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手紙

最近、先輩先生に、こんな質問をされた。

「授業中、生徒が手紙を回してたらどうする?」



自分がどう答えたかは、さておき。


回してたなあ、手紙。

毎日、手紙を回すことを楽しみに授業を受けていたこと節がある。

どんな手紙かと言うと、クラスメートに関する噂だとか、あの子眠そうにしてるねとか、そういうオーソドックスな内容もあるけれど、

大半は、マンガだった。


棒人間の、マンガ。

自分たちで勝手にシリーズ化して、紙の表に1コマ目、紙の裏にオチを描く。

自分が描いたストーリーに対して、どんな展開が返ってくるのかワクワクしながら紙を回していた。


クスクスと声を上げずに笑っているつもりでも、笑い声は予想以上に教室に響く。

先生は、分かっていたんだろうなあ。

周りのクラスメートは、迷惑していたんだろうなあ。



当時からそんなことは分かっていたけれど、とにかく自分が楽しいのが1番。周りのことなんて見えていない。

中2の頃は一年中そんな感じで、友達と回し続けたマンガもシリーズ100作を超える超大作になっていた。



手紙を回している生徒に、どう声をかけるか。


あの時の自分は、どう声をかけられたかっただろうか。

もちろん、放っておいてもらえるのが1番だということは大前提だけれど、
自分がどういう風に注意されれば止めただろうか、止めなければいけないと思っただろうか、

この視点を常に絶やさずに、現場に立ちたいと思った。


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