どうもこうもない

解凍した鶏肉が緑っぽく変な匂いがしたから、もう一度冷凍庫に放り込んだ。次のゴミの日まで、おやすみなさい。そんなわけで今夜の夕飯が姿を消してしまい、仕方なく調達せねばならない。
簡単にお化粧をして、着替える。
丁度日が少し沈んできて、外に出やすい時間だ。

行ってきます。


きれていたボディクリーム、食べたいとい言っていたサーモン、めかぶ、長芋、レタス、お腹が空いてなくともお財布さえあればなんでも買えてしまう。欲深い私を、頭の片隅に追いやられた鶏肉が恨みがましく見つめてくる。
(わたしだって本当は食べたかったよ)
謝罪と言うにはふてぶてしい台詞に、今度は匂いまで香ってくるようだった。


いつまでも幸せでいれたらいいのに。
きっとそうはいかないのだろう。

日常は地続きなのに、あるときぱっと別の場所に入り込んでしまうときがあって、そうなると抜け出すことは難しい。

想像もつかない、いつか、に思いを馳せてみて、でもすぐにやめる。
どうなるかなんて確かなことは何一つわからないのだから。


とにもかくにも、今日の夕飯はサーモンの漬け丼です。
夏らしく枝豆も添えて、ね。







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