将来の夢はなんですか?
教員になってから、こんな質問をすることもされることも増えました。
夢を持とう!
将来のライフマップを作ろう!
進路を考えよう!
と話します。
ただこの質問、あまり良くないなと、進路面談をすることが増えたこの1年で思うようになりました。
夢という言葉は、無限の可能性を秘めている一方、とても曖昧です。
寝ている間に見る夢のように、思考の整理のために脳が動いている状態を言うのであれば、ライフプランを描くために、人生の要所でなっていたい自分の姿を思い描くことが“夢”なのかもしれません。
でも、なんか腑に落ちない。
夢って、持ちなさいって言われて持つものなのかなと。
見つけなさいって言われて、見つけられるものなのかなと。
私は、小さい頃は、『魔女の宅急便』にハマって魔法使いを目指したり、通院先のお医者さんが可愛いシールをくれるから医者を目指したり、ビフォーアフターというTV番組にハマって建築士を目指したり、、、自由に夢を描いていました。
ある時、お金が欲しい!と思い立ち、両親に、お金が稼げる安定した仕事がしたいと言うと、国家公務員をすすめられました。
しかし結局、教えることの面白さに気づいて、どっぷり教員を目指すことになります。
…さて、お気づきでしょうか?
私が将来の夢だと考えていたものはすべて、「職業」だったのです。
これは間違いではないし、その仕事がしたい!という夢があってもいいと思います。
だけど、夢って本当に職業でしょうか?
なんか違う、と私は思うのです。
じゃあ、仕事以外に夢はあるか?
と考えて、また困ってしまいました。
そもそも私は教員になる夢を叶えるために、大学卒業まで頑張ってきました。
教員として採用がきまり、夢は叶ったわけです。
ん??? 私の人生、達成?
仕事を夢にすると、そこで終わっちゃうなんて。
そんな落とし穴があるとは、思ってもみませんでした。
もちろん、その仕事の中でこうなりたい!ああなりたい!というビジョンはありますが、夢とはまた違うと、私は思います。
そこでまた考えました。
私の夢は?
そこで見つけたのが、
「スナフキンになること」。
MOOMINに出てくる人物です。
実際にアニメの中に入りたいわけではなく。
旅する吟遊詩人、現代風に言うとライターってところでしょうか?
そんな存在になりたいなぁと思うのです。
言葉を編むことと、大好きな旅、五感で感じるままに歌うこと
大好きなことをして生きていきたい。
そこに、大好きな仲間たちがいれば、最高。
だから、夢はスナフキンになることだと言ってます。
話を戻します。
将来の夢の話です。
進路の話をする時、私的3つの軸を持って臨んでいます。
①仕事 ②進路 ③やりたいこと
①は、前述のような、何をしたいか、ということです。得意なこと、好きなことから引き出す場合もありますが、どのように生計を立てて生きていきたいか、の軸にはなると思います。
②は、①を実現させるための方策です。
例えば、どんな知識が必要か、どんな力が必要か、どんな大学だと学べるか、です。
教員として進路の話をするときは、ここに重点が置かれると思います。
③、これが、私の思う「将来の夢」です。
「自分で稼いだお金で、大好きなアイドルのライブに行く」とか、「結婚して、2人で海外旅行に行く」とか。
未来にわくわくするようなことを思い描く。
3つの中でも特に、私はとても大事にしています。
何故なら、私はこれに気付くのが遅かったから。
がむしゃらに仕事に就くことを目指してきたから、仕事が決まったとき、なんとなくゴールテープを切ってしまった感があったんです。
スタートラインに立てただけなのに。
あれ、この後私、どうすればいいんだ?ってなりました。
おかげで今もプライベートの時間の使い方がよく分からない…。ひとまず旅、行くか!ってノリ。
未来が楽しみだったかと言われると、
んー、仕事以外で楽しみ………?
という感じでした。
生徒たちには、未来に少しでもワクワク感を持っていて欲しいなと思います。
私は、将来の夢、という聞き方をなるべくしないようにしようと思っています。
だけど、やりたいことある?って聞き方ももちろん賛否両論あると思います。
夢なんて、各々描くものなのに。
でも、聞くってことは考えるに繋がると思います。考えてもらうきっかけづくりをしたいんです。
億万長者になりたい
ベンツに乗りたい
お菓子屋さんでここからここまで、と買い占めたい
なんでもいいと思います。
未来がワクワクしてくるなら、それで。
生徒が未来にわくわくできるような進路指導や声掛けをしたいと、私は思うのです。
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