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下着は生きざま、ではなくとも #ランジェリーニュースVol.5

こんにちは。うめ組ランジェリーです。

随分久しぶりの更新になってしまいました。今回で5回目となる#ランジェリーニュース ですが、あらためて、、。#ランジェリーニュース は、ランジェリーに関係するニュースや個人的に面白いなと思うことなどをつらつら語っていくnoteです:D

私自身はいま作る側を目指して勉強しているのですが、このnoteは下着の知識などではなく、読み物的なものとして続けていきたいなあと思っています。

たとえばブラの構造や設計、ブラと洋服との相性などといった知識も役に立つとは思うのですが、個人的にはそれよりも純粋に自分の「かわいい」とか「好き」で下着を選びたいし、ファッションとして楽しめるものであってほしい。

作る側は「なんとなくかわいいデザインの下着」を作っている人なんて恐らく一人もいないし、すべてのデザイン(設計)にはきちんと意図がある。だけどいち消費者としては、単純にかわいいとか、なんとなくつけた感じが良いとか、そういう感じで良いよねと思っている。

あと、胸の大きさについての悩み、コンプレックスなどを解決するような下着というのも素晴らしいのだけど、やっぱり本来は自分が素敵だな、着てみたいなと思えるものがあればそれがいちばん良いなと思います。着心地や自分の体にフィットすることが前提にはなるのでむずかしいのだけど、、!

タイトルの「下着は生きざま」は、私が最近インスパイアされた言葉なのですが、今回は”生きざま”をブランドとして究極に体現したひとりの女性の話を少しシェアしてみます。

ココ・シャネルという生き方

その女性とは、みなさんご存知、シャネルの生みの親であるココ・シャネルです。本名はガブリエル・シャネル、「ココ」は彼女の愛称だそう。

シャネルについての本はたくさん出ているので、彼女がどんな女性だったのか知っている人も多いかもしれませんが、私自身は今回本を読んではじめてちゃんと知りました。その本が、『ココ・シャネルという生き方』(山口路子著/新人物往来社/2009)

少し本の紹介をすると、14章に分かれていて気軽に読める。通勤などの細切れの時間にも良いかも。章ごとに「自分が何者なのか知りなさい(1章)」「香水をつけなさい(6章)」などココ・シャネルの考えを一つ一つ集めながら、1冊を通して若い頃から晩年までのココ・シャネルの人生の物語になっています。あくまで著者の視点で語られているものなので恣意性はあると思いますが、物語として読むのにはおもしろい。逆にブランドとしてのシャネルを詳しく知りたい人には物足りないかも。

本の中でいちばん心を揺さぶられるのは、ココ・シャネルが生涯で唯一愛したという男性とのエピソード。内容については本を読んでみてほしいのですが、ここが彼女の人生の大きなターニングポイントになったことは間違いないのだろうと。「ガブリエル・シャネルは、コレクションのショーの最後をウエディング・ドレスで飾ったことがなかった。」という本書の書き出しからも、著者である山口路子さんの考えとして強くでているのがわかります。

実際は、もし最愛の人と結婚し生涯を添い遂げたとしても、女性としての生き方やファッションとしての表現は変わらなかったかもしれないし、ココ・シャネル自身にもきっと分からないであるけれども。

シャネルは下着は作っていませんが、下着業界を語る上でも欠かせない人物です。コルセットでウエストを縛り上げて重いドレスを引きずっていた富裕層の女性たちとはまったく違うアプローチで、自身の価値を世の中に提案していった女性。新しいファッションには、新しい下着も必要です。当然、新しい女性の生き方にも、新しい女性の美を表現するのにも。

「生きざま」でなくていい

「生きざま」という言葉には、「私はこういうふうに生きるのよ!」と宣言して突き進んでいくような印象があるけれど、結局その人の人生というのは本人の意思とは違うところで起こる出来ごとによって、必然的にその人の道が決まっていくような部分が結構あるとココ・シャネルの物語を読んでも思う。

それは本人の「意思」というよりも、生きるために必要な選択で、もっと本能的なもののような。

だから「下着は生きざま」というよりは「感性」であり「本音」であったら良いな、と思う。一人ひとり違う感性を持っているのだから、生きざまを見せようなんて思わずとも自分の感性にしたがって生きたらいい。

タイトルに「下着は生きざま」とつけておいてなんですが(笑)。知人から聞いたこの言葉が印象に残ったのは確かだけど、私自身は以前から「下着は本音」というように考えていて、より自由で、軽やかなものであったら良いなと思っています。

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今回は、いつものランジェリーニュースとは少し異なる感じでお届けしましたが、「女性の生きかた」を刷新し、ファッションを変え、女性たちの下着にも大きな影響を及ぼしたシャネルの考えは、同じ女性として学ぶことがたくさんありそうです。

ありがとうございます。下着作りに活用させていただきます🎀✨