青虫だった

クレープを食べるために、最寄駅の階段を駆け下りた。

閉店15分前に、バターシュガーを注文した。

クレープ屋でこれを頼むやつはばかだと思っていたが、今ならわかる。

これは、今クレープを食べたいが、あいにくお腹いっぱいか、もしくはこのあと食事を控えている場合専門の食べ物なのだと。とてつもないスキマ産業を狙いうちした商品だ。

わたしは後者の事情で

この場合のクレープは娯楽性が極めて高いが、緊急性を帯びているという点から、カロリーメイトとおなじ分類なんじゃなかろうか。

そうか、クレープはカロリーメイトだったのか。(よくよく思い返すと、たしかに色が似ている)

などと言っているけども

なぜばかと決めつけていたか、それはそこはクレープ屋だから。

クレープといわれたら一般的にクリームやチョコやバナナを皮でくるんだ華やかなものを想像するでしょう。その販売を生業としている店に来たからには、できるだけ極端な、具材がぜんぶのった100のクレープを注文しなければならず、当然そう期待されている。

なぜならそこはクレープ屋だから。

シュガーバターを頼むくらいなら、食べない方がましなんだから。

しかし、今わたしは下っ端ちょうちょくらいにはなった。

世はもっと曖昧でいいという風に考えつき、早速それを体現してきたという昨日の出来事。

ちなみにバターシュガーは、瓦せんべいみたいなダサい和風クッキーとちょうどおなじ味で、

駅から家まで徒歩15分の道のりの、その序盤も序盤のものの1分で、たいらげた。


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