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【能登半島地震を乗り越えた女性防災士が語る】奥能登大雨災害で死亡した14歳の少女にお悔やみを申し上げます。地震を乗り越えたのに豪雨の犠牲になるなんて

9月30日、福井県三国沖で発見された14歳の少女の遺体について、福井海上保安署からの発表がありました。その少女は、奥能登豪雨で行方不明となっていた輪島中学校3年生の喜三翼音(きそはのん)さんとみられています。着衣の確認を行った父親・鷹也(たかや)さんは、「娘の服で間違いないと思う」と語り、家族や友人たちは希望を捨てずに待ち続けた末の深い悲しみに暮れています。

父親が語る最後の思い出

翼音さんが着ていた服には、父親が1年前に譲ったというスマートフォンゲームのキャラクターが描かれていました。その服装は、豪雨の日に鷹也さんが「けがをしないように」とLINEビデオ通話で伝えた長袖・長ズボンの重ね着だったそうです。思春期の娘が最後に父の言葉を聞いてくれたことを、鷹也さんは涙ながらに思い返していました。

祖父と家族、友人たちの悲しみ

祖父の誠志(さとし)さんも、「本当に優しい子だった」と涙を抑えられないと語り、「早く温かい布団で休ませてあげたい」と最愛の孫を思いやっていました。家族が悲しみをこらえながらも、警察や消防、地元漁師らへの感謝を述べている姿に、心が締めつけられる思いです。

彼女の同級生たちも、翼音さんの訃報に打ちひしがれています。体育祭に向けた練習を一緒にしていた幼なじみは、「信じたくないし、信じられない」と肩を落としていました。別の女子生徒は、「悲しいけど、これで家族のもとに帰ることができる」と、彼女が見つかったことで少しでも家族の元へ帰れることを慰めにしている様子でした。

二度目の悲劇

今回の大雨災害では、能登半島地震を乗り越えた地域に再び悲劇が訪れました。地震から立ち上がり、必死に復興に向かっていた人々にとって、この大雨がもたらした悲劇は重く、やりきれない思いが残ります。

潮の流れがもたらした影響

翼音さんが見つかった場所は、輪島市から約170キロ西に離れた海上でした。通常、石川県沿岸は対馬海流の影響で潮が西から東に流れるのですが、今回は潮の流れが逆向きであったことが影響したとされています。風の影響や大きな海流の渦が、このような通常とは異なる動きを生み出した可能性があるそうです。

これからの災害への備え

能登半島地震を乗り越えた地域で再び訪れた災害。地震からの復興を果たしつつあったこの地で、またしても命が失われたことに胸が痛みます。この少女の冥福を祈りながら、今一度災害への備えとその過酷な現実を受け止めなければならないと強く感じています。

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