親子で深読み「ぐりとぐら」
子どもたちと、たまーに
「一冊の絵本を、すみからすみまでじっくり読んでみる」遊びを
するのですが
これがなかなかおもしろかったりします。
今回は「ぐりとぐら」を読みました。
8歳の娘は小さいときから何度も何度も読んでいて
一見、新しい発見なんかなんにもない読書に思えがちなんですが
1ページ1ページじーっくり読んで見ると
どんな絵本も
新しい発見が見つかることが多々あるのです。
「ぐりとぐら」は要約すると
野ねずみのぐりとぐらが道ででっかい卵を見つけて
森の中でカステラを作ることになり
作ってたら森中の動物が集まってきて一緒に食べて
あーよかったな ってお話なのですが、
今回の新発見は、
①カステラのにおいに寄ってきたオオカミは
カステラが出来上がるまでの待っている間
お風呂に入ってきたのではないか?
②カステラのにおいに寄ってきたくまさんは
お花摘みの途中だったのではないか?
③においにつられてやってきた動物たちは21種類(たぶん)もいて
そのうち20種類はそのままカステラをいただいているのだが
なぜか最初にひっそりとやってきていた
小さな緑の鳥さんだけがいなくなっている(なんで!?)
④物語の季節はたぶん秋じゃないか
(キノコや栗、葉っぱが紅葉しているから)
これらは物語の中では全く触れられていない部分ですが、
細かく見ていくと今まで読んでいた時には気づかなかった描写に
気づけるようになりました。
母親(私)の声掛けとしては、
あくまで勉強っぽくならないようにしながら
「めっちゃいろんな動物さんきたね」「数えてみようか」
「あ、オオカミさん何持ってるんだろうね」
「へびさん、この表情『うんまっ』て言ってない?笑」など、
細かい部分に視線が行くようにちょこちょこ促すようにしています。
流し見するようにたくさんの本を読むのもめっちゃ大事だと思うのですが、
同じくらい1冊の本、1ページをじっくりすみからすみまで
味わえるように読めたらとても豊かな読み方ができると思うのです。
あとは、絵本は「絵」なので、
絵を描く人というのは、写真とは違って
「偶然」がありません。
ということは、そこには、必ず書き手の「思い」や「意図」が
反映されたりしていることが多いのです。
そして絵を描く人というのは、
こんな効率化の時代に、絵というある意味めちゃくちゃ非効率で
愛すべき手間がかかるものを創っている人たちなので(特にアナログな絵は)
細かーい描写にも、くすっと笑えるような小ネタを入れてくれることも
多いのです。
気づいたときには、絵への愛を感じて、本当にすごい!!と感動します。
読んでいるものとして、それに気づきたいし
子どもたちにも、できれば気づいて
それをおもしろがっていけるような人間になってくれたら
ものごとを見つめるときの視点が広がって、とっても豊かで楽しくなるんじゃないかなーと思うのです。
そんなわけで、はたから見てたら
「はよ読めや」というスローペースで
ゆっくり読むことをたまにしています。
①に気づいたのは娘です。
みんなでカステラを食べているページと
最初に動物たちが寄ってきたページを交互に見て「あれ?あれ!?」
「オオカミが・・・なんかきれいになってる!」と言ったのです。
え?!と最初のページと見比べると、
確かに最初はもう少し黒々していたオオカミが
食べるページではうっすらときれいな灰色に。
よく見ると最初の登場シーンのでは、手にタオルと櫛?かなんかを持っています。「もしかして・・・お風呂に行ってたんじゃない!?焼きあがる間に!!」と、子どもたちと大爆笑。今まで何度も読んでいたのに、気づきませんでした。
他の発見も、ちゃんと根拠を見つけて
「こうだったんじゃないか」と盛り上がりました。
正解かどうかは置いておいて、仮説とか疑問とか根拠とか、
ざっくりとした感想とか、
いろんなことを親子で話す、というのがいいなあと思ってやっています。
このほかにも細かいネタはあったのですが
子どもたちと盛り上がったのはこのあたりでした。
絵本のじっくり深読み、謎解きみたいで親の自分もワクワクします。
ちなみに、オオカミさんとくまさんは
調べてみたら同じ作者さんの別の本にも登場していて
その本を読むとこのタオルと櫛の意味が分かるとか!?
今度はその本を借りて読んで見よう、と
子どもたちと喜んでいます^^
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