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とりあえず、生き続ける。それでいいじゃん

外出禁止令が出てからもうすぐ2ヶ月のフランス。そして順調にいけばあと5日ほどで解禁だ。しかしなぜだろう。全然心踊らない。もうすぐ外出できるというのに外出する気が全く起きない。週に1度の食材の買い物ですら面倒だ。

鬱々とした気持ちになってしまっている。外出禁止から二週目までは、今後このような事が続くとメンタル含め体調も崩れやすいからと、意識して運動や規則正しい食事・睡眠を心がけていたのに。

そこから2週間、また1ヶ月の延長が伝えられた時、始めは落ち込んだが、あまりにこの生活に慣れすぎて、日々はあっという間に過ぎるようになった。体型の維持も、あと1ヶ月も続くなら少しは気を抜いたって大丈夫だろう、、、と間食も増え、運動は減り、テレワークのできない職種の私は翌日仕事があるわけでなし。早く起きる必要もない生活の中で際限なく見続けられるNetflixやAmazonプライム、、、。気づけば朝4時に寝て正午過ぎに起きる生活が確立されていた。

そして、気力もない、体力もない、この先どうなるか見えないし何も考えたくないという鬱々とした気分からなかなか抜け出せなくなった。


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世間ではいろんな”バトン”が流行り、7daysブックカバーチャレンジなど、それぞれの自粛生活の様子がSNSに上がるのを目にする度、自分はこんなに廃人のような暮らしをしているのにみんなは今、本を読んで教養を深めたり、健康にこだわったインスタ映えする食生活やトレーニングを欠かさずやってキラキラ生きているんだ、、、!!!と衝撃が走り。

noteは特に、有益な情報を発信することが目的で記事を書く人が多い場所なので、「より良い未来を掴む方法」「こんな時だからキャリアアップに繋がる学習時間をとろう」というような記事が並んでいるのを見る度、こういう時ほど有意義な時間を過ごさなくてはいけないのに、私には前向きに未来の準備をする気力が全くない。毎日をただ生きているだけの自分はとんでもないダメ人間なのでは、、、と勝手に脅迫観念に囚われてしまう様になった。

私自身のnoteが自己内省や考察記事が多かったために、noteを更新することさえしんどくなってしまった。自分なりに、ストレスを発散する方法を色々試してみたが、特に効果は感じられなかったり、そのうちなんだか息苦しく感じるようになってきた。いろんな記事を見る中で唯一ちょっと効果があった気がしたのが、以下vogue girlの記事にあった「心配ごとを15分思いっきり書き出す」だった。

専門家が解説!新型コロナウイルスから受ける、日々のストレス&不安と向き合うためのTIPS。-vogue girl

やってみたら、B5ノート見開きがビッチリ埋まって自分で引きつつも、そりゃこんなに不安で頭がいっぱいなら気力も湧かないはずだ、と冷静な頭で納得できた。それにより少し気分が落ち着いた。


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このコロナ渦に限らず、わたしは時々こうやって自分で自分を追い詰めてしまうことがある。「もう30代で周りの友人は結婚出産マイホームビンゴを着々と進めているのに私は何一つできてない。わたしには私には何か重大な欠陥があるのか」とか、「みんなそろそろキャリアで大きな転換期を迎えているのに私はいつも中途半端」とか、思い詰めてにっちもさっちもいかない精神状態になり「もっと頑張らないと、、、」が口癖になり闇落ちし始める。

ある時、そんな私に姉が言った。

「そんなに頑張らなくてもいいんじゃないの?

別に立派にならなくたって、生きてるだけでいいんじゃない?」


「いや、でも、、」と一瞬反論してみようとしたものの、実はその瞬間、心の奥底から自分が救われた事を感じた。ゆっくり、じんわり、爪の先まで行き渡るように暖かいものが広がって、体が軽くなった。

自分の事を大切にして、自分の未来のために努力するのは素晴らしい事だ。

でも、人生ずっと全力で、無駄な時間を限りなくゼロにして走り続けなくたっていいと思う。生きてるだけでいいんだと認めてくれる存在が居て、そして何より自分自身が自分を受容できていれば、それが一番いい。何かを成し遂げなくたって、生きてるだけでいい。それでいい。そうみんなが心から思える世の中になれば、他人を思いやる余裕もできる。ただ粛々とそれぞれ毎日生きている。素晴らしいじゃないか。

昨夜寝る前にバービーさんのこのツイートを見て「そう!!これ!この言葉が今欲しかった、、、」と強く思った。


人と比べがちなところがある自分を認めて、そこから一旦離れて、心穏やかに生きる。訓練はまだまだ必要だけど、自覚したことで前より少し楽に生きられる気がした。


これを読んでくれてるあなたは、元気ですか?

お互い、とにかく、生き延びましょうね。



写真:はつろ@生きづライターさん 

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