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シュタイナー園で聞くメルヒェン/第2回

第1回から時間が経ってしまいました。

秋、こびとたちが地面の近くでせっせと働いていた秋が過ぎ、冬も過ぎて花々が次々に咲き始めています。こびとたちが地面の下で用意してくれた様々な色です。

 これからグリム童話の「しらゆきひめ」について書きます。「しらゆきひめ」の話の中には7人のこびとが登場しますね。それはちょっと先のことになります。こびとについては、後でぜひお話ししましょう。

 まずは始まりを見てみましょう。

 しらゆきひめ
「むかし昔、冬のさなかのことでした。」

と始まり、どこやらの国の王さまのおきさきが黒檀の枠の窓ぎわに腰をおろして~と続きます。

   

「雪のように白く、血のように赤く、窓わくの木のように黒い子どもがあったら、さぞうれしいでしょうにねえ」と、ひとりで考えてみました。
 

《イメージ像》

 imago =画像                                

 メルヒェンで語られていることは、夢の世界です。ここでの夢とは、願望ではなく、また夜見る夢によくある、身体的な状態が変容した内容でもなく、それよりずっと深い、真実を語る夢です。

 死にゆく人は家から出なければならないという夢をよくみます。子どもは家を探す、とか森の中を迷う、大きな家の中で迷うという夢をよくみます。

 また予言的な正夢と言われる夢もあります。メルヒェンとはこの三番めの正夢、人類全体の正夢をことばで語ったものです。

 しらゆきひめのメルヒェンの最初に出てくる

この

雪/血/黒檀

のイメージの語っているものは、それではなんでしょう。

雪  白 結晶 クリスタル 

これは人間のクリアな思考であり、骨の組織に見られる結晶の形です。

血  赤 心臓

黒檀 黒 燃え尽きたもの 犠牲心 献身

窓枠   形作られているしっかりしたもの 


黒い髪を持っている人は体の中に鉄成分を多く持っています。鉄成分は強い意志を持つことを助けてくれます。

「その女の子は雪のように白く、血のように赤く、それから黒檀のように黒い髪の毛をもっていましたので、それで ゆきしろひめ という名前がつきました。


《3》

 メルヒェンでは三という数字がよく出てきます。数字には意味があり、数字は命を、サブスタンスを持っています。

三回繰り返されたり、三層になっていたりします。三度の繰り返しで初めて、しっかりとした繰り返しになります。

二度あることは三度ある と日本では言いますし、西洋では善きことは三度、という言い方がよくされます。

 夢をよく自分で観察してみると、数字に色がついていたりします。夢とメルヒェンはやはりとても近いものがあります。

 しらゆきひめのテキストは岩波文庫、金田鬼一訳を元に、適宜、ドイツ語から直接訳しています。

第3回に続きます。

第1回はこちら。


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