見出し画像

「 間 」

最近引っ越しをした。
前の部屋が気に食わなくなったからだ。
建物自体の問題ではなくて、その部屋を飾り付け、暮らしてきた私の心の在り方。
壁を、たくさんの写真でうめていた。
色とりどりで、ちぐはぐなカーペットや家具たち。
買いすぎた服と本。
いろんなものがとっ散らかっていて、いつも雑然としていた。いろんなことに集中できなかった。情報過多な部屋だったと思う。
でも、私はそれに安心して、ある種溺れていたと思う。そんな部屋は、少しずつ私からエネルギーを奪っていたんじゃないかなと。

部屋の散らかりは心の散らかり。
去年の12月、引っ越しを決意した。
もうこの部屋を出よう。もっと物事をクリアに考えられるような部屋にしようと急に思い立った。

そこで、次に住む部屋に適切な「間」を作ることにした。

空間を無理に埋めようとしない。
家具も服も必要最小限にして、部屋に一貫したコンセプトを設ける。色も3色ぐらいまでで抑える。小物類はボックスの中にしまって、ごちゃごちゃして見えないようにする。
そして、テレビを手放した。
そうして、部屋にゆとりを持たせた。
適切な距離感の大切さってモノに対しても当てはまるのかも。

自分で部屋を作るのは楽しい。ゲームみたいな感覚だ。
一人暮らしは8年目で、何度か引っ越しは経験した。
でも、これまでに部屋や家具を吟味して、自分で選んだことはほとんど無かったと思う。
経済力が無い学生のころは親に家具や家電を買ってもらったし、留学先でも帰国してからもお部屋の選択肢があまり無かったので、消去法で選んでいた。(それはそれで楽しかった思い出もたくさんある)
社会人になった時は借り上げのアパートを指定されたので、大きな不満は無かったけど「自分で選ぶ」ということをあまり経験してこなかった。

でも、これからは自分で決めることを大事にしよう。
どんな小さなことでも自分で判断して、取捨選択していこうと思う。
今の私にはそれができる。
一定のラインを設けて、好きか嫌いか(必要かそうでないか)はっきりさせる。その一つ一つの小さな選択の積み重ねが、私の色や自信になっていくと思うから。そういう感覚を研ぎ澄ませていきたい。そして、違和感をそのままにしない。

2022年の、私のちょっとした誓い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?