勤め先のすすむ先 会社は投資家に選ばれる時代
みなさまお元気でしょうか?
ただいま夜中の2時。若いころの一徹二徹ならいざしらず、遅くまでスマホをいじったむくいでしょうか、頭の中がやけに賑やかでほとほといやになりPCの前へ。さてさていつになったらねむくなることやら😊
というわけで、前回のつづきを少々。
良かったらお付き合いくださいね。
企業が消えてしまわないために
上の記事では、勤め先でおこる経済犯罪の話しをしています。
そしてここからは勤め先の向かう先について😊
☆ ☆ ☆
さて、時代は大きく変わる、そんなことをよく耳にしますが、すでに時代は変わっています。うちはローカルだし…なんて思っていたら世界からウオッチされていた、そんなことが普通におこる時代。
さらに、もやはファッションと化した感のあるSDGsですが、企業が気にしなきゃいけないのはそれだけじゃありません。ESGだってみすごせません。
そのESGとは、環境(E)・社会(S)・企業統治(G)のこと。
落合陽一さん※はこのESGを、
社会貢献や環境保全に熱心な企業を評価し、そうした企業に投資をすることで市場価値を高めていこうというもの
といわれております。
さらにこうしたとりくみが、
企業や経営者の目的意識を変えていく間接的なアプローチになる
とも。
そう、もはや企業は投資家に嫌われると生き残れない時代なのです。
落合陽一『2030世界地図帳』2019 SB Creative p118~122
と、構成が整ったところで、おやすみなさい💤
エンロン事件
昨夜はあれから思いがけず質のいい睡眠がとれてわりにご機嫌。そしてきょうは隙間時間をぬってこの記事、今宵のアップを目指します😊
⭐︎ ⭐︎ ⭐︎
さて、いつの時代にも世界を揺るがす大事件っておきるもの。
忘れもしません。2002年、世界を揺るがす事件がおこりました。それがあのエンロン事件でした。
ことの発端は、2万人以上もの社員のいる巨大企業エンロンで、一社員が会社の粉飾に勘づいたこと。
広報で資産ポートフォリオの運用部門の責任者だった女性が、会計士が資産価値をじっさいよりも高めに評価してる、そんなことに気づきます。
結局、彼女は投資家をだますようなやり方ができず、けっかとして告発者になってしまいました。
その後、エンロンは経営破綻し、大手監査法人までもが破綻。
そう、それは監査法人もかかわる粉飾だったのでした。
このエンロン事件については、スタエフで詳しくお話ししています。よかったら聞いてくださいね。
事件で生まれた企業改革法
さて、上場会社でおこったこの事件。これを機にアメリカで新しい法律が施行されました。それが企業改革法※です。またの名をSOX法。
これは、企業の財務諸表を厳しくチェックするための法律です。
上場企業が虚偽の会計報告をだすことで、株式市場に不利益がもたらされる、それを防ぐことが目的でした。
で、日本にもこの法律がやってきています。まあ、まったく同じ内容というわけではないのですが…
日本では2004年頃から大企業で有価証券報告書の虚偽記載や粉飾決算がみつかっています。
もちろん、株式市場は世界に開かれていますので、企業で不正がおこると金融市場の信用がガタ落ちに。
というわけで、日本にも2007年J-SOXが誕生します。
これはすでにある、金融商品取引法の一部です。
☆ ☆ ☆
そして、ここからはJ-SOXの具体的な内容を。
誰が読むんだろう?と思いつつ…それでも記しておきたいと思います😊
下の①~③は、上場企業に義務付けられた「内部統制の3点セット」の流れです。
いったいなにをしなきゃいけないのかといえば、上場企業は、
① 売り上げ、経費支払い、給与、等々の「業務の記述書」「フローチャート」「リスクコントロール・マトリックス」をつくり ☞ 内部監査室でこれが正しく運用されているかをサンプル調査します
つぎに、
② ①の結果を受けて、監査法人が上記3点セットをチェックします
それから、
③ ②が適正と認められたら、財務局へ財務に関わる内部統制報告書を提出します
そんな流れがあります。
つまりこの企業改革法、エンロンで監査法人が粉飾にかかわっていたことを重くみたってことなんです。
ですから、責任の所在をはっきりさせる、そんなしくみが作られました。
まあ、これで経済犯罪がなくなるのかは不明ですが、それでも誘惑にかられたとしても、ちょっと待てよ、段階を踏んだチェックがはいるから無理なんじゃないか、という迷いはうまれるはずです。
※内田芳樹「米国FCPAを起源とする内部統制室てむの国際的普及」横浜法学第27巻第3号(2019年3月)
世界はつながっている
そして、もう一度ここでESGを振り返ってみますと…
落合陽一さん※は、
ESGは企業に対するプレッシャーとして機能するのので、持続可能性を試みない企業は市場競争に敗れて消えていく
といわれています。
で、それはいったいどんなふうに消えていくのかといえば、
☑ 消費者に嫌われサービスや商品が売れない
☑ 投資家に嫌われて出資があつまらない
そんなことが起こってしまうのだと。
う~ん、わかりやすいですね。
で、その理由の一つとして、
世界最大の資産運用会社であるブラックロックが、ESG投資に賛同し……環境や社会に配慮した企業でない限り、積極的に投資対象とはしないと宣言している
と、そんなことをあげていらっしゃいます。
※落合陽一『2030世界地図帳』2019 SB Creative p118~122
というわけで、ローカルなままでいたいけれど、人も商品も法律もつながっている。だから勤め先はもはや世界の企業の一部
たとえ島国日本であっても市場は開かれていて、そして国際間の信用を保つためにはグローバルスタンダードを取り込むしかない、そんな時代なんですね。
だからこそのJ-SOX。
そうなんっです。コンプライアンスって、法令順守とシンプルに訳されがちですが、じつはもうすこし広い意味を含んでいるのです。そこにはJ-SOXのように、法令を守るための企業内の仕組みづくりをするというものと、地震や火災、デジタル化での犯罪にそなえておくという危機管理、コンプライアンスにはそんなものが含まれています。
そしてこんなグローバルスタンダードはもちろんJ-SOXだけではありません。
女性の働き方に関係のある男女雇用機会均等法だって、同一労働同一賃金だって、パワハラ防止法だって同じグローバルスタンダードです。
だからこそ、均等法も同一労働同一賃金もちゃんと推し進めなきゃいけない、ほんとはそういう流れが起きなきゃいけない、そんなことを考えています。
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