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自転車日本一周WWOOFの旅(14軒目:石川県vol.1) 〜アグリクエスト/ファームファンタジー(仮)〜

WWOOFを活用し、農家さんをお手伝いしながら農レベルを上げ、自転車で日本一周もしちゃおう & 日本全国の地元でしか味わえない美味しいものも食べちゃおう & 全国の観光地ではない自転車ならではの風景もお届けしちゃおうのUmiです。

今回の移動日もまた雨。北陸の冬の天気が良くないのは聞いていましたが、やっぱり晴れてた方が気分もスピードも上がります。富山県の砺波を出発し高岡を通って富山湾沿いを輪島に向かって走りました。まだ富山県も抜け出ておらず、前回のパンクからまだ間もないのに再びパンク。最近頻発し過ぎ‼️ たまたま850メートル先に自転車屋があったので修理してもらえたのですが(よくこんな海岸沿いの地さな集落に自転車屋あったな‼️)、穴は塞いだものの今回は刺さっているものが発見できず原因不明。再びパンクしないかどうか非常に不安な中走りました。そしてパンクを直してくれる自転車屋の店主がいつも高齢な方(80歳超え)ばかりなのは偶然でしょうか? 自転車屋にも高齢化の波が押し寄せています。失礼な話ですが、毎回「ちゃんと直してもらえるかな」と心配になってしまうんです。まぁ毎回杞憂に終わるのですがw

今回のパンクのヒーローはこのお方! 自転車屋だけどもう自転車売ってないw ただの趣味で修理屋さん。ファッションもここまで堂々とされるとどんな着こなしでも素敵です!

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輪島に着いた時には日が暮れてしまっていました。石川県に入る時には虹が迎えてくれたり、途中景色がすごく綺麗だったり、案内標識に大仏があるというのでちょっと寄り道しちゃったり。あぁ、旅は最高だなぁ。

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グーグルが示した最短距離を選ばず海岸沿いを走ったのでそれほどきつい上りはなかったのですが、能登半島を反対側に出るのはキツかったですね。トータル140キロほど走ったのですが、あまり飲まず食わずで走ってしまい、最後はもうちょっとで着くからと我慢してしまったせいもあり意識が朦朧としていました。おそらく脱水症状と低血糖が原因かと。日が暮れてからは気温も下がっていたので、意識が朦朧とする中宿へチェックインし、シャワーを浴びて体を温めました。

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知り合いに美味しい地元の食事処を教えてもらい行ってきました。ここでしか味わえないもの食べたいですからね! ご夫婦二人で切り盛りしていましたが、どのお料理も美味しくて疲れた体に染み渡りました。

(つい海という名前に惹かれてしまいがちですw)

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日本海で獲れる美味しい刺身、イカ墨の塩辛、フグの唐揚げ、いしる鍋。あぁ、今日も最高❣️(※ いしるは石川県の奥能登で作られる魚醤)

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次の日友人の紹介で私のことを預かっても良いとおっしゃって下さったなんとも変人(いえ恩人です!)とご対面。輪島からもと来た内陸の方に戻った携帯の電波も届かない山奥の方に拉致されましたw

奥様とお会いして判明したのですが、なんと私の中学校の先輩でしたw そんなことあります? こんな携帯の電波も届かない石川県能登半島の山奥で。

こちらでお世話になれたのもすごくありがたかったのですが、さらにありがたかったのは、滞在する週末にユネスコ世界無形遺産である、「あえのこと」というこの地方の伝統行事に参加させてもらえたことでした。

「あえのこと」は、石川県奥能登地方で古くから行われている新嘗の祭礼で「あえ=饗」の「こと=祭り」を意味します。毎年12月4日・5日頃、各農家で1年間の収穫の感謝と来年の五穀豊穣を祈願するため田の神を祭ります。まず、家の床の間に男女の田の神を表すため種もみの俵を二つ据え付け、それぞれ二股大根と箸を前に置いて祭壇を作ります。そのあと、家の主人は田んぼに向かい田の神を家に案内します。田の神は姿が見えないので、あたかも目の前に神がいるように演じます。

これをなんと私が行いましたw しかもこの神様は目も見えないので、田んぼからお連れする時にここに段差がありますなど、説明しながらお連れしますw 田の神をお風呂にも入れたりも。神様はそのまま家で年を越すとされ、翌年の2月9日、主人が元の田へ送り出して鍬を田に入れるところまでが行事です。

今回は厳格なものではなく、奥様が主催している「のがし研究所」のイベントの一つとして開催されたのでお手伝いさせていただきました。

このイベントのためにわざわざ二股の大根を作るんです。これが意外と難しいのだと。

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五穀豊穣を祈って様々なものをお供えします。

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田の神様を呼びに行きました。

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こちらのヒサカキの枝に神様を乗せて家までお連れします。正式には神事なので、神様をお連れする間は喋ってはいけないのですが、知らずにベラベラと話していたところ、正式なあえのことの伝承活動をしている方に教えていただきました。つまり、shut upってことだったんですね😅

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神様をお連れした後は奥様が用意した和菓子を自分のプレートに好きなように配置して和菓子であえのことを表現する体験(こちらがのがし研究所オリジナルの催し)をして美味しくいただきました。

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奥様は独学で和菓子を学ばれ、京菓子展で賞も受賞されています。リンクはこちら

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お茶をいれるときに沸かす湯にも拘ってます。菊炭といって断面に綺麗に割れ目が入っていてこの菊炭を生かすために地元能登の珪藻土で作られたコンロ(七輪)で沸かします。

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以下はわたくしの中学校の先輩である奥様からの実際のお言葉です。

「アエノコトの新しい形での伝承ということで、田の神様って実は生物多様性と同じなのでは?という解釈で皆さんに共有して、自然や食や伝統文化を誰でも(東京出身の私でも!)引き継げるという催しを10年間行ってきました。去年からは和菓子屋さんになったので、それの和菓子バージョンに置き換えて行ったという経緯があります。知らない方にアエノコトって和菓子を食べる行事なのね〜と誤解を招かない様にだけしたいです。リンクは生物多様性アクション大賞をいただいた時のものです。」


土日の両日であえのことを行い、遠方から訪れる方もいらっしゃいました。イベント後ようやく一息。手伝ってくれた方々と美味しいご飯をいただきました。

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ご主人は建築家として活躍されていたり、富山大学で教鞭も取っていて忙しく過ごされています。そのご主人が建てたご自宅がこちら!

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木をふんだんに使って薪ストーブ一台で家全体があたたまります。

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週末だけの滞在でしたが、青年海外協力隊でアフリカに行っていた元隊員の方と山で子供たちと一緒に遊ばせてもらったり、色々お話を聞かせていただき、非常に充実した滞在でした。

次回石川県vol.2ではなんと、輪島の中心で1300年の歴史ある重蔵神社でお世話になって輪島の伝統工芸や人間国宝の方との対談のお話です。石川県もvol.3まであります。北陸の話は濃いなぁ〜‼️

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