見出し画像

熨斗をつけて差し上げたい案件

いとこのヒロちゃんは私と同じ歳
側から聞くと人生イージーモード
人生、一度たりとも労働した経験がなく
それでいて、大学は最高峰を卒業している

好きなだけ食べて、好きな時に寝起きする
時間はゲームに費やし
それでもサラリーマンの年収の遥か上の
収入がある「高等遊民」

ヒロちゃんは他者とのコミュニケーションは難題
何を話しているのか判らない
小難しい話題から小難しい話題へ駆け足
ヒロちゃんペースで飛ぶので
聞いていて全く理解できない

人の質問を聞いてない、聞く気もない
他者へ会話を振ることがまずない
日常生活や身近な話を振っても
フワッと立ち上がり、よそへ行ってしまう

直近で会ったのは伯父が亡くなった
かなり前
その姿形に麻原彰晃が降臨したかと思った

ヒロちゃんの兄シンちゃんは医者だ
シンちゃんが有名大の医学部に入学して
ヒロちゃんは壊れた
ヒロちゃんはずっとシンちゃんより頭が良いと
思い込み、シンちゃんを見下していた

ヒロちゃんだって
医学部に入学できる学力はあった
現に皆が歯を食いしばり努力をして入る最高峰へ
ゲームに明け暮れていてもあっさり入学した

ヒロちゃんは壊れていたので
誰の意見も傾聴しなかった

伯父は他界する前からヒロちゃんのことを心配し
私のところへも「ヒロを頼む」と連絡してきた
ヒロちゃんは伯父の想いを知ってか知らぬか
自堕落な生活をしていた

今年になり
うちの母経由で伯母の体調不良を聞かされた
伯母は「うめこちゃんにヒロを
お願いできるかしら」とぬかしたらしい

ただ学力と資産があるだけで生活能力がない
ヒロちゃんを誰か婿にしてくれないかな
ほら、3高よ
高学歴・高収入・高身長(178〜182ぐらい)

背負いたくない「荷物」に
伯母へ連絡せぬまま、今日もいる





この記事が参加している募集