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海野まなみ
2022年1月30日 14:23
捨てる神あれば拾う神あり、というのは本当だなと思う。フリーランスとして起業してから数ヶ月。もらえる仕事はまばらだけれど、依頼はボツボツ続いている。今、一人暮らしをしたら、贅沢はできなくても、そこそこ暮らしていけるのではないか。フリーランスで働くというのは、きっとこういうことなのだろう。もちろんこれだけでは十分ではないから、1年後には、副業も軌道に乗せる。そのための準備も
2022年1月29日 18:28
再び、ジムに通うことにした。半年前に通っていた時は、運動不足を解消するための暇つぶしだったけど、今回は真剣に筋トレをすることにした。月会費の5,000円は、もちろん自分のお金で支払うから、今の収入で捻出するのは正直、痛い。少しでも貯金した方がいいのではとも思う。それに、ジム通いが彼にバレたら、「そんな暇があるのか、お気楽だな」とイヤミの一つも言われるだろうし、経済的にも余
2022年1月28日 18:09
暴言は録音しておくように言われたので、パッと見にはわからない、ペン型のICレコーダーを買った。いつ暴言が始まるかもわからないので、スイッチはずっと入れっぱなし。けれど、連続24時間しか持たないから、こまめに充電もしなければならない。そして、こっちがこういう準備をしていると、なぜか彼は、穏やかな態度に変化する。思う通りにはいかないものだ。暴言は、できるだけ言われくない。で
2022年1月27日 18:07
生活費のほとんどは、彼が負担してくれていた。もちろんそれは感謝していたけど、私はそれを、当然のことだとも思っていた。なぜなら、生活費を出してくれているから、彼のモラハラや言葉の暴力、そして浮気も、我慢することができていた。私の中では、一種のトレードオフ。結婚生活を続けるための、交換条件のように考えていた。私にとっては数少ないメリットだった。でも、それにあぐらをかいていたの
2022年1月26日 17:47
思いついたときに、離婚の材料となるものをメモしている。ふと思い出したのが、ケンカの時に言われた言葉だ。「浮気はいい気分転換だったのに」「浮気で息抜きができてたのに」挙げ句の果てに「そんなに悪いことだとは思ってない」彼の中で、浮気については罪の意識がほとんどなかった。見て見ぬ振りするのが妻としての礼儀だろ、とすら、思っている節があった。浮気してるのは、俺だけじゃない。
2022年1月25日 17:39
今、離婚に向けて、彼の悪行の証拠を集めているんだよ。そう親友に報告したら、彼女はこう言った。「それと並行に、 妻としてどんなことをしたのかもまとめておいた方がいいよ。 彼にどれだけ尽くしたか。 配偶者として、責務を全うしたか。 自分に非がないところは、きちんとアピールできるようにね」なるほど、確かにそうだ。料理と洗濯、ゴミ出しは私の仕事。でも、掃除は彼の趣味でもあるから任
2022年1月24日 17:57
仕事の合間を縫って、離婚に向けて必要な書類を集め始めた。浮気の証拠。見るたびに腹の立つ、LINEのやりとり。ハートマークがいっぱいで、旅行の相談をしている内容だ。すでに彼は浮気は認めているけれど、全てが終わるまでは、証拠は絶対に消せない。モラハラ、言葉のDV。親友に送った、ケンカの内容が書いてあるe-mail。ふと思い出してメモに取っていた、彼の暴言。携帯に眠っているいくつ
2022年1月23日 17:58
そうだ、彼の事業には借り入れ金があった。私はその書類に、サインをしていた。彼の目を盗んで、急いでその書類をコピーする。もちろん彼は、「離婚までには、全ての書類から名前を外すから安心していい」と言っていた。でもそんなの誰が信じられる?散々嘘をついて、私を裏切ってきたくせに。これは絶対に、離婚条件の中に入れておかなければ。別れた旦那の借金を背負うなんて、そんな馬鹿馬鹿しいこと
2022年1月22日 12:20
私は彼の仕事を少し手伝っていたから、その引き継ぎや、先方への根回しも必要だった。彼の助けになると思って協力したのに、今となってはそれが逆に、足枷になってしまった。「余計なことしてくれたよ」彼がポツリとつぶやいた。「オマエに頼むんじゃなくて、外注すればよかった」今更そんなことを言われても。仕事を頼むときは、調子のいいこと言って、私をうまく利用したくせに。私の名前を使
2022年1月21日 17:48
モラハラの証明で、一番有効なのは音声だ。実はいくつか録音してあるのだけど、どうしても聞き返す気になれない。怖くて嫌な思いをしたのに、それをもう一度思い出さなければならないなんて。性暴力にあった人が、裁判に踏み切るまで時間がかかるのも無理はない。二度と思い出したくないことを、証拠を添えて提出しなければならないのだ。これはこのまま、もう少し眠らせておこう。今はとても聞く気に
2022年1月20日 17:31
私は、彼のモラハラを示すような証拠を探し始めた。残念ながら日記は書いていなかったが、ケンカが起きるごとに、親友にメールを書いていたのを思い出す。何年も前から遡り、膨大な量のe-mailを1通1通、確認していく。私から彼女に送った内容は、彼から浴びせられた、ひどい言葉のオンパレードだった。「お前なんか、なんの役にも立たない」「男は浮気する生き物だ」「俺は変わらない、お前が変わ
2022年1月18日 21:06
私が調停離婚を躊躇するのは、彼に対する「家族への情」と、追い詰めては可哀想だと思う「憐れみ」の気持ち。けれど、協議離婚で穏便に解決してしまったら、浮気、モラハラ、言葉のDVなど、数々のルール違反を証明することができなくなってしまう。彼のことはいまだに憎みきれないけど、自分のやってきたことについては、責任をとって欲しいと思った。私は彼を追い詰めて、仕返しをしたいわけじゃない。
2022年1月18日 17:38
私たちは共通の友人が多く、仕事も少しかぶっていたため、離婚後も、連絡を取る必要があるように思えた。そのためにも、やはり穏便に済ませた方がいいのではないか。調停にせずに協議離婚にし、私が頭を下げれば、引っ越し代の数十万円くらいをもらえるだろう。それで我慢した方が、この先のためにもいいのでは・・・。そんな考えが、何度もよぎる。「調停」という言葉の強さに、すっかり及び腰になってしまっ
2022年1月17日 18:20
この後に及んで、まだ躊躇している自分がいる。いや、離婚についてはもう、腹を括っているし、弁護士にもお願いするつもりでいるけれど、どうしても「調停」に抵抗を感じてしまうのだ。それはまだ、唯一残っている、彼への感情、「家族としての情」だと思う。私は、彼の良いところも悪いところも、強いところも弱いところも、彼本人以上に理解していた。彼のことは憎むというより、哀れに思ってしまうこと