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バセドウ病

“更年期症状だと思っていたら実は、、、”

そう、今回はバセドウ病についてです。
よろしければお付き合いください。

当院の問診票に「甲状腺機能亢進症」という文字を時々見かけます。

「バセドウですか?」と訊ねると、
そうです、と患者様。

貴重な情報です。
まずは教えて頂けたことに感謝です。

そして、私は伝えます。

大変でしたね、大丈夫ですよ。
どうか気を楽に指圧をお楽しみください、と。

バセドウ病は、20代〜40代の女性に多いと言われています。

ですが、男性の方もいらっしゃいます。

その症状の一つ「眼球突出」が有名ですが、私はそのような人に出会ったことがありません。

また、ガリガリに痩せていて手が震えている、これもよく言われることですが、そんな人もいませんでした。

皆、ふつうです。

もちろん、私がご縁を頂いたのは、症状が軽度だったり、すでに治療中であったり、という方達ばかりだったこともあるかもしれません。

それにしても皆さん、見た目はふつうなのです。

お話をお聞きしてみると次のような症状で困っていらっしゃることを教えて頂きます。

発汗
のぼせ
疲れやすい
頻脈
ドキドキ
イライラ
そわそわする

これらを見ていかがでしょうか。

更年期?

そう思われる方もいらっしゃると思います。
そう、とてもよく似ていますよね。

更年期の症状だと思っていたら、実は甲状腺だったというのはよくある話のようです。

更年期障害といえば、ホルモンバランスの乱れというワードがよく使われます。

エストロゲンやプロゲステロン等の女性ホルモンのことでしょう。

しかし、甲状腺も甲状腺ホルモンというホルモンを分泌しています。

その役割は、元気を出したり、代謝を促したり。

さらには、交感神経系のカテコールアミンやストレスに対応するホルモンと深く関わりがあったり。

それが過剰に分泌してしまう病気。

それがバセドウ病です。
(逆に甲状腺機能が低下してしまうのが橋本病です)

元気が出過ぎるという病態ですから、イライラしたりソワソワしたりするのも頷けます。

症状から言えば、東洋医学の“肝”のような症状です。

指圧は、気を落ち着かせるように補法でじわじわと効かせていくのが良いでしょう。

いずれにしても、広い視野を持てば、バセドウ病も更年期障害もホルモンバランスの乱れということで理解できそうです。

さて、

今、申し上げたホルモンはどれも脳の視床下部というところでモニターし指令を出しています。

視床下部といえば、
そう、自律神経の中枢です。

つまり、自律神経とホルモンバランスの多くは同じところがつかさどっているのです。

このことから、この病の根本には、自律神経の影響が潜んでいることがなんとなくイメージできます。

そして、これらに指圧が効力を発揮すると私が断言する理由。

それは、その心地よい刺激が神経の伝導路を伝ってその視床下部に届くことがわかっているからです。

指圧は自律神経、ホルモンバランスを整えるのにとってもいい。

いわゆる“指圧の圧が心に伝わる”とは、“視床下部に届く”と同義であると考えています。

ぜひ、楽になって頂きたい。

さらに、

バセドウ病が更年期障害と似ているといえば、骨粗鬆症を合併しやすいといことです。

代謝が促進することから骨からカルシウムが多く奪われてしまうのです。

甲状腺は副甲状腺とともに骨と血中のカルシウムバランスを調節していることも忘れてはならないでしょう。

(詳しくは #カルシトシン #パラソルモン の関係を調べてみてくださいね。)

そして、最後にもう一つ忘れてはならないことがあります。

それはバセドウ病が自己免疫疾患であるという側面です。

甲状腺は脳の視床下部から指令を受けて機能していることは先述の通りです。

しかし、視床下部からの指令が無いにもかかわらず、どこかからニセモノの指令が出て、甲状腺の機能が亢進してしまうのがバセドウ病の実態です。

そのニセモノの指令はどこから出ているのでしょうか。

答えはリンパ球です。

リンパ球からニセモノの指令(TSH受容体抗体)がやってきて、甲状腺を過剰に働かせてしまうのです。

通常は、ウィルスや癌から身を守ってくれる白血球のリンパ球。

それが自己を攻撃してしまう。

関節リウマチや潰瘍性大腸炎と一緒ですね。
私の肌感ですが、真面目で繊細な人に多いです。

いかがでしょうか。

リンパ球と顆粒球の免疫系のバランスも自律神経支配であることを考えると、、

互いが常に影響しあっていることに驚かされます。

生命は奥が深いですね。

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