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ケアマネ見学実習は、月末にいくのが絶対おすすめな理由。

ケアマネージャーの見学実習が終わりました。

ケアマネは試験に合格したあと、実務者研修という研修を受けないとケアマネージャーの資格がもらえません。これが、ものすごくたいへんなんですが、「ちょっとそこまでいってみよー」くらいの感覚で試験を受けてしまったがために、こんなに研修があってこんなにたいへんだとは、思いもしませんでした。

そして、その講義を聞く研修とは別に、居宅介護事業所へ見学実習に行くわけですが、これはほんとうにおもしろかったです。

わたしは、介護保険とは? とか、どういう視点で介護サービスを組み合わせているのか? というところをまなびたかったので、職場のなかにある居宅介護事業所、ではなく、知り合いにここはいいらしい、という事業所を聞いて、そこに見学に行きました。片道1時間半ちょいかけて。

でも、結果それだけかけて行ってよかった、とものすごく感じています。

わたしが行ったのは、月末に2日、月初に1日の計3日間です。
見学実習というのは、インテークからアセスメント、サービス計画作成、モニタリング、サービス担当者会議、などの一連のケアマネジメント業務を見学または説明してもらいます。インテークなんかは、新規でケアマネジメントする方がいなければ見学は無理。つまり、タイミングが合わなければ説明だけで終わってしまうことが多いんです。

実習に行ってみてわかったことですが、ケアマネージャーさんには1ヵ月の業務の流れがあって、だいたい月初には翌々月の提供表と呼ばれるサービス計画書のようなものを作成したり、給付管理を行います。毎月10日までに行わなければいけないので、月初めが事務作業が多い様子。

そして、月の後半になってくると、要介護では月に1回は必ず居宅を訪ねてモニタリングといって、利用者さんへのサービスがプランどおり行われているか、や、利用者さんの状況の変化がないか、サービス計画変更の必要がないかなどを観察する業務が入ってきます。

その頃には、計画変更などの必要性が出てくる関係上、サービス担当者会議が開かれることが多いんです。というのは、電話や他の事業所さんや家族などから情報を収集して、プラン変更の必要性がありそうだ、となると、プランを変更するためには、担当者会議をひらかないといけないからなんですよね。

そして、サービス担当者会議なんて、実際に見学したほうがぜったいにいいです。利用者さんのキャラによって、家族との関係性によって、また、家族と利用者さんとの意見のちがいなどなど、いろんなパターンが見られる可能性が高いからなんです。

講義のなかでは、

「事前にケアプランを配っておいて担当者会議をしないと専門家とはいえ、突然意見を求められてもわからないよね」

と説明があったのですが、事前に配られていることはほとんどなく、じゃあ情報共有がいっさい行われていないかというと、そんなこともほとんどないのが現実です。

事前にお互いが連絡をとりあって、どんなふうにケアしていこうか、ということを確認しあってから担当者会議にのぞむことで、会議のなかでは、チームで目標を共有することができるし、それが利用者さんの意欲にもつながる。利用者さんの意識をポジティブに向けるようなながれにもっていくことも、この担当者会議のなかでできるんだなぁということが、実際の場面をとおして学べました。

そしてサービス担当者会議では、ケアプランの確認をメインでするものだとおもっていたのですが、利用者さんの意思を再確認することや、金銭面やサービスの利用のしかたなど、理解度を確認する場面でもあるんですね。

つまり、会議の中で要点というかポイントをピックアップしておくことで、横道にずれていきそうになる会議の話題を修正することができるんです。

モニタリングにしても、月初はモニタリングの時期じゃないので、なかなか居宅への訪問がない。となると、説明だけだったりするとせっかくの見学実習の意味がうすれてしまう。

モニタリングだって、現場で学べることのほうがはるかに多いです。

更新の時期に、介護度が変わる可能性があることが予測できていれば、使えるサービスも変わってくる。ふつうは「なんで今まで使えてたのにだめなの?」という怒りが湧くことが多いけれど、それが予測できていれば、すこしずつ「軽くなるかもしれない。するとこれとこれは自費になるよ」ということを伝えておくことで、心の準備をしてもらうこともできる。

要介護度が重いふりをしろ、というよりは、そんなふうにすこしずつ受け入れてもらえるようなかかわりも、ケアマネージャーにとって必要なスキルなんじゃないかと思うのです。

だって、介護保険は、利用者さんの税金だけど、隣のおじいちゃんの税金でもあるんです。

学びは現場のほうがはるかに多い。
実習に行くことがカリキュラムとして位置づけられているのなら、その実習を最大限に活かすべく、講義のなかでもケアマネージャーの仕事の流れや見学しやすい時期などの説明をぜひしてほしいなぁと思うのです。

これから実習に行かれるかたの参考になれば、と思います。

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