60冊目:ペルセポリス/マルジャン・サトラピ

こんばんは、Umenogummiです。

今日はイラン初のマンガ作品をご紹介します。

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ペルセポリス/マルジャン・サトラピ 作 園田恵子 訳


イラン革命を経験した著者の自伝的作品です。
イラン革命やイラン・イラク戦争下が、アヴァンギャルドな少女・マルジの視点で描かれています。

革命がはじまると国内での宗教色はつよくなり、男女共学であった学校は分けられ、自由であった服装も女性はヴェールを被らなければなりませんでした。
マルジはモダンな家庭で育てられ、両親はよく自由を訴えるデモに出かけていました。
マルジは学校で先生に反発し退学、新しく入った学校でも問題を起こします。ソ連へ逃亡し、帰国後9年間投獄されその後ソ連のスパイとして処刑されたマルジの叔父に似ている娘がいつか処刑されるのではと危惧した両親は、マルジをオーストリアの親友のもとへやることを決意。

こうしてマルジは14歳にしてイランを離れることとなりました。

恥ずかしながらイランのことをあまり知らないので、かなり衝撃的な内容でした。
なかでも衝撃を受けたのは、コミュニスト(共産主義者)の18歳の少女がつかまり、処刑されるという話です。イランで処女を殺すことは法に背くことらしく、革命防衛軍の男と結婚させ、処女を奪ったのちに処刑されたという、なんとも救われない話です。

こういった戦争や革命のはなしについては、以前も書きました。(10冊目:この世界の片隅に15冊目:革命前夜

自分が経験したことがないので、人から聞いたり、想像でしかないのですが、本当に救われない。革命はともかくとして、戦争をなくすことはできないのでしょうか。それはどこかで、戦争が起こることで利益を得ている人がいるからなのでしょうか。

戦争は醜く、大切なものを奪っていくということを、決して忘れてはいけないと思います。

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