夏のオーロラ
雲はゆたかに揺れる
光に揺らめく 絶えまなく
あちらこちら ひそやかに虫は鳴いている
湿った空気に吸い込まれ
どこか遠くへ 遠くへ 心をつれていく
夕陽は雲を照らし 空にゆれる筋をえがく
雲の向こうは青い夜がたたずんで
あれは 夜の入り口
人工物のむこうがわ
決して届かないむこうがわ
やわらかな淡さは ひとしく夏を照らす
あがったばかりの雨の香りと 涼やかな風が 肌を撫でていき
身体の奥へ到達する
雲と光
雨あがりの風
ひぐらしの声
虫の歌
空に広がるは 夏のオーロラ
すべて遙か遠く
あきらかな居場所も 所在も わからぬのに
私のそばにある
私もまた 包まれている
夏の光に 包まれている
夏の夜に 誘われていく
たいへん喜びます!本を読んで文にします。