7.PDV起動

7.PDV起動

「ハハハ?!何だこの眩い光は!」
「なになにナニ?!!!怖い怖い!!!」

向こうのオッサンとぼくの叫び声が重なった時、
ぼくの全身を何か厚手の服のようなモノが包んでいく。
それは金属のようにスベスベしているが、クッション性があってなおかつ肌触りの良いモノだった。
ほんの1、2秒の間、目をキツく閉じていても眩しかった光が収まった時、恐る恐る目を開けると、まん丸に開いた信じられないようなモノを見る目のオッサンが視界に入った。
しかも、モニター越しに、だ。

「うわっ?何だこのモニター?」

思わず左右を見回すが、モニターの視界は離れずに常にぼくの目の前にある。
手を顔の前に持って来たら、金属のグローブに包まれた自分の手がモニターに映った。
その手で頭を触って見ると、どうやら所々突起のあるヘルメットの様なものをいつのまにか被らされており、金属同士がぶつかったようにガチガチと音を立てた。

「ハ、ハハ、コレは一体どういうことだ?!一体いつ現れたと言うんだ?しかも、既に搭乗しているのか?!……何と言う技術だ…コレは、コレは何としても我が社で手に入れなければ…!」

オッサンは独り言のように言うと、キッとゴーレムの方を見た。

「ゴーレム!あの人型を手に入れろ!テストパイロットごとで構わん!」
「承知しました」

また拡声器の声が響くと、さっきまで背中を見せていた黒い巨体が、振り向くように180度回転してこちらに正面を向いた。
そしてまた拳を地面に着けると、ギュルギュルと音を立ててぼくの方に突進して来た!

「うわ!また来た!」

アレとぶつかったら、ぼくの愛車のようにグシャグシャになってしまう。
背中に冷たい汗が流れ、思わず強く、後ろに飛び退いた。

「ハハ?!何だと?!」
「え」

瞬間、ぼくの身体は、ものスゴいスピードで、しかも遙か高い空中にあった。

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