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漫画家が創作活動にカウンセリングを使ってみる【#1】

こんにちは。漫画家として細々活動するうめです。
漫画家志望者〜デビューした新人〜ベテランの域で、どのフェーズでも

創作の悩みが絶えない…

と思ってます。例えば…

漫画家志望者:
「度重なるボツが辛い」「本当にデビューできるのかな」「このままで人生大丈夫かな」「自分の絵下手だな」「周りの人はデビューした」「なんで自分のは分かってもらえないんだろう」「同級生はしっかり働いている」「担当編集と相性悪いかも」etc…
デビューした新人:
「度重なるボツが辛い」「自分の作品、売れるかな」「そもそもいつ打ち切りになるか…」「打ち切りになった」「次の作品までお金が足りるだろうか」「自分の売りがわからなくなってきた」「担当編集と相性悪いかも」etc…
ベテラン:
「度重なるボツが辛い」「売れれば売れるほど批判も目に付く」「新天地に行きたいのに安定求められる」「描きたいものと売れたものが違った」「やる気が枯渇してきた」「担当編集と相性悪いかも」etc…

などなど。もちろん、どんな仕事してても悩みはあるとは思います。
だけど、漫画家にはこれらのセーフティネット全然なくね…?やばくね?ってことを私は最近知りました。なぜ最近かといえば、私自身、相談する!って発想がまず一切なかった。そもそも業界にそのイメージがない。多分。

だから、アシスタント行く前日になって作家さんから「メンタルやばくて…明日からでいいですか」とか来たり、別の作家さんから「メンタルきつくて締切伸ばしてもらったんですよね」という話を聞いたり、当時のアシスタント仲間でも「人と話していたいのでアシスタントは通いがいい」とか「デビューしたけど一人で描いていてしんどくなって辞めた」とか聞くんでしょうか。
そもそも、人と喋るのが担当編集かアシスタントしかなかったりして、それ以外の時間はほぼ一人で悶々としているだけですからね…コミュニケーションが苦手な人も多いだろうし…。

…という現状を前回記事のお医者さん先生に話した時に、こういう一言が返ってきました。
「でも創作する人達だからさー、クリエイターってちょっと病むぐらいの方がいいのかな〜」
うん…なるほど…確かに…自身の失恋から描き上げて成功したとか、実体験も色々聞く…確かに…?

いや、でも、そんなことないよね??
だって身の回りの人たち、メンタルで創作どころじゃなくなってるし!!!
それどころかむしろ、創作活動のためにメンタルヘルスを整えるという考え方もアリでは?

ということで、

カウンセリングを創作のために使うという観点で受けてきたレポ

が以下です。

2021年5月。そもそも自分の創作活動にカウンセリングは有効なのか?お試しで…という気持ちで相談しました。内容は
「モチベーションのムラが気になる」
やる気がない時と、集中できる時の差があって自分でもよくわからない。
集中できないとき→机に向かってもやるべき作業のやる気が起きなくて、別の事に気が散りがち。そしてそんな自分に絶望してさらにやる気が落ちがち。
集中しすぎるとき→ご飯を食べるタイミング忘れるほど集中して、気づいたときには疲れ果てている。

という感じで、締め切り守れないレベルじゃないけど、よくよく考えると少し困ってるな…ということを相談しました。これ…創作する人あるあるだと思うんですよね。元々単純作業でもなく、進捗が分かりづらいし…生活リズムが自由すぎて管理しきれない人もいるのではないかな。

初回のカウンセリング、cotreeというサービスを使いました。
めっちゃ緊張…。持ち込みするのと近い緊張だ…。どっちも自分を曝け出したものについてみっちり話すという意味で同じですから…。

流れとしては、初めてということもありまずカウンセラーさんが
「カウンセリングは、カウンセラーが質問を重ねながら、ご自身で自分の中の答えを引き出していただくようなイメージです」と説明してくれました。
次に状況説明。自分が漫画家であることとか、こういう生活をしていて、こういう作業があってこういう時にやる気ないんですよね…みたいな話をするのに15分くらいかかったと思います。

その後、カウンセラーさんから色々「集中できない時の作業の共通点ありそうですか?」とか「その時の感情を言葉で表すとどんな感じですか?」とか質問もらって答えながら、「…ということは、こういうことですか?」と整理してくれて、自分も初めてそこで客観視しながら、あ、それとはちょっと違って…とかさらに掘り下げたり。ここがメインパートで、カウンセリング時間の半分以上このやり取りでした。

だんだん話にも慣れてきて、最後の方に、やる気のない時は「自分の理想高すぎて勝手に焦ったり凹んでるからモチベに影響してるかも」「本当はアイデアを醸成するために、何もしない時間も必要なのに気持ちだけ焦っているかも」という仮説が、自分の口から出現。

残りの5分〜10分くらいでカウンセラーさんがまとめつつ、自分ルールとして「作業に取り組むときにまず5割の完成度、そして8割できたら手放して10割に取り掛かるかは一旦考える」を設定することに。

最終的には仕事効率化みたいな話になりましたが、これを取り入れて結果的に、仕事効率化しちゃったんですよね。余計に考えすぎていたこだわりも捨てられて、気持ちも軽くなっちゃったり。
相談内容的にはそんなにメンタル関係ないかなと思っていたし、漫画家仲間に話していたら「わかる〜」くらいで終わっていたと思います。でも、カウンセリングという人の話を聞くプロに頼ってみると、何が嫌なのか言語化して改善までできる…そのポテンシャルある…ということがわかった日でした。

結論:結構いいじゃん!!!

※ただ、もちろん全てが良かった訳ではないんですが。
初回なのでカウンセリング中も漫画家の仕事内容を説明するのが少し時間かかって(ネームという言葉が通じないとか…漫画作成の工程の説明がいるとか…)焦ったり、この後、実際に生活の中でやってみたらこうだった…みたいなことも出てきたり。
ただ、自分の中では「こんな取り留めもないと思ってたこと、話したら改善するんか」という驚きの方が大きかったという最終的な印象です。

そして…その生活での収穫も携えて、2週間後くらいにまたカウンセリングを受けるのでした。

次回、継続してみて!という話を書きたいと思います。よかったら見てくださいね。

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