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《ダウン症のある子と家族のじかん。「最近どうしてる?」リレーエッセイ》その2 山上 有希子さんより

カメラマン江連さんにこの写真を撮っていただいたのが2018年5月。

奈々はこのとき2歳10か月。

あれから4年。 いま奈々は5歳、保育園の年長さんになりました。

弟も生まれお姉さんになりました。

この4年間で、奈々はとっても成長しました。

自分でご飯を食べられるようになったし、

着替えもトイレもできるようになりました。

弟のお世話もしてくれるし、

お手伝いもたくさんしてくれます。

でも、まだまだ甘えたくて、すぐに「だっこ!」って言ってみたり、弟を攻撃したりもしちゃいます。

お姉さんと甘えんぼさんをいったりきたりしながら、毎日頑張っています。

4年前も幸せだったけど、今はさらに幸せです。

これも周りの支えがあるからこそ。 いつもありがとうございます。

これからもたくさん笑って過ごしたいと思います。

奈々のダウン症は、妊娠初期に可能性を指摘されていました。

最初はもしダウン症だったら育てるのは無理だろうと漠然と思っていた私。

妊娠中期になり胎動が始まりとてもとても愛おしい命、

大切なわが子と感じるようになりました。

羊水検査で陽性が確定した時、

もう諦めるなんて考えられませんでした。

諦めるのが当然だと思っていた周りの家族。

私が突然生みたいと言い出したもんだから、

びっくりさせたし嫌な思いもさせたかもしれない。

それでも諦めたくなかった。

何とかひとりでも産んで育てられる方法を探した。

どうしてもこの子と一緒に生きたかった。

そして、いろんな人の話を聞くうちに私にも育てられそうだと思えてきました。

「私はひとりでも産む」 そう決心し夫に伝えると、

夫は「そこまで言うなら」と産むことを了承してくれました。

お互いの両親も最後は私たち2人に任せてくれました。

夫はその後もしばらくは、その決断に後悔もしたそうですが、

今では娘の事を大切にしてくれています。

もちろん、娘もパパが大好き。

ここまでくるのに、本当にいろいろあったし、

今も問題が無いわけではないけれど、私たちは幸せです。

奈々のお陰でたくさんの人に出逢えました。

沢山周りに支えていただきました。

ひとりじゃないことの素晴らしさを教えてくれたこの命。

どんな世界でもひとりじゃないって本当に心強い。

まだまだ娘が生活するのに社会に障害という壁が存在するけれど、その壁が無くなって、

ダウン症などのスペシャルニーズがあったとしても、

悩むこと無く産める社会になってほしいです。

(1枚目写真 撮影/江連麻紀)

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