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生活感のある湖東

ビワイチ3日目。
2日目の草津→長浜の自転車行きにより筋肉痛がやばくて、3日目は琵琶湖一周なんてひとまず諦めることにして、観光することと、自転車の返却を優先することにした。

ビワイチをナメスギテタ。

初日が近江舞子だったせいか、湖東の空気感との違い、圧倒的な車社会に気圧された。
湖東でも、琵琶湖を走っていると時々バーベキューの香りがしてきて、キャンプで楽しむエリアが定期的に繰り広げられていた。
そんな非日常の平和世界でも、各所に現実世界があった。

長浜のホテルに着くと、近江舞子で見たモラトリアムっぽい若者たちはゲストにもスタッフにもいなかった。
圧倒的な車道路も、目に見る全てが現実だった。自転車ガチ勢が多いのも、米原駅のレンタサイクルが予約2日前にしてください、というのも。あの近江舞子の怠惰な空気はここにはもうないのだ。

話を戻して、観光に向かったのは竹生島。
たまたま泊まったホテルに置いてあった竹生島のチラシが気になって見てみると、どうやらホテルから長浜港はすぐだし、なんか行ってみたくなった。
時間的にも問題なさそうな気はしてる。朝10時過ぎのフェリーに乗ってお昼過ぎに出る。

朝ご飯を買いにコンビニに行くがてら、長浜港に行ってみると整理券を入手することができた。結局、船というのは予約できないシステムらしい。その時間帯までに並んだ人が全て。まぁ、それもそうだよね。
ただ、当日早めに来て整理券を入手して抑えることはできるようだ。

3200円に棒線を引いて3,400円となっている。今はすべてが値上げしているよね

10時ごろホテルを出て草津から持ってきている自転車に乗ってすぐ近くの長浜港へ。
整理券を配ってくれたお兄さんが駐輪スペースへ案内してくれた。
そのままチケットを買い、列に並んで、時を待つ。
10:15発だが、船に全員乗ったのを待ってか10:12くらいに出た。

「琵琶湖大仏」

船内では、琵琶湖大仏の解説から始まった。
長濱の歴史や生物など結構専門的な詳しい説明をしていたが、特徴の特徴という言い回しを当たり前にしていた声はAIなのかも。これからはもう、こういう違和感が当たり前になっていくのかもしれない。

チラシには90分と書いてあったけど、割と早くに着いた。

船は今津、彦根、長浜の3つの港から出ていて、長浜は30分くらいで着くようだ。

揺れも少なくて楽だった。
船内にはいろんな家族連れがいて、家族4人全員がスマホを見ている家族や小学生くらいの姉妹3人とお母さんが楽しそうに話している人たち、まだ子どもが4歳くらいの親子3人でお母さんが自撮り棒を常に構えて男の子を撮っている人たちとか。
途中から湖の美しい景色にも人間観察にも飽きてきて、斜め向かいに寝ているお父さんのように頭を後ろにのけぞり気味に寝ていたら、着いていた。

湖東のエリアで見た泥だまりはなく、無人島のあたりの水はきれい

お父さん、着いたよ、の声に起きたのは、お父さんではなく、私だった。

着くとものすごい人で前に続いて歩いているうちに島の入場料を払う列に自然となっていた。ほどなくして券売機の横にいる男性から、何枚?と聞かれて、券売機を待たずして買うことができた。
竹生島に入るには船の往復券と入場料600円とで4,000円が必要だ。

人が少ない方から進んで行くと、かわらけ投げのある景色が美しいところに来た。

かわらけが大量に投げられた場所。眺めがとても良い

竹生島は小さな無人島でお寺と神社だけがある。石段を登っていくとそれぞれのお参り場所がある。
舟の形をした廊下を抜けていくと

神社があり、お寺があり、神社の本殿があった。

神仏習合の場所だから、お寺と神社がミックスされている。
宝物館というのがあって、仏像が見事だった。私より先に来ていた男性は最初の仏像からなかなか動かず、私は他を周りながら見ないといけないほどだった。

でも人はまばらで、私が見終わった後に来た男女の2人組は何だろう?これ、という感じで、一体何があるんですか?と受付の人に聞いてもあまりピンときていなかった。
私がどこから見ても正面を向いている仏像があって、あんな昔によくこんなもの作ったなぁと思ったことを伝えると、ほな見に行ってきますかな、と言った。
私がある程度歩いた後で、受付の男性が、大したこと無かったらすみませんね、と言っていた。たった300円なのに、そこまで謙虚にならんでもいいのに、と思ったけど、お金よりもいろいろ回ってきて疲れたけど、これだった?と思われたら嫌なのかもしれない。

こういう僻地の展示物にありがちなのだけど、解説のパネルの置き方がちょっとズレていたりして、文章も、〜かもしれないとかで、スタッフの人たちはちょっと自信がないのかもしれない。わからない。でも意外と見応えはあった。

でも多くの人々は宝物館なんかに大方興味はなくて。一体何にこんなに人が大勢並んでいるのだろうというところは、御朱印帳だった。

最近流行りなのか何なのか、みんなスタンプラリーを集めているかのよう。特にここまで来たら、やっぱりもらいたくなるのかもしれない。

いろいろ見終わった後は、近江牛まんと長浜のクラフトビールを飲んだ。

まぁ12時くらいだったし、まぁ朝からではないからいいか、と思ったけど、これを後に悔やむことになる。

日本一おいしいと書かれたIPAは、苦味が強く感じた。あぁおでんと一緒が良かったかなぁと思ったけど、おでんのある店のソフトクリームに長蛇の列ができていて、やっぱり無理だったなと思う。どちらも普通においしかった。

私が食べているとき、店内では離婚調停と思われる話題に女性数人が周りにも聞こえる大きな声で話していた。 

最初は、〇〇パーで、とか何とか言っていることを特に何とも思っていなかった。ただどうやら取り分だとか何だとか、先生がとか、年収が400万とか2000万とか、あまり聞かないようにしていたけど、なかなかなテーマだった。
しかも、2人がけの席に長椅子を利用して女性6人が横に並び、さらに2人か3人が通常のイスに座っている。10人に満たない40〜50代くらいの女性陣が竹生島に来て、食事スペースで周りに聞こえる声で結構センシティブな内容を真剣に話していた。

たぶん大阪か神戸の人だろう。京都の人は周りに聞こえることを気にするが、阪神エリアではむしろ周りに聞こえるように話しているような人をよく見かける。この非日常を利用して、日常では議論しにくい日常の難しいテーマをみんなで考えている。
湖東では、こういうなんとなく現実に戻されるような場面に遭遇した。

滞在1時間ほどで島を後にした。

行きの船でも見かけた家族連れも多く乗っていた。帰りの船では自分以外に見かけなかったソロ旅行の人と相席した。
長浜港に着くとホテルに戻って預かっていた荷物を受け取り、近江鉄道米原駅まで自転車で向かう。

今日は風が強すぎた。
何だろう?横風、向かい風、その両方が強く吹き付けてきて、自転車どころじゃない。
これではとても進めないと思ってレンタカーに電話して予約してから気づいた。アルコールを摂取してしまったことに。

そんなに酔ってないからうっかり飲んだことを忘れていた。でも身体にはしっかりアルコールが入っていた。すぐに電話を掛けて予約を取りやめ、仕方なく自転車で向かうことにした。
昨日も思ったけど私、いろいろ腹をくくれていないのだ。
もう覚悟して行くしかない。筋肉痛で多少つらかろうと。
琵琶湖の周辺が強風がすごかった。
道のりに合わせて、琵琶湖を外れたものの、東に進めたときが向かい風の強さが半端なく、自転車を漕ぐことなんて無理に等しかった。

普段は見晴らしの良い田んぼの風景も強風となると、風のやりたい放題。今日はもう、琵琶湖の美しい景色なんてどころじゃない。

農業地帯を越えて、何とか米原駅まで着いた。
今回、駅に着くたびに直面したのが反対側にどうやって出るかだ。
だいたいいつもたどり着く先は反対側で、西口に着いたら東口に行かなくてはならず、どうやって線路を越えるかに悩まされた。
交番に聞いてもあまりわからないみたいで、この辺をよく小学生が歩いてるという情報をもとに行くと確かに行けた。本当にわかりにくい場所にいつもあって、地元の人を見つけたらいいものの、それは警察ですらわからないものだった。

米原駅に着くと、ビワイチ用のレンタサイクルがあった。昨日ホテルにあった雑誌に当日いきなり来ないでください、みたいに書いてあったから、なるべく自分はそういう客じゃない風で辺りを通る。
この自転車を借りた駅リンのスタッフのように優しくはないのだ。今回なんとなく思ったけど、自転車ガチ勢の人たちはあまり初心者に優しくない気がする。誤解だといいのだけど。

近江鉄道は、日本一運賃が高い電車だと、竹生島のお店の人が言っていた。日常的に利用しないので、電車持ち込みで40分ほど乗って760円はまぁ、高くないと思う。

自転車を置くスペース
何ら変わらないローカル鉄道だが、自転車を入れられる
レトロな硬い切符

自転車を輪行なしで持ち込みOKという懐の深さ。自転車に優しい街だなとつくづく今回感じた。

途中からガチ勢グループが入ってきて、どこに自転車を置けばわからないふうだったから、とりあえず自分の周りに置いた。後から気づいて、2両目にも置けるとわかり、4人のうち2人はフレンドリーだったが、フレンドリーそうでない2人がこちら側に残った。
ビワイチ同士なら、いろいろ情報聞けたらなと話しかけられたらと思っていたが、そんなふうでなく、たまたま止まって近くのトビラが開いたときに近くにきたので話しかけてみると、すごく嫌そうな顔をされた。どちらまで行かれるのですか?という質問に対し、近くにいた男性が〇〇まで、と言ったがもう1人の男性の表情が固まっていた。
そこまで嫌なことをしたのかなとも思ったけど、想定外のことをされたり、期待していないことをされたりすると嫌な気持ちになるのは当然かもしれない。それ以上そちらを見ないようにした。
それから数分で目的の駅に着いた。
五箇荘駅からは国道沿いに行くことになる。
さらなる車社会の中を自転車で駆け抜けていかないといけなかった。というか、本来はあまり良くないのかも。

電光掲示板では、27°を記録しており、予想最高気温の26°を上回っていた。一昨日の朝までは寒かったというのに、ここに来てからずっと暑い。おまけに今日は風が強すぎたエリアでは帽子を被ることも難しくて、ノーガードで頭に紫外線をしばらく浴びて余計に暑かった。帽子のあるなしでこんなに違うのか。たった1時間足らずなのに、たぶん20分くらいなのに。

普段は電車や車の車窓からしか見ないような工場の看板たちを生で見た。

ちょっと長くなり過ぎたので、いったんここで切ろうと思う。
久々にまた書けてよかった。

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