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生産性を高めるとやりがいがなくなる?


昨日、タケイタケシさんにスタエフにお越し頂き、働くをテーマにお話を聞かせて頂いた。

そこで出てきたのが、働き方改革ででてくる新たな壁問題

興味深いお話なので少しご紹介してみたい。


生産性を向上させたい


生産性を上げよう、はいまやこの国の合言葉だ。

どうしてこうなっちゃったの?と思うほど、この国は世界に置いて行かれてしまっているから。

公益財団法人 日本生産本部によれば、この国の時間あたりの労働生産性はOECD38カ国中27位。1時間あたりの労働生産性が日本は5,006円で米国は8,534円。

一人当たりの労働生産性はさらに下がり、38カ国中29位。

だからもっと効率よく働こうよ!といわれている。


損なわれる「やりがい」

ただ、長年飲食店のコンサルをされているタケイさんが、飲食店の労働生産性を上げることは可能だけれど、それをすると新たな問題が出てくるとおっしゃる。

それがやりがい

働く際に、細部にこだわりを持つ人が多いこの国では、機械化やロボット化、DX化が進むと、人々のやりがいが損なわれ、働く気力が失われるという。

これは初耳だったけれど、自分の味にこだわる飲食店は今は少なく、たとえばラーメン屋では、ほとんどの店が規格品を使っていて、スープも麺も規格品をその店風にアレンジしているという。

これは驚きだ。

そんな風に、自分にしか出せない味を追及する必要がなくなっていくことで、その道のプロはやりがい働きがいを失っていくという。

もちろん、これはオフィスワークでも同じだと思う。

仕事が細分化されるのが今流行りのジョブ型だ。すると単純な作業の繰り返しがおこる。そうすると、仕事に対する面白みがなくなり、やがて人はやりがいを捜しはじめるようになる。

よく似ている。



やりがいを超える

とはいえ、この労働生産性をいまさら無視する訳にもいかない。

先進国で日本は劣等生なのだから。少子化に加え、働き方に無駄が多すぎる国なんて評価されっぱなしのまま進んでいくわけにはいかない。

そこでタルイさん、このやりがいを超える考え方を田坂氏の本からご紹介された。

それによれば、仕事の報酬には4つのステージがあるという。それは、

①お給料
②能力(こだわる。こうしたらもっと美味しいものが作れるなど)
③仕事(自分がやっていることがやりがいになっている)
④自己成長

人は働く際に①のステージから②のステージへと進み、やがて③のやりがいを求めるようになる。けれど、ステージ③の自分らしく働ける場を求めはじめると、人はさまよいはじめるという。

つまり、働く際に人が③のステージにきてやりがい探しがはじまったときは、なぜこの仕事にやりがいが無いのか、自己分析をする必要があるという。仕事はこのステージ④を求めてするものだと。

ただ④のステージに行くためには、人は①も②も③のステージも経験する必要があるという。

※参考図書 『仕事の思想』2003 田坂広志 PHP文庫


逃げてもいい場所 

ただ、この①~④のステージで、転職をした方がいい場合もあるという。それが心理的安全性が担保されていない職場にいる時。

「そんな職場とは、どんな職場ですか?」

と尋ねてみると、タルイさん曰く、

「自由にモノがいえない職場です」

と即答だった。

「パワハラやモラハラをする上司のいるところです」

と。

これはわたしも同感だ。

小さな企業だけでなく、大企業でもそんな職場はある。しかも会社全体がそのような体質の会社だってある。不幸にもそうした会社に入ってしまった場合、ブランド名が捨てがたくても、メンタルをやられかねないのであれば、去るのがいいとわたしも思う。



おわりに

普段、noteで読ませて頂いているタルイさんにスタエフにお越し頂きお話しを聞かせて頂いた。

飲食店をご専門にコンサル業をされてこられてタルイさん。流石にご自分のデーターを数多くお持ちだった。

お話しをお聴きしていると、これは女性の働き方にも通じる考え方だと思えた。

今はジョブ型がブームのようになっているけれど、考えようによってはこの働き方は狭い。ゆえにやりがいや働き甲斐が損なわれる可能性は大きい。けれどそれこそが労働生産性を高める働き方だといえるのだろう。働くことに何を求めるのか。ステージ④の自己成長のため、わたしはこの考え方が好きだ。

※イラストはみんなのフォトギャラリーの千鳥あゆむさんからお借りしています。ありがとうございます。

※最後までお読みいただきありがとうございました。


※スタエフでもお話ししています。



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