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フランス:外出禁止令以降の野菜と果物の価格高騰について(le Parisien記事より)

週一度の買い物に出かける度、レジで金額に驚く。なんだかいつもより野菜やフルーツが高い。トマトも高くて手を出すのに一瞬ためらう。

気のせいかな?と思っていたが、やっぱり気のせいではないようだ。le Parisienの記事(←クリックすると飛びます)によると、コロナの影響で野菜とフルーツの価格は外出禁止以降9パーセントも上昇していると言う。

家に一人でこもって英語のドラマばかり見ているとフランス語が鈍りそうなので、この記事を訳してみた。素人の訳だからプロ界隈の人は優しい眼差しでお願いしますね。

以下訳です↓

コロナウイルス:外出禁止令以降、青果の価格が9パーセント跳ね上がる

数週間前から予感はあった。l'UFC-Que choisir(union fédérale des consommateurs : 非営利の消費者協会) の調査により確認された情報によると、3月2日から3月9日の週と外出禁止が開始した4月6日から4月11日の週の対比では野菜とフルーツの価格は9%も上昇している。

上昇は従来品で6%、オーガニック商品で12%とそれぞれ異なる。

「野菜や果物は生活必需品の四分の一の割合を占めることから、この価格の高騰による家計への影響は大きいでしょう」消費者協会の調査員、グレゴリー・キャレは語る。

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この高騰をどう説明できるだろうか?売り場の商品不足により、小麦粉や石鹸の価格上昇が起こったのと同じように、生産不足による影響がいくつかの農作物にも出た。ライムの売値は27%下降し、トマトの売値は20%下降していたにも関わらず、オーガニックライムの販売価格は16%上昇し、オーガニックの房つきトマトは25%も上昇していた。生産者たちは持続する需要のリズムについていく事が出来ず、価格は頂点に達している。

「コロナにより、イタリアやポーランドなど、フランスへ多くの青果を輸出していた国々が国境を封鎖している事で輸入青果が珍しくなっている事も要因の一つだろう」とグレゴリー・キャレは指摘。

しかしながら、農産物の供給が十分であっても、価格が上昇しているケースも見受けられる。「3月と4月の間に、スペイン(いちご、トマト)とモロッコ(トマト)の大型店舗で大量に販売されるような低価格の作物の生産を確認していますが、フランスで生産されているものは高品質で当然価格はかなり高くなってしまうのです」

他にもこの青果価格上昇の手がかりとなる事由が明らかになっている。「コロナが発生してから、配送料は30%も高騰しました」Interfel(青果産業流通業者協会)会長のローラン・グランダンは言う。

マスクや機材の消毒など、感染防止の措置のコストは高くつく。しかしそれだけではない。

通常は、青果の配送をした帰りに、工業品や医薬品を配送していたのだが、工場のほとんどが閉鎖し生産を中止している事から減価償却ができない現状だという。

消費者を安心させるためのパッケージ包装も価格上昇の一端だ。

最後の要因としては、今年はマグレブや東欧からの安い労働力が不足しており、収穫コストのインフレを招いていることだ。

「私が今恐れているのは、今起きている野菜とフルーツの高騰は、食品産業全てに起こりうることの前触れであるということだ」とグレゴリー・キャレはまとめる。

ローラン・グランダンはこの青果の高騰に対し、慎重になることをすすめる。

「コロナウイルスによる危機でコストが増えているものもありますが、昨年の同時期と比べれば2〜3%の上昇でしかありません」


・・・と言うわけでした。

高くなっている価格の原因を考えてはいたけれど、配送トラックの戻り便で運んでいた医薬品や工業品を運べないので減価償却できないと言う点は想像もしていなかったので驚きましたが勉強になりました。

今後も先行きが見えないフランス、というか世界経済。この情勢の中で生産を続けてくれる青果・畜産などすべての生産者の方、そしてリスクを負いながら配送してくれる方、販売してくれる方々に心から感謝です。



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