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『もし神々が人を授業で学んだら?』1-3次元目【神は人間界のどこにいる?】

先生「しかし、そうですね。ほとんどの人間が一生眠りについているようなものですからね。目を開けたまま

カミキ「マジかよ。人間こわw」

神ィ「一生、目を開けたまま寝てるってどんだけw」

カミキ「人間ってゾンビ?」

先生「ゾンビではありませんが、我々からすると『真の人生を生きているものは少ない』と言えますね」

カミキ「『真の人生を生きているものは少ない』?」

先生「我々が神としての記憶を消して、人に転生して物質界へ旅立つのは『体験を通じて神たる自分を発見するため』でもありますよね?」

カミキ「ですね。天界は願えば何でも即時に叶っちゃうから、逆に不自由だしな」

神ィ「チート過ぎて『神』って何だっけ?とか思っちゃうんだよね」

カミキ「そうそう、『幸せ』ってなんだろう?とか」

先生「ふふ、人間もよく同じようなことをボヤきますよ?

神ィ「えーおもしろーい、人間も神と同じように悩むんだ。でもなんで?」

先生「神としての記憶を消して人間界へ行くと今度は『神である自分』を忘れて、人間としての感情にどっぷり浸かってしまうんです

カミキ「要するに、あれか。夢見てるときは、それが夢だと気づけないみたいに?

先生「あぁ、それは分かりやすい例えですね」

神ィ「あ、聞いたことある、そういう映画〜。えーと、なんだっけ? アトリックス?」

カミキ「マトリックスだろ」

神ィ「それそれ。自分たちは仮想現実を生きてたってことに気づいたあげくに弾丸をエビぞりでよけちゃう映画!

カミキ「まー、物質世界と精神世界、どっちが『仮想』とも一概に言いきれないけどな」

神ィ「そうそう、どっちも仮想だし、どっちも本物」

神太郎「ちなみにアトリックスは田中みな実さんが愛用してる夜美容ハンドクリームのブランド名だよ?」

カミキ「お前、そういうところは詳しいのな」

神太郎「田中みな実さんは神だから」

神ィ「ま、神じゃないものなんて一つも無いけど」

カミキ「そうだな。田中みな実さんも神だし、ザリガニもヘドロもドジョウも物質界に在るもの全部、神だしな

先生「しかし人間は、そのようには思っていないのです」

カミキ「えぇ? どゆこと?」

先生「むしろ"神は人間界には存在しない"と思っています」

カミキ「え、だって全部が神じゃん」

先生「確かに古代は『八百万の神』という考えや汎神論を持つ人類が多かったのですが…今ではもう」

カミキ「えぇ〜。マジで?」

神ィ「人間ヤバいね。さすがにそれは私でもわかる〜」

先生「と言いますと?」

神ィ「だって神って存在のことじゃん。存在がなかったら神もない。存在があるってことは神が在るってことじゃん」

先生「しかし人間には、それが分からないのです」

神ィ「え、でも、海って水のことじゃん。水がなかったら海もない。海があるってことは水が在るってことじゃん。これ、なんも難しくないよね?」

先生「しかし人間は『存在と神は同じものだ』とは思っていません

神ィ「海と水は別だって?」

先生「例えるなら」

カミキ「えー、人間アホなの?

先生「でも、人間もあなた方のような考えに対して同じように思っていますよ?

カミキ「えぇえ、どゆこと?」

神ィ「人間界では『存在と神は同じもの』って言うと『あたま大丈夫?』って思われちゃう的な?」

先生「少なからず」

カミキ「えぇえ、マジなん? 人間って何?『人間ふしぎ発見』って番組で特集組んでほしいわ、それ

神ィ「でも、なんでそんな考えに?」

先生「『神』という概念が誤って広まっているのも大きな理由でしょう」

カミキ「誤って伝わってる?」

先生「例えば、もし『海』はブロックで出来てる、と信じられていたら『海は水と同じもの』と言えますか?」

カミキ「あー、確かにそれは無理だな」

神ィ「じゃ人間は『神』ってなんのことだと思ってるの?」

先生「存在そのものというより『この世界を作った超常的な力』と捉えているようです」

神ィ「だからその『世界を作ってる力』が『存在』じゃん」

カミキ「それなら、なんもズレてないよな」

先生「しかし人間は『存在』は『世界を作ってる力』だとは思っていません。『存在とは存在だ』と思っています

カミキ「え?」

神ィ「ん?」

神太郎「……ぐー」

先生「安らかな寝顔ですね」

神ィ「死んでるんじゃない?」

カミキ「いや、死とか人間界だけの概念だから。俺ら永遠だし

神ィ「じゃ、死の練習?」

カミキ「かもなー。ってそんなことはどうでもよくって!
『存在とは存在だ、と思ってる』って、どういうことです? 『猫とは猫だ』と言ってるのと同じくらい無意味な言葉ですけど」

先生「でも、それが人間の考えなのです。

お弁当が机の上に置いてあったら『お弁当は知らぬ間に勝手に出来た』と考えるのが人間なのです」

神ィ「はー? そんなの、お母さんが作ったに決まってんじゃん。お弁当が勝手にできるわけないっしょ!」

カミキ「じゃ、なに? 『誰が作ったわけでもないのに物質は知らん間に在った』と人間はそう考えてるってこと?」

先生「はい」

神太郎「チョー受ける! マジ受ける! なにそれ! 鼻からネギ吹き出るほど爆笑じゃん!」

カミキ「……や、ずっと寝てたのに急に入ってくんのな、お前」

神太郎「ごめん。会話入りづらくて」

カミキ「繊細か」

神ィ「まぁ、ほら、神も分け御霊になると色々だから」

カミキ「これが分け御霊の多様性ってやつか」

神ィ「ってそんなことより、なんで人間は『神が世界を作った説』をデフォで否定してるわけ!?

先生「ふふ、それは

(※つづく)

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