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『鉄門海上人伝』 とみ新蔵

前回 『薩摩義士伝』平田弘史先生 を読んでいただいたもの好きな人たちの大方の予想通り。

今回は とみ新蔵 先生をご紹介せねばなりますまい。初期の傑作と言われる『鉄門海上人伝』が無料公開されておりました。

この小さなサムネイル画像からでも十分想像できる通り、非常に絵のリアルな時代劇作家さんです。

前回に続いてまた時代劇?と思われた方。仕方がないのです。この とみ新蔵先生 は 平田弘史先生の弟君なのですから…。どうしても並べてご紹介したい。

…しかし『舟に棲む』つげ忠男先生のところでも触れましたが、世の中には理解不能なほどスゴイ兄弟というのがあるものですねえ。しみじみ感じます。普通、兄貴が天才なら弟はよくて人並、じゃないでしょうか?エネルギー保存の法則はどうなってるんですか。

兄・平田弘史先生はとにかく画力がど外れているとご紹介しましたが、弟・とみ新蔵先生もオソロシイ絵師です。先ほどマネして描いてみようとよく見たら、どこにも「線の継ぎ目」がないんですが(ベジェ曲線か)どうやって描いたんでしょうwまさか一筆で顔の輪郭描いちゃうんでしょうか。わかりません。模写中、よっぽどズルして雲形定規使おうか迷いましたが、頑張って手で描きました<(_ _)>当方限界ですwお兄さんの絵にパッと見は似ているのですが、実は全然違うんだと今更ながら気づかされますねえ。

『鉄門海上人伝』は御坊サマのお話ですが、別段抹香臭いストーリーではなく、生き方がハードすぎてアクションマンガのように読めます。絵はお兄さんに比べ若干線が細く、黒ベタが少なめで、「あんまりど迫力のは疲れる」という方にはソフトな弟作品がオススメです。まあ十分濃いんですが。

こちらもお兄さんと並んで時代劇画の大大ビッグネームなので、作品はあまり無料公開されていません。興味を持たれた方は紙の書籍を求められるしかないのですが、当方のオススメは『魔界転生』(リイド文庫)です。

ご存じ山田風太郎原作。ジュリーの天草四郎で映画化された『魔界転生』のマンガ版です。山田・沢田・とみ新蔵(敬称略)全員大好きな当方には一粒で三度おいしいお得な一品。上下2巻完結でお求めやすいですよ(^^)。

さてここで、天才マンガ兄弟イラストギャラリーといきましょう。

著作権がありますので中身は無理ですが、当方が所持している本の書影だけでもと思って並べてみました。

まずはつげ義春・忠男兄弟。

無題156

お次はちばてつや・あきお+七三太郎の豪華三兄弟。

無題155

(『ふしぎトーボくん』があきお先生の絵表紙でないのが残念!)

トリは今回の平田弘史・とみ新蔵、最強時代劇画兄弟です。

無題154

もうなんというかお腹いっぱいって感じですねw。

この3組に対抗できるのはもうマリオとルイージくらいのものでしょう。



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たくさんのサポートを戴いており、イラストももう一通り送ったような気がするので…どんなお礼がいいですかねえ?考え中(._.)