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『愛星団徒』 松田一輝

タイトルは「あせんだんと」と読みます。

よくわかりませんが何やら占星術に関する言葉のようです。

ちょっと書影を見てみましょうか。

悪い予感がしてきた方、かなり「渋いマンガ」感度が上がっていますw

胸に★のマーク。スーパー○○ヤ人のような髪の毛。裸。

絵柄は確かにけっこう渋めだけど、なんかこうちょっとどうなんだろう感がある。お宝の匂いです。

渋漫のなかでも「野球マンガ」は作品数が膨大なジャンルで、ちょっと手を出しにくいところ。なので数々の名作をいったん置いといて、例外的な本作『愛星団徒』をのっけに出してみました。

当方実は野球はあまり知りません。細かいルールも怪しいくらい。

そんな当方にもわかるくらい、本作は「野球じゃないだろうそれは」のオンパレードを見せてくれます。

野球マンガといえば「体のどこかに選ばれたもののアザがある」。『アストロ球団』で有名な里見八犬伝かよモチーフを今作も踏襲し、まずピッチャーが登場するのですが…こまったことにコイツが200キロ投げる。キャッチャーは普通の人間なので、捕球ができません(そこはリアルなのか)。この「速すぎてとれない」構図はどうやら作者 松田一輝先生お得意のパターンなようで、他の野球漫画でも出てきます。

(こっちのピッチャーはかわいい)

で、ピッチャーに見合うナインを主人公と、敏腕野球記者と、僧侶の3人が探しに行く…というのがストーリーの縦軸です(5人目くらいからテキトウになっていくのはお約束w)。

あとは定番の敵の強さインフレ期に入るのですが、これがスゴい。初めはプロ野球選手が相手なのですが、なんだかんだあって最後は宇宙人と戦います。舞台はもちろん宇宙です。(どうでもいいけどこの宇宙人というのが「ゲキョー」「グガギ」とかいって低級妖怪みたいでキモカワイイ)スペースシャトルからコスミックバトル(地球人対宇宙人のいわゆるデスマッチ野球)を中継、ロンとヤスが抱き合ってそれを見るという、なんとも時代を感じさせる描写がたまりません。

しかし『アストロ球団』だってアフリカまでしか行ってませんからね。

ちなみにコスミックバトルとやらは、お互いに離れた位置から全力投球をぶつけ合うという、完全に「それは野球じゃないですよね」な勝負法。いつのまにか負けたら宇宙が滅びるって急に登場したに言われる始末。

…結末はどうぞご自身の眼でお確かめください<(_ _)>

野球マンガといえば『巨人の星』大リーグボールとか、『アストロ球団』人間ナイアガラなど数々の「やりすぎ」が魅力だと思うのですが…本作『愛星団徒』は、その意味で数ある野球マンガのやりすぎ最高峰だと思います。

一見、青年誌風の渋いマンガのなかに、少年誌を超えるセンスオブワンダーを発見したとき、「この世界は広いなあ…」という、サワヤカな感動を味わうことができますね。

ちなみに、やりすぎでないリアルな野球マンガで当方が一番好きなのは、普通に『キャプテン』(ちばあきお先生)です。

さいごにオマケ。当方自作の谷口くんプラパネル画像を↓…

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たくさんのサポートを戴いており、イラストももう一通り送ったような気がするので…どんなお礼がいいですかねえ?考え中(._.)