【詩】たゆたう月
たゆたう…… たゆたう……
力なく泳ぐくせに 器用に周囲とはぶつからず
ふわりふわりと
たゆたう…… たゆたう……
何も感じず 何も考えず
ふわりふわりと
まわりからの攻撃など
「私は知りません」とでも言いたげに
ただ浮かぶ
たゆたう…… たゆたう……
狭い水槽でもぶつからず
自分の道を見いだして
どこへ行くわけでもなく
ふわりふわりと
窮屈な場所にいるはずなのに
どこまでも優雅で自由なやつ
自由の意味など知らないくせに
自由の意味を知らないからか
たゆたう…… たゆたう……
ふわりふわりと
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