営業の美学(3)ニュートラル
あらゆるジャンルに通用する営業の手引き=営業の美学。
営業に携わる方に少しでも参考になれば幸いです。
第3回 ニュートラル
今回のお話は、
「営業は、社内外との関係性において、どのような立ち位置を取るべきか」というお話です。
結論。営業は常にニュートラルであることが重要です。
営業は、どちらかに肩入れした時点で、信用を失い、孤立していってしまいます。
具体的に見ていきましょう。
case.1)The 会社人間の末路
会社の方針やルールを深く理解し、理路整然と対応する。
イレギュラーな状況に対しては、「会社の決まりで対応できない」の1点張りで乗り切る鉄壁の守備。
そんな彼・彼女の周りでは、トラブルも極めて少ない。仕事もスイスイこなしていく。
しかし、徐々に暗雲が立ち込めてくる。
・案件が来ない。
・得られる情報が少なく、競合との戦いに連敗が続く。
結果として、突き抜けた実績が出ることなく、会社からも「代わりは誰でも出来る」という評価に落ち着き、期待度は下がる一方。
また、本人も会社の指示が無いと動けない、自分で判断できないという機能停止の状態に陥る。
case.2)熱血営業パーソンの末路
顧客から愛され、その気持ちに応えることにやりがいを感じる。
社内への働き掛けも強く、無理難題と思われることにも顧客ファーストの精神で道をこじ開けてきた。
しかし、徐々に暗雲が立ち込めてくる。
・「それって、あなたの感想ですよね。」で社内から敬遠されていく。
・属人的に見えて、顧客の担当者変更のタイミングで距離を取られる。
結果、誰からも見放された気持ちに耐え切れず燃え尽きてしまう。
どちらも、仕事に対して一生懸命であることは共通していますが、思うような結末を迎えることが出来ていません。
シビアな話ですが、どちらのケースも、本当によくある話です。
では、社内外の間で対立が生じるような場合、どうすれば良いのか。
大事なことは2点。
・ニュートラルな立場で社内外を俯瞰すること
・自分の考えとして判断を示すこと
<具体的な5ステップ>
① 社内および社外それぞれの主張のロジックを整理する。
→背景をおさえておく。
② なぜ、問題となっているのかを考察する。
→氷山の一角なのか、偶発的なのか。対症療法で良いのかどうかによって、ベストな対応が変わる。
③ 本来、どうあるべきか見極める。
→互いの主張やルールに関わらず、正しい姿を考えてみる。今後の改善策提起にもつながる。
④ ③と時間軸も考慮して、自分なりのベストな対応策を決めてコンセンサスを取る。
→一時的な損得勘定ではなく、未来志向で考える。
⑤ 最終的にどのような結論になったとしても、自分の考えとして責任を持つ
→「会社の判断だから」を絶対的な結論の根拠にしてはダメ。
⑥譲歩した側、譲歩してもらった側にその認識を持たせる
→社内外関わらず、今後に向けて互いが持つ課題を示唆し、対応策を提示していく。
この一連の流れに沿って対応できることで、社内外との議論も建設的になり、営業としての存在感や信頼感が増幅していきます。
また、営業という職種に関わらず、ビジネスパーソンとして重要な能力でもあります。自身の成長という観点からも、逃げずに向き合ってほしいと思います。
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