小学生の頃、好きだった本
いつもの散歩コースが、通っていた小学校周りなので、
小学生の頃 好きだった本のことを、ちらっと思い出した。
まずは4、5年生くらいの頃、好きだった だいあもんど(長崎夏海・著)。主人公は小学校6年生のサラ。活発で負けん気の強い女の子。
サラがいつもつるんでいる 幼馴染の男の子ふたり、とっきんとカイト。
クラスメイトの女の子、実穂と佐伯さん。
教室での 人と人とのぶつかりあいを、とても丁寧に描いた作品。
こどもって、大人から「仲良くすること」を求めらる。けれど、みんな
育った環境も、されたら嫌なことも、何に怒るかも、それぞれ違う。
主人公のサラが、「自分と人はどう違うか」「相手はなにが嫌で、なにに怒るのか」を知っていって、人間関係がマイルドになるまでを書いたお話し。
小学生当時、佐伯さんと金魚のエピソードが、特に好きだったかな。
教室の後ろにいる 金魚のなまえ。シルバーのシル。そういえば、金魚の世話をしているのも、掃除のとき みんなの机を ぴしっと並べているのも、
いつも佐伯さんだと、サラが気づくところ。
「時々無意識にきついことを言っているみたいなの。あの子、実穂さんにも、なにか言ってしまったみたい」。ふたりで水槽を洗いながら、それまで話したことがなかった 佐伯さんが、そう話してくれる。
その後 実穂とも、水槽を洗うシーンがある。サラが 金魚の世話を手伝いはじめたことを、実穂は ちゃんと気づいている。佐伯さんには、まだ多少
遠慮しても、サラは 実穂に対しては、はっきり物を言う。
陰口や、はぶくという形ではなくて、面と向かって言いたいことを伝える。
こどもだからこそ、強固にプライドがある姿を、作者の方が、上手に描いている。サラが自由に振る舞えている、男の子とのパートも、多少ぴりぴりしている 女の子とのパートも、どちらも とてもいい。
私は あんまり本を読む子供じゃなかったけれど、この本は大好きで、よく覚えている。挿絵もすごくいい。確か、あさのあつこさんの「バッテリー」
シリーズの絵を描いている人と、同じ人だった。
これを読んでいたのは、小学4、5年生くらいか。
この頃、他に読んでいたのは、香月日輪さんの 地獄堂霊界通信。
てっちゃん、リョーチン、椎名の3人悪が活躍するシリーズ。
地獄堂という古い木造の薬屋さん?に、「妖怪じじい」と恐れられる親父がいて、この不思議な親父の案内で、3人が幽霊や妖怪、それを呼び寄せる
人間の闇と対峙していくお話し。これもう、めっちゃ好きだった~(*^^*)。
けっこうぶるぶる震えて、ちびりそうになりながら、読んでいた記憶がある。うろ覚えだけれど、先生の家にあった座敷牢のお話しとか、こども心には、怖かった気がする。
幽霊風味が薄まって、上院小・上院中の生徒が、友達を助けるために、
みんなで共闘する「ひとりぼっちの超能力者」は、お気に入りのエピソードだった。てっちゃんのお兄さん、上院中で番長である 竜也兄が、すごくかっこよくて、当時憧れていた。
他に、特に印象的だったお話しをあげるなら、禁山日?の日に、
山に入って行方不明になってしまったクラスメイトを、3人悪が助けに行くお話し。あの お話しだけ、3人が対峙するのが、妖怪とか幽霊じゃなくて、神様。恐怖ではなくて、畏怖を体験する、ああいうエピソード書くの、
すごくいいなって個人的には思う。
私が子供だった頃、妖怪モノって大ブームだった。
地獄先生ぬ~べ~とが、トイレの花子さんのアニメとか。
ほわほわほわほわ 花子さん~♪ってOP曲、わかる人、いるかな?
あの アニメも、すごく怖いエピソードを放送してたんだよね。
口裂け女伝説も流行っていて、ひとりで下校するときとか、「ポマード、
ポマード、ポマード」と口の中で、小さく呟いて帰っていた。
大人になった今からすると、間抜けな感じなんだけれど、当時はね、
本気でこわかった。不思議なことに、あの時代には、口裂け女っていう
存在に、リアリティがあったのだ。
今は、コロナが流行っていて、口裂け女が 流行る余地はなさそう。
こどもたちは、もっと現実的なものがこわくて、妖怪たちは、出番をなくして、しょぼんとしているかもね。
人が優しい時代になってほしい。妖怪より人がこわい時代には、
なってほしくないと、大人になった今はそう思う。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?