Midnight Bloodline 創作大賞2024 漫画原作部門 第2話

#創作大賞2024 #漫画原作部門

第2話 シタフィム


    夜の暗闇の中、やっと真帆の家に到着したサラは、驚きの光景を目にしました。
    なんとお城なのです。
    サラは思わず声をあげてしまいました。

「わぉー、お城があるわ!このお城には一体、誰が住んでいるのかしら?…ちょっと、気になるわね。中を覗いてみましょうか?」「ここが家です。」
「へぇ?誰が住んでいるのかしら?気になるならなの?」
「えーと、誰かって言われても…歓迎しますよ!」
「あ!すみませんが、ちょっと用事があってね。また、次見学してもいいかしら?」
「なんでですか!?お泊まりに来られたのに!」
「お、お泊まり…?ええー、でも、ここはやっぱり宿泊料金とか追加料金とかは……。」「いりません!」
「おう、あれ、もしかしていい人だ!ぬおおお!相棒、さっさと準備を始めろ!」
「ふ、相棒……ってふふふっ。ようこそ、私のお城へ」

    真帆は妙に不思議な雰囲気で案内を始めた。
    門をくぐると、そこには美しい庭園が広がっていた。
    数多くの花や木々が植えられ、噴水や池も見える。
    熱心に聞き手に説明しながら、真帆は庭園の歴史や家族の話を話した。
    彼女の家族は代々このお城を所有し、多くの偉大な人々と縁があったと聞いた。
    興味深い話ばかりで、聞き手は引き込まれたまま、時が過ぎていくのを忘れてしまいた。
    真帆はサラを部屋に案内すると、そこには広いベッドと美しい家具が揃っていた。
    サラは初めての豪華な部屋で過ごすことになり、まるで夢のような気分に浸っていた。
    真帆は、サラにトマトジュースをを用意してくれた。
    私たちはトマトジュースを飲みながら、のんびりとお喋りをして過ごした。

「あ、あの…今日はお疲れ様…いや、バカにしないでよねっ!言わなきゃいけないこと言ったんだからね!あのさ、さっきお城見た時ね、ほんと驚いちゃったんだけど、でもあたし話すこと大好きだからつい長くなっちゃってごめんね。なんか不思議でさ、初めて会ったのに真帆と話してるとあっという間に時間が過ぎちゃう感じがするんだよね。それに、真帆ってすごく気さくで優しい人だと思った。本当にありがと。」
「ありがとうございます。そして、お疲れ様です。私も今日サラさんの素晴らしさに気づきました。ふと考えたのです。もし、あの時、私がサラさんに、勇気を出して声をかけなかったら、こんな魅力的な人と出会えなかったのだと…。それだけで、少し胸が高鳴りました。」

    その後、サラはしばらく真帆を見つめ、頷いた。
    そして、シタフィムのことや本部へ帰るかどうかを真帆に相談した。

「あっ、そうだ!あたしが所属しているシタフィム組織の由来!天使の一種で六人で立ち上げた一団だって言われてるわ。『セレスティアル・シックス』って呼ばれているの。天使の意味が込められているから、神聖な使命を持って活動しているんだ。あ、あとね、あたしたちが所属するシタフィムは、悪魔との戦いに備えて日々トレーニングしているんだ。あたしたちは、できるだけたくさんの人たちが平和に暮らせるように、全力で戦っているんだよ。…………ったく、もう…そういう望みを口に出すなんて…でも、でもっ! もし真帆が協力してくれるなら、悪魔狩りに力を貸して欲しいんだけど!」

    真帆は、サラの言葉に戸惑いながらも、彼女が本当に悪魔狩りの組織に属しているのだということを信じた。
    そして、真帆は自分が悪魔と戦うことになるなんて、全く予想していなかった。
    しかし、サラの足に負った外傷を負ってたことや、『敵』が悪魔であることを考えると、自分も一緒に戦わなければいけないと思った。

「ありがとうございます。なんでもしますって約束したので、私がどのように協力できるかは分かりませんが、最善を尽くすために一生懸命取り組みます。もし何か役に立つことがあれば、遠慮なく言ってください。一緒に頑張りましょう。」

    真帆はよく考えて協力を申し出た。サラは安堵の表情を浮かべ、真帆に感謝の気持ちを伝えた。

「…あ、あの、ありがとう…真帆。一緒に戦えるって思うと、なんか嬉しいかも。あたしたちが手を取り合えば、悪魔に勝てると思うんだ。でも、あたしに、そんなに期待しないでよっ!」

    二人は握手を交わし、強い絆で結ばれたことを確認した。
    その後、サラは続けて小さな声で言った。

「あの、真帆…実はあたし、シタフィムの本部に帰るつもりなんだけど、も、もし良かったら、真帆も一緒に行ってくれないかな?二人で力を合わせて、バリバリ頑張れたらいいなって思ってるんだけど…」

    サラは照れくさそうにしながら、真帆を見つめた。
    真帆はびっくりした様子で、しばらく黙っていた。

「え?でも、私はまだシタフィムに参加していませんよ…」
「…ちょっと、心配しなくても大丈夫でしょ。真帆はすぐに上手くやっていけるってば。あたしがいるから安心して、一緒に頑張りましょう!」

    言葉に誘われ、真帆は心の中で迷いながらも、最終的にはその提案を受け入れることにした。

「わかりました。私も一緒に行かせていただきます。」

    二人は、シタフィム本部へ向かうための準備をしながら、情報を共有し合った。
    サラは、シタフィムで試験が、あることを思い出して真帆に、対策を伝える。

「あ、忘れてた。真帆、シタフィムに加入するには試験もあるから!」
「試験?」
「シタフィムに入るには試験を受けないといけないの、そうしないと悪魔狩りはできないんだよ。試験では、能力や技術が測られるわ。つまり、さっきの戦ったアークスライムみたいのを倒せるかどうかが試されるってことよ!」
「聞いてませんよーーーーー!」

    真帆は怒りながらも、頬を染めた。

「サラさん、私、その試験、受けられますか?」
「バカ!当然受ける資格はあるわよ。でも、その前に武器が使い魔や血族の力を頼まずに、剣や杖などを使いこなせるかどうかが問われるわよ!」
「剣と杖、どっちが良いか悩みます……。」「シタフィム本部がある街ミルドで、武器屋に行こうよ、真帆。自分に合った武器を見つけるためには、試してみるのが一番だから。そうすればきっと、自分にぴったりの武器が見つかるわよ。」

    サラは自分の武器のこともついでに話し始めた。

「あたしは、日々悪魔との戦いに身を投じているの。この拳銃が私にとっての命綱であり武器だわ。錬金術を使って、ゴールドブレッド対悪魔用の弾を創造しては、悪魔を倒しているんだ。もちろん、失敗することもあるけど、それでも自分を奮い立たせて戦う勇気を持っているわ。」

    サラは白いコートに身を包み、拳銃を手にして立っていた。
    サラの目は鋭く輝き、すべてを見透かすかのように周囲を注視している。

「悪魔と戦うのは大変だけど、あたしはそれが使命だと思っているわ。今までに何度も死にかけたこともあるけど、それでも立ち上がって戦い続ける。」

    サラは筋肉を鍛え、鍛え上げたカラダを自信を持って披露した。

「これがあたしの成果よ。何よりも強い意志を持って立ち向かっていくことが大切なの。」

    サラは目を細めて微笑んだ。

「でも、やっぱり一人では限界があるよね。だけど、これから真帆と一緒に戦えると思うと力が倍増する感じがするよ」

    サラは今日一番の最高の笑顔だった。私たちは、明日に向けてベッドに入った。
    翌日二人は起きるとサラが真帆を見て

「あんた随分昨日、会った時とオーラが違うわね…大丈夫かしら?」

    真帆は朝が苦手なのか、少し酔ったような感じになっていた。

「え?オーラ変わってます?ふっふん、それはそれは。でも、ほら、私は元気ですよ~。リゼルはこの通りもうリュックサックに変化してダメですけど〜、血族の力でなんとかなるって思います!酔いも冷めやらぬうちに、サラさんと一緒にガンガン行っちゃいましょう~!」

    サラは唖然とした

「え、ええ、あんたも、全然ダメ!ドラキュラも大変ね。あたしたちが戦っているのは悪魔だけじゃないのね。自分自身とも戦っているんだものね。だから、強い自信を持って立ち向かっていくことが大切だよね。信じること、強い自信、それが勝利への道よ!でも無理はしないでね。真帆、ゆっくりシタフィムへ、行きましょう!」

    サラは拳銃を手に、酔っ払った真帆はリゼルが変身したリュックサックを背負って、二人で深呼吸をして、シタフィム本部があるミルドという街を目指した。
    昨日、目的地の情報を確認し合い、戦略を練りながら進んでいた。
    周りには危険が潜んでいるかもしれないという不安もあったが、サラは冷静に行動し、真帆に指示を出していく姿は、信頼と安心を与えてくれた。
    道中、疲れがたまっていた二人は小さな洞穴を見つけた。
    入り口で休憩することにした。
    真帆は急いで中に入ると、満面の笑みになり実家にいるかのような気分になってたが、サラは二つのオーラを感じ、何かがうごめいているような気配がしたので、警戒しながらも入ってた。
    すると、猪突猛進してきたアークイノシシが現れた。

【つづく】

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