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陰を補う〜がんばれよりリラックス〜

私はこの言葉に深い親しみを抱いてやみません。
今回は「陰を補う」について。

よろしければお付き合いください。

さて、

現代医学では、検査をし異常とあればその処置をします。その際に行われるのはおおよそ次のうちのどちらかです。

要るものを足す(プラスする)
要らないものを引く(マイナスする)

例えば、
前者は、糖尿病のインスリン投与であったり、炎症時のステロイドであったり。

後者は、ウィルスや菌の除去であったり、膝の水を抜くであったり。悪性腫瘍を手術で切除したりもそれにあたるでしょう。

現代医療とは、詰まるところこの二択で成り立っています。

さて、

改めて“陰を補う”という言葉について考えてみます。

東洋医学には五行、経絡、八綱弁証、色々とありますが、どれもベースにあるのは“陰陽”です。

太陽の照る日中は“陽”。
日没から夜は“陰”。

植物がぐんぐん育つ春夏は“陽”。
動物たちが食糧を蓄えて巣籠もりする秋冬は“陰”。

そして、人は若かりし“陽”の時を経て、やがて歳老いて“陰”の時を過ごす。

一日のリズム。
一年のリズム。
一生のリズム。

これをひたすらに繰り返し、私達はいくつも時代を超えてきたのです。

プラスに向かうは“陽”、
マイナスに向かうは“陰”。

足し算が“陽”。
引き算が“陰”。

しかし、驚くべきは東洋医学には
“マイナスをプラスする”
という考え方があるということです。

それが“陰を補う”という言葉。

A-Bではなく、A+(-B)。

この両者の違いをなんとなく感じ取れますでしょうか。同じようでいてプロセスが全然違います。

私はここに東洋医学の優しさが潜んでいると考えています。

「がんばれ」という言葉がありますよね。

この言葉は陰陽でいうと陽の性質です。
いい時もありますが、これが時に人を傷つけます。

“え?私、がんばってないように見えるのかしら。”
“これ以上どうがんばればいいの。”

と素直に受け取れない時。

そんな時、「がんばれ」の代わりに、

「リラックス、リラックス」
「いつもの感じで」

そんなふうに言葉をかけられたら、もしかしたら心がふっと軽くなることがあるのではないでしょうか。

これも一つの「陰を補う」ということ。

いかがでしょうか。

そして、私はこの考え方こそが指圧にはとてもとても大切であると考えています。

#指圧 #鍼灸 #東洋医学 #マッサージ #陰陽

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