロナの生活に慣れてきたお子さんも多かったのかもしれません。
他は「学校の友人と遊んでいた」や「離れて暮らす祖父母に会いたがった」、その他の回答として「仕事の為、ほとんど学童で過ごす日々だった」「部活で忙しくしていた」などがありました。
(4)【2021年】夏休みの外出予定と各ご家庭で気をつけているレジャーのこと
さらに、夏休みの予定についての質問を。アンケートを実施したのが夏休み真っ最中ということで、「予定」を伺ってみました。
Q.2021年の夏は、家族でどこかへ出かける予定はありますか?
「いいえ」、「迷っている」と回答された方が7割ほど。2021年7月12日〜8月22日までは、今年4回目の「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」が出されていた時期のため、決めかねていた方が多かったのかもしれません。
「はい」とお答えの方の想定の外出先は、
「海や山」「感染症対策を取っているキャンプ場」「川」などの自然のレジャーのほか、「県内にある主人の実家」や「テーマパーク」「プール」などが挙がりました。
理由としては…
・ストレス解消、リフレッシュのため
・できるかぎりの感染症対策をしているから
・車移動など家族以外との接触を減らすように
など、ご家庭での感染症対策を行った上で、外出するという方が多かった印象です。
反対に「いいえ」「迷っている」と回答してくださった方の理由としては…
「コロナの感染者数が増えているから」が84.6%と高い割合に。
「いいえ」や「迷っている」方々の候補の行き先としては、「実家がある故郷」「海・山・川」が多く、他はレジャー施設や温泉などが挙がりました。
続けて、なかなか外出に前向きになりにくい中、家族でレジャーに期待している事、レジャーで心掛けている事なども質問してみました。
Q.家族でレジャーに行く際、期待している事を教えてください。
※複数回答OKの設問です。
「子どもとの思い出づくり(76.6%)」、「子どもに色々な経験・体験をさせたい(68.2%)」が上位に。次いで「ストレス解消(51.4%)」「景色や景観を楽しむ(44.9%)」「日常を忘れられる(43%)」といった結果。当たり前かもしれませんが、お子さんの年齢を問わず、「思い出づくり」や「経験・体験」などの機会提供の場を作りたいと考える保護者が多いようです。
Q.家族と自然を伴うレジャーへ行く際、心がけている事を教えてください。
「事前にどんな場所か調べる(駐車場、トイレ、近隣店舗など)」、「子ども用のグッズを準備する(衣類、靴など)」、「目を離さないようにする」などの回答に多くの票が集まりました。
※複数回答OKの設問です
お出かけの際の情報収集としては、「インターネット検索」が群を抜いて多く、他は「友人などからの口コミ」、「SNS」など。
※複数回答OKの設問です。
皆さん、事前のリサーチや準備をしっかりおこなっている印象です。
家族でレジャーへ行く際に1番気にかかることは、「場所の安全性」が52.3%とダントツで多く、続いて「目的地までの移動距離や時間」、「費用」という結果になりました。やはり大前提として、「どういった場所なのか」を気にする保護者の方が多いようですね。
※複数回答OKの設問です
さらに続けます。
Q.水辺のレジャーへ行く際、必ず持っていくアイテムがあれば教えてください。
※複数回答OKの設問です
「飲み物」、「タオル」、「帽子」、「日焼け止め」が70%超え。「ライフジャケット」は16.8%という結果でした。お子さんの年齢や水辺のレジャーでの目的はさまざまかもしれませんが、水辺に行く際にライフジャケットを必ず持って行って欲しい、という私たちの想いは、まだ強く発信していかねばならないことが分かりました。
(5)【2021年7・8月】ストレス、じわじわ増加傾向か
夏休み中でお子さんと接する時間がより増えていた中、普段の様子についても質問。昨年と比較して感じている事など、お子さんだけでなく、親御さん・保護者の方ご自身についても、リアルなコメントをいただきました。
Q.去年(2020年)と比べ、ストレスを感じることはありますか?
「より感じる」「まあまあ感じる」が合計74.7%、「去年と同じくらい」の方が15%。
「感じる事が減った」「ほぼ感じない」という方は10.2%。程度の差はあれど、8割弱の人がストレスを感じている結果になりました。長引く自粛生活などによって、昨年より負担や不満を感じている人が多いのかもしれません。
理由としては…
■「より感じる」「まあまあ感じる」「去年と同じくらい」の方・気軽に出かけられない
・感染するリスクがある
・親を含む親戚に会いづらい
などが多く、「家事量が増えた」や「ひとりの時間が少ない」なども要因になっているようです。
■「感じる事が減った」「ほぼ感じない」の方
・感染症対策をして過ごすことに多少慣れた
・自宅で楽しむ方法が増えた
・もともと人と会うことが少ない方なので、前とそんなに変わらない
・コロナで外出を控えていたので、子供たちをどこかに連れて行ってあげないとという義務感を感じなかったから
など、対策を行う事やステイホームに慣れたという方が多かった印象です。
Q.普段、家族で出かけることはありますか?
「車を使って住んでいる都道府県内へ」が56.1%と半数以上。ほか、「公共交通機関を使って住んでいる都道府県内へ」と「徒歩圏内の外出がほとんど」という方がそれぞれ14%ずつという結果になりました。
どうしても外出時は色々と気を遣う毎日。そこで、現在外出時に感じている事や悩んでいる事を教えてもらいました。
Q.家族と出かける事について、悩んでいる事、思っている事を自由に教えてください
回答結果から、「気軽に出かけられない」「感染リスクへの不安」「感染リスクへの不安」の3つが悩みの上位を占めていることが分かりました。
■悩み・思っている事
気軽に出かけられない
・行く場所が限られてくる、施設を利用する際は予約などが必要
・近場には行き飽きた、暑くて公園などの外で遊べない
・県外の親や祖父母に会いに行きづらい
・たくさんお祭りとかイベントの経験させたいのに、思い出が増やせない
感染リスクへの不安
・どこで感染するか分からないから出かけられない
・子どもがまだ小さいため、マスクを外してしまう
・感染リスクを減らしたいので、なんでも車(車内)で済ませるようにしている
負担が増えた
・密にならないような場所を考えることがストレス
・まわりの目があり、心から楽しめない
・繁華街には行かない、食事の場所を考える、常にアルコール消毒、お手洗いを選ぶ、負担が多いです
やはり多くの人が、コロナ感染リスクに対する不安を感じているようです
各自での対策については、以下のようなコメントがありました。
・自分たちはしっかり感染対策をする
・まだワクチン接種も予約がとれないので、密にならないようには気をつけている
一方で、この状況をポジティブに捉えた、下記のようなご意見もありました。
・車中で、家族の好きな曲を流して共有したり、いろいろと話ができたりして、楽しい時間になります
・色々な体験を共有できるので楽しい
どこで感染するのか分からないという漠然とした不安の中、皆さんさまざまな事を感じられていました。「たしかに…」と納得するコメントも多数。そんな中、少数ではありましたが、ポジティブに現状を楽しまれている方も一部いらっしゃいました。
色々と思案する保護者の方から見て、お子さん達はどんな様子だったのでしょうか?
Q.お子さんがストレスを抱えているように見えますか?
「はい」44.9%、「いいえ」55.1%と、ゴールデンウィーク時より、「ストレスを感じているようだ」という回答が多くなった印象です。アンケート実施期間が、まさに夏休みまっただ中だったため、実感として感じやすくなっていたのかもしれません。
「ストレスを抱えているように見える」と感じる理由としては…
・口調や返答がキツくなった、怒りっぽくなった
・外に出たがる、「出かけたい!」と叫ぶ、動く遊びをしたがる
・行きたい所へ行けない、友人や祖父母など会いたい人に会えないなど、行動が制限されているため
などが挙げられました。
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まとめ
2021年ゴールデンウィーク時点では、ストレスを感じている割合がそこまで多くはなかったようですが、アンケートを実施した2021年夏休み真っ最中の時期は、じわじわと増えてきていた印象です。
ストレスに感じている事に対しては、個人での解決が難しそうな内容も多く、まだまだ引続き、感染予防対策を取りながら過ごしていかなければ、という所かと思います。
一方割合は少ないながらも、そこまでストレスに感じていない派のコメントも読むと納得。コロナ禍だからこそ楽しめている事や、コロナ禍2年目ということで自然な流れで受け入れられている方もいたように感じます。
今回、アンケート結果を記事化する際は「○○だった!」と断言することはしないでおこう、と編集部内で話していました。色々な考えがあり、感じ方や受け取り方も人それぞれに異なります。多様な意見を広く紹介することで、記事を読んでくださった方が「うちもうちも〜」と共感できたり、「そうなんだ!」と新たな視点の発見につながったり。自分の意識を少しだけ、ゆるくほぐせるものになればと思い、記事をまとめました。
普段は「海や子どもの安全」、「ライフジャケット」、などの記事をお届けしていますが、今回は少し毛色を変えて、お子さんの様子や保護者の方にスポットを当てさせていただきました。
私自身、「やはり…」と思うコメントだけでなく、考えていなかった視点からのご意見や考えを拝見でき、少しだけ自分の中での考えを少し更新できたような気がします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました! そして、アンケートに回答いただいた皆さま、お忙しい中貴重なご意見をありがとうございました。
まだまだ気軽に外出しにくい毎日ですが、今回のアンケート結果を見て少しでもなにか感じるところがあれば、うれしいです。