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会陰切開に備えてマッサージするも会陰が謎すぎて解剖学の教科書開いてみたら驚きの事実が明らかになった

 妊娠9ヶ月に入りました。産休に入ったこともあり、いよいよ出産に備えて自分の身体と向き合い始めました。すると3大・妊娠後期妊婦の謎が浮かび上がってきました……。

①    会陰の真ん中めっちゃ固くない?
②    乳頭から無限に角質が取れる?
③    骨盤ポキポキ鳴ってる?

 記事タイトルは①のみですが、②、③にも軽く触れますので同じような疑問を感じている方は読んでいただけたらと思います!


①    会陰の真ん中めっちゃ固くない?

 産休に入ったのを機に、会陰マッサージを始めてみました。私は会陰が裂けるくらいなら会陰切開を希望する派です。もちろん会陰切開ナシ・会陰裂傷ナシが理想ですが、皮膚が伸びやすい体質とも思えず、会陰切開するかもな……と覚悟しています。
 会陰マッサージをしたからといって会陰切開を防止できるわけではないですが、会陰=赤ちゃんが出てくる場所を知るために会陰マッサージを始めました
 そもそも会陰は自分で見れないし、普段触らない場所で、赤ちゃんが出てくるときにどこがどう伸びてどこが切られるのかわからないのが、不安・恐怖・心配のタネになると思います。何されるかわからない手術を受けるとか怖すぎる。せめて自分でわかる範囲で自分の身体に何されるかイメージしておきたい。

 会陰マッサージに使うオイルやジェルは天然素材で無添加のものならだいたいなんでもいいと思うのですが、使う場所が場所だけに、会陰マッサージ用と広告を出していて多くの妊婦さんの使用実績があるAMOMAのカレンデュラオイルにしました。


 まず会陰の場所のおさらいです。会陰は膣と肛門の間のエリア。会陰切開は、膣と肛門の間を真ん中に切るか、斜め下に切るか、2種類の切り方があります。

 本気の会陰マッサージは膣から親指を入れて会陰側(肛門側)を押し広げますが、そもそも会陰を触ったことがなかったので、まずは会陰を体表から触ってみるところからやってみました。

 お風呂の洗い場でしゃがんで、手をボディソープで洗って、人差し指にオイルをつけて、大陰唇の方から下へなぞっていく。おぉ……未知の領域。左、右と場所を変えながら、むにむにと押したり指をスライドさせたりしてみる。ちなみに全然気持ちよくない。
 どこまでが会陰? 肛門はどこにある? と思い、少しずつ指を奥の方へ動かしていく。結構怖い。あーこれ以上行ったらほんまに肛門かも。と思ったところでチキった。いくら身体洗った後とはいえ、素手で肛門付近触るのは抵抗がありすぎる……。

 ところで、この会陰の真ん中めっちゃ固くない? 触っていて気づいてしまった。会陰って膣と肛門の間の皮膚1枚と思ってたけど、尋常じゃなく固い。骨かと思うくらい固い。えっこれ私が思ってた会陰と全然違う……わからんすぎる……こんなん伸びるわけないやろ。

 あまりにも触り心地に違和感があり、すぐ触るのをやめて、大急ぎで手を念入り洗いお風呂を出て、解剖学の教科書を開いた。

会陰内部の構造
会陰の筋肉

 会陰の真ん中の骨のように固いブツの答えは、でした。会陰腱中心(会陰膜中心)。
 会陰の皮膚の下にはたくさんの筋肉があって、筋肉をつなぎとめている腱がちょうど身体の中心、つまり膣と肛門をつないだ真ん中にある。アキレス腱などと同じなので、固くて当然。私は人体解剖実習でヒトの腱を見たことがありますが、腱は赤い筋肉の末端にあり、筋繊維が強く密集して白い絹のようにつややかに光り輝いています。こりゃあマッサージごときで伸びないわ。

 しかし、意外なことに会陰腱中心は血管や神経が少ないので、会陰腱中心を切る「正中切開」は比較的痛みが少ないそう(医師が言う「痛みが少ない」はあまり信用ならんけどな)。会陰を斜め下に切る「正中側切開」の方が出血多量で痛みも強く、傷も大きくなるそうです。医師の技量や妊婦の体形、状況に応じて正中切開をするか、正中側切開をするかが決まります。

 とりあえず会陰と仲良くなるべくマッサージは続けてみて、バースプランには会陰切開するなら正中切開希望と書いてみようかな……。


②    乳頭から無限に角質が取れる?

 私は悲しいかな万年Aで、中学生くらいから胸の大きさがほとんど変わっておらず、女性としてどないやねんと思っていました。でも周りの華奢な友達も妊娠して爆乳になってたし、私も妊娠したら大きくなるはず! 人生で一度くらい胸大きくなってみたい! と切に願っていたのに、なのに……。

 妊娠9ヶ月でも全然胸が変わらず、大きくなってきた子宮に圧迫されてアンダーだけ伸びるという非常に悲しい事態に陥っています。産後に大きくなるとも聞きますが、全く期待できない。
 夫にも授乳してもらうために混合 or 完ミ希望で、このまま全く乳腺発達しなかったら完ミしかないのではと思いますが、淡い期待を抱いて乳頭マッサージを始めてみました。

 普段お風呂で身体洗うとき、わざわざ乳頭を洗うこともないじゃないですか。ボディソープ泡立てて、デコルテから胸、脇、お腹とか軽く擦っていくくらいじゃないですか。乳頭をまじまじと見たこともなかった。
 親指、人差し指、中指の3本で、乳輪からギューッと指の爪が白くなるまでつまむ。力加減を知らない赤ちゃんに噛み千切られるかもしれないので、できるだけ痛いシミュレーションをしておく。

 第1回目、乳輪から乳頭にかけて角質がボロボロ取れた。たいして力入れてない段階からボロボロ取れるので、取れなくなるまでつまんで流して、つまんで流して、を繰り返した。
 1日空けて、第2回目。今度もまた角質がボロボロ取れる。乳頭をぎゅぅと押すと、白い粒が出てきているような気がする。これは乳腺のなかの角質? 鼻の角栓を取るときと似ている。
 さらに1日空けて、第3回目。今度もまた角質がボロボロ取れる。そんなに汚れていたのか。というかこれはさすがに単なる角質ではない? 2日に1回、目に見えるほどボロボロ角質が落ちるって新陳代謝良すぎでは? むしろ角質ではなくなんらかの分泌物が固体化してるってこと?

 正体ははっきりわかりませんが、角質とも皮脂とも分泌物とも思えるものがジャンジャン取れています。乳頭マッサージをすると子宮が張りますが、ジャンジャン取れる間は取っていこうかと思います。ついでに胸大きくなってくれ……!


③    骨盤ポキポキ鳴ってる?

寝返り打つとき
この辺がポキポキ鳴る

 死ぬほど絵が下手ですみません。

 最近、横向きから仰向けに体位を変えるとポキポキポキッと骨盤が鳴ります。仰向けにしているとお腹に骨盤が潰されそうであまり長時間はできませんが、仰向けになりたいときもある。その時にポキポキッという音が聞いたことないところから聞こえる。

 骨盤が鳴る???
 骨盤って骨1個じゃないんやっけ。ポキポキ鳴るのは関節だと思うのですが、骨盤にある関節は脚の付け根のところ。でも脚の付け根が鳴っている感じではない。骨盤の背中側が鳴っている。
最初は寝返りを打つときに骨盤が鳴ることに気づいたのですが、そのうち普通に歩いているときでも骨盤の背中側がポキポキ鳴るようになりました。
 どこが鳴ってんの???

 ということで解剖学の教科書を開いてみると、骨盤は骨1つではありませんでした。脊椎の一番下、仙骨と尾骨が骨盤(寛骨)と組み合わさっており、その接触面が関節になっています。

骨盤の解剖図

 この図を見ると、たしかに仙腸関節の辺りが鳴ってる! と納得感がありました。あと腰椎と仙骨の間の関節も鳴ってるかもしれません。
 妊娠中はホルモンの影響で骨盤が開きやすく、靭帯が緩みやすくなっており、さらに子宮の重さも加わって、少し骨盤に力が加わるだけで骨盤周りの関節がポキポキ鳴る事態になっているのでしょう。

 普段から私たちは自分の身体のことをわかっていないものですが、妊娠後期に身体が激しく変化し謎現象がいろいろ起きています。出産までの短い期間が自分の身体を知る良いチャンスになるかも?

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出所)グレイ解剖学原著第2版
鈴木 俊治, 会陰切開縫合術, 臨婦産・75 巻 10 号・2021 年 10 月

《終わり》

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