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真の最終回。ニュージェネクライマックス

霧崎「待っていたよぉ!」

いや、このセリフの通り本当に長いこと待っていた。
『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』が3月の延期から5ヶ月、ついに公開された。5ヶ月、いや2019年12月に予告公開されて以降とすれば8カ月近くタロウは闇に堕ち続けていたわけである。
Youtube配信やテレビ放送で流れる予告の観過ぎで、もはや空でセリフを暗唱出来るくらいには観た気がする。ドラマーティーックなー。

この作品だがタイトル通りウルトラマンタイガの劇場版としての顔だけではない。
2013年にウルトラマンギンガがウルトラマン列伝内の1番組としてスタートしてから7年、次第にウルトラマン列伝内という枠も外れ、作品のクオリティは作品を重ねるごとに上がり、各々の作品は時に客演し、歴史を積み上げニュージェネレーションズと呼ばれるようになったウルトラマン達。そのシリーズがひとつのクライマックスを迎えることになる。


ウルトラマンレイガがかっこよすぎる。

真っ先に語りたいのはこれである。

神秘のヒーロー、ウルトラマンレイガ。姿が発表された時はそこまでピンとこなかったのが正直なとこだがめちゃくちゃかっこいいな……と感じた。
何がかっこよいかといえば、一切自分からウルトラマンレイガと名乗らないことだ。物語終盤、タロウの進言によりトライストリウムのウルトラホーンに集められたニュージェネレーションズのエネルギー。インナースペースで形成されるニュージェネレーションアイでヒロユキが変身するのだが、タイガスパークで変身するときのように「ウルトラマンレイガ!」の音声もなければ、トライストリウムの時のように自らウルトラマンレイガと名乗ることもない。(レイガアルティメットブラスターと叫ぶのはノーカウントということで、ひとつ)
出番自体はこれまでの劇場版フォームのように多くはない。むしろほとんどないとすら言ってもいいのだが、逆にそれが神秘性を保たれているとすら感じる。メビウスインフィニティー、ウルトラマンレジェンドと近しいものを感じる。タイガの劇場版限定フォームというよりは全く別のウルトラマンになっているという点からいけばレジェンドが近いのかもしれない

メビウスインフィニティーといえば、今回の映画のあらすじでもあるグリムドを封印するためにニュージェネレーションズが変身能力と引き換えに封印した流れ、完全にメビウス&ウルトラ兄弟だし、本編を見るまで気づかなかったのだが、ギンガビクトリー、ベータスパークアーマー、オーブトリニティ、ウルティメイトファイナル、ウルトラマングルーブ、タイガトライストリウムで6兄弟となっている構成は思わず上手いと思ってしまった。

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タイガのフィナーレ

ニュージェネ完結編というよりはタイガ完結編という感じが強いというのは正直なところ。ウルトラギャラクシーファイトが優秀過ぎた……。
しかし70分程度という尺の中でニュージェネ組、しかも全員オリジナルキャストでありながら各々見せ場がしっかりがあったなという印象。
トレギアへの怒りの気迫がすさまじいカツ兄(そりゃそうだ)
それをいさめるイサミ(湊兄弟が揃うだけで空気感がR/Bになるのは流石というほかない。)
父親と戦うタイガの辛さを思いやるリク(相変わらず重いよ)
出てくるだけでかっこいいガイさん(まさかのクレナイガイのテーマM-5!)
まさかのピリカをキュンとさせた大地(変身バンクの掛け声、あれ高橋健介くんのですよね?)
ギンガ本編のこともあり、タロウを思いやるヒカル
トレギアへ痛快な一言を残したショウ(リアルタイタスとイベントで言われるだけの見せ場もあるよ)
もっとじっくり味わいたかった……カットしたシーンもあるだろう。尺があと20分……せめて10分あれば……

成長したヒロユキとタイガ達の関係性はテレビシリーズでの積み重ねもあり大変よかった。成長したがゆえに突っ走るヒロユキを心配するタイガ達。闇に堕ちたタロウにショックを受けるタイガに「辛いなら辛いって言ってくれ。自分にだけは何でも話してくれ」と言えるようになったヒロユキ。おそらくテレビシリーズではこんな台詞をいうことはなかっただろう。

タイガだけでなく、フーマとタイタスがもうヒロユキ無しでも変身できるから、もうヒロユキが傷つく必要はないと心配するシーンはそうそう!こういうのが見たかった!と感じた。
トライスクワッドとE.G.I.Sが別れるシーン、ウルトラマンと変身者が別れるENDはニュージェネでははじめて(厳密にいうとギンガとエックスも別れたがなんやかんやで戻ってきた)なので非常にぐっときた。
フーマが泣いてしまうシーンはズルい。共に進む場所はひとつであるということ≠一緒にいることではない。タイガスパークが無くとも彼らは絆で結ばれている。
(あまりネガティブなことは書きたくないけれどどうしても引っかかったのであえて書くのだが、ここにマグマ星人とマーキンド星人もいるべきであろうとは思った。彼らはいわばテレビシリーズの宇宙人と地球人の関係性の希望の象徴ともいうべき存在なので……)

どこまでも拗らせたやつ、トレギア

???「どこまでも拗らせたやつなのさ……。」
テレビシリーズではタイガ、ヒロユキがターゲットなだけあってその片鱗にとどまっていたが、劇場版ではタロウ自身がターゲットなのでフルスロットルでその感情をぶつけてきたトレギア。タイガ超全集に収録されているトレギア物語を読むとなおさら彼のとてつもない感情が堪能できるらしいので購入して味わおうと思う。

彼の瞳に映るのは、「タロウだけ」である。驚異的な視野狭窄。トレギアはもはや、友であるタロウに一緒の風景を見てほしいと願う、メチャクチャ切ない感情の持ち主なんじゃないだろうか。

ガイア・アグル、ギンガ・ビクトリーのコンビくらいでしか見ないダブルで土埃あげながらの着地はお前ら仲良しかよと感じました。

本作で一応の決着を迎えグリムドとともに消滅していったトレギア。生きていてほしいような気もするが、おとなしく成仏してほしいとも思う。めちゃくちゃ彼が残した負の遺産がありそうだが。

だいぶ時間がかかってしまったが、公開してくれたことへの感謝とトライスクワッドの4人へお疲れ様を言いたい。タイガが繋いだ絆の光はゼットへ受け継がれている。気が早いがZの劇場版でまたあの4人と出会える日を楽しみにしたい。

最後にこの動画を貼っておこう、映画を観ているキャストの映像とコメントを観るという前代未聞の内容なのだが、映画を観た人には必見の価値がある。ニュージェネレーションズの駄弁り、いつまでも観ていられるのでオーディオコメンタリーとして円盤発売の際には収録してほしい


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