Midnight Bloodline 創作大賞2024 漫画原作部門 第1話

#創作大賞2024 #漫画原作部門

あらすじ

小林真帆は普通の高校生とは異なり、ドラキュラの末裔である。真帆は変身能力と風を操る、蝙蝠の使い魔リゼルが相棒。ある夕暮れ時、教室で二人は偶然巡り合った。金髪の謎めいた麗しい女性・サラは手に拳銃と弾丸、左足には擦過傷があり、ストッキングは破れ血が滲んでいた。真帆は彼女の怪我を見て、自分が持つ血族の力で、彼女を癒した。サラは人間と悪魔のハイブリッドだが、母を悪魔に殺害され悪魔狩りをしていることを真帆に明かした。サラは真帆と手を組み、悪魔に立ち向かうことを決意した。真帆はサラを守るために自分の力を駆使し、まるで美少女戦士のように美しく戦い、悪魔たちを一掃した。この乙女たちの冒険譚に目が離せない!

1.邂逅-運命の巡り合い


    小林真帆は普通の女子高生とは異なり、ドラキュラの末裔である。
    彼女は、ドラキュラとしては身長が低く、顔も可愛らしいタイプであったが、彼女と付き合う男性はいなかった。
    お爺様から言われたのは、禁術である噛みつきを除いて、自由に生きていた。
ある秋の夕暮れどき、教室で二人は、偶然巡り合った。
    サラは、背後から聞こえる足音に気づいて振り返ると、そこには、セーラー服姿の真帆が立っていたところだった。
    サラは真帆に話しかけた後、二人は長い時間を一緒に過ごすことになった。

「あんた、誰よ?」

    真帆はオーラを纏っていた。

「私はドラキュラの末裔、小林真帆です。」

    真帆が偶然出会った、金髪の謎めいた美女・サラは、真帆の普段過ごす世界とは全く違う存在であるということだった。
    サラは、拳銃と弾丸を持ち、戦闘に適した格好をしていた。
    彼女が、左足の擦過傷を負っていたため、なんらかの戦いに巻き込まれたことが分かった。
    驚きと緊張を抑えきれなかった真帆が、目を丸くして考える。
    相手は白いコートを着た女性で、左手には拳銃、右手には弾丸一発を握っていた。
    真帆は微笑みかけ、慎重に話しかけた。
    一方、オーラに驚愕しながらも、サラは手に握った銃を慎重に構え、真帆の言葉を聞いていた。

「お願いです、銃を置いてください。何があったか、話を聞かせてください。」

    真帆は、サラの冷たい眼差しや凶暴な表情に、胸が張り裂けるような恐怖を感じつつ、落ち着こうと努めた。
    しばらく考え込んだサラは、態度を軟化させた。

「…あんた、この学校の生徒?」
「はい、そうですが……」

    サラは声を絞り出すように答えた。

「あんた、そんなに話したかったら、あたしも聞かせてあげるわ。でも、私自身の判断は変わらないわよ。人とのつながり方は、各々の自由であるけれど、あたしは貴女に害を加えるつもりはないわ」

    ゆっくりと銃を下にさげたサラは、息を切らせて地面に座り込んでいた。
    真帆は驚きを隠せなかったが、サラが苦しそうに座り込んでいるのを見て、何か手伝いをしようと思った。
    ゆっくりと近づいた真帆が、サラに声をかけると、彼女は苛立ちを感じるような反応をした。

「大丈夫ですか?」
「…う、うるさいわね。あたしは、大丈夫よ。あたしは、助けなど必要ないわ。あんたには、あたしを理解することなどできないわ」

    サラは、若干不機嫌そうな表情を浮かべながらも、真帆が、心配して声をかけてくれたことに、感謝している様子だった。
    真帆は、少し落ち込みサラの言葉に、困惑しながらも、諦めずに優しく微笑みかけ続けた。

「いつでも、何かお力になれることがあれば、遠慮なく言ってください。」

    真帆がサラに親切な言葉をかけたところ、サラはふと彼女を見て、少し驚いた表情を浮かべた。

「バカ!何か、手伝ってくれるつもりなの?...でも、ありがと。あたしなんて、大丈夫だから、別に、必要じゃないけど、あんたの優しさには、癒されるから、感謝してるわ」

    真帆は、サラの言葉に自然な笑みを浮かべつつ、少し照れくさそうになった。

「あ、私、小林真帆(こばやしまほ)と、言います。現在高校3年生で、ドラキュラの末裔です。趣味は、読書で、将来は、お嫁さんに、なることを夢見ています。ただ、太陽が苦手で、昼間は、保健室に、籠っていることが多いです。でも、夜になると、元気になります。」

    真帆は、自己紹介をした。
    サラは、驚きのあまり目を見開いた。

「ちょ、ちょっと待って!それって、本当なの?ドラキュラって、吸血鬼の末裔でしょ?あんた本当に、吸血鬼なの?それとも悪魔?」

    サラは答え詰めた。しかし、微苦笑しながら真帆は言った。

「ある種の血統を受け継いでいるということは確かです。ただし、吸血鬼ではなく、夜間の活力が通常よりも高まることがあります。一方、昼間は日光に弱いため、夜に生活リズムを合わせています。」

    真幌の話を聞くサラは、半信半疑であるものの、興味なさそうな表情で、聞き入っていた。

「ふんっ、あっそ。興味なんてないわよ。そんな自称で、偉そうにしても、あたしには、関係ないわ」

    真帆は、サラの反応に少しがっかりした様子でしたが、諦めずに話し続けた。

「私は人間とは異なる能力を持っています。そして、ドラキュラの血を受け継いでいるため、傷が早く治り、なお、相手も治すことができます。さらに、普通の人よりも長生きすることができます。」

    真帆は、自分自身の特殊な能力について説明したが、サラはまだ興味を示さない様子だったが内心では、少し興味が、あった。
    サラは、真帆の話を聞いていると、なんとなく自分自身も、そのような気がしてきた。初めて出会った時の真帆の圧倒的オーラ。
    しかし、サラは、自分の感情を隠し、堂々とした態度でいた。
    真帆は、そんなサラが信じていないことには、気づいていた。

    暗闇が広がる中、サラが真帆を見つめた。彼女は悲しげなため息を吐きながら、手に持っていた拳銃を床に置いた。
    その表情は鋭く緊張感に満ちていた。
真帆は彼女の何かを話す前触れを感じ、心臓が高鳴っていた。
    しかし、真帆はこの時、何をしていいのか分からなかった。
    サラの表情が緊張していることに気づいていた。
    彼女は、深いため息についてから、ゆっくりと話し始めた。

「…あの、さっきは、ちょっと素っ気なくしてしまってごめんね。初めてあんたを見た時、すごく強いオーラを感じて、つい悪魔だと勘違いしちゃったんだよね。でも…でもね、今は、ちゃんと分かってるから。あたしってば……うっ、し、仕方ないから言うけどさ、自分の気持ちに素直になんかなれなかったわよ!そ、そんなん誰でも迷子になっちゃうじゃん!」

    サラは気持ちを抑えられず、力強く叫んだ。
    そして、真帆はサラの気持ちを受け止めながら、優しく彼女を抱きしめた。

「大丈夫です、誰でも迷子になることがあります。まずは落ち着いて、深呼吸してください。思い出せる情報があったら教えてください。」

    サラは真帆の腕にしがみつきながら、泣き出した。
    真帆は、びっくりしたが、すぐにサラを、慰め励ました。
    サラが、何を言いたいのかを聞いていたと同時に、真帆は優しく彼女の頭を撫でていた。
    やがてサラは少しずつ落ち着いてきた。

「…先日、ある任務のためにこの学校の近くにやってきたんだけど、その任務は思いのほか難しくて、敵から逃げ惑う最中に崖から転落して、足を負傷しちゃったんだ。でも、何とか生き残って逃げ出すことができたんだ。そんなあたしが自信を失って、気がつくと、ここの教室にいたんだ。あたし、最近とても不安になっているの。なんでこんなに弱い自分が嫌なんだろうって思って…だから、ついついツンツンになってしまうんだけど…でも、ほんとは誰かに頼りたいと思ってる。こんなあたしでいても、受け入れてくれる人がいたらいいなって思ってるんだ。」

    真帆はサラの不安を理解し、彼女の怪我を血族の力で癒して彼女を安心させたつもりだったが、サラは驚いた。

「怪我が治った!あんたって本当に何者なの?」
「私の力は理解されにくいものですが、それは私にとって特別な力。私の使命を果たすために、自分自身を信じているんです。普通の高校生とは違う存在だし、生き方も違うかもしれないけど、乗り越えられると思うんです。だから、初めて血族の力を使って、あなたを救いたいって思ったんです。」

    そう告白する真帆に、サラは驚愕した。
同時に、真帆が悪魔を倒せる力を持っていることに思いを馳せた。

「な、なんかあたし、すっごく驚いちゃったわ!あんたの力って、もしかして悪魔と戦えるほどの強さを持ってるのかしら?でも、間違いなくあんたの力、すごいわね…あんたと一緒にいると、悪魔と戦えるかもしれないわ。ま、たまには、役に立つかもしれないけど」

    早口で冷や汗をかきながらサラは喋っていた。
    真帆は耳を疑った。
    悪魔と戦うなんて、そんなこと本当にあるのだろうか?

「悪魔と戦う…?なんの話ですか?本当に、悪魔という存在がいるのですか?」

    サラは真帆の疑問に対して、軽くため息をつきながら、少し天を仰いで嘆息する

「悪魔は本当に存在するわ。あたしは、自分の目でそれを見て、感じてきたんだ。悪魔って、本来持っている邪悪な気持ちや暗い部分が、具現化して、力も知能も人間を遥かに凌駕するものが多いの。でも、それ以上に怖いのは、その邪悪な力に飲み込まれてしまう人間たち。あたしは、その光景を目の当たりにしてきたんだ。こんな世界があるなんて、信じられないって思ったけど、でも、それが現実であることに変わりないわ。」

    サラは悪魔狩りで、数々の恐ろしい光景を目の当たりにしてきた。
    それらは、一般には信じがたいものばかりだった。

「あと、実は、あたし自身が人間と悪魔のハイブリッドなんだ。母が悪魔に殺されたときのときの恐怖と絶望は忘れられない。だから、あたしは悪魔が大嫌い。母を殺した悪魔を見つけて、必ず倒す。そう決めた。あたしはあたし、自分と向き合っていくしかないなって思ってるよ」

    サラは瞳を閉じ、深いため息をついた後、やっと自分自身と悪魔狩り組織に所属していることを真帆に打ち明けました。
    サラは次のように説明した。

「ちょっと待って!自己紹介って、本当に得意じゃなくて困るんだけど、でも、きちんとしなきゃね。あたしはサラ・ウィリアムズ。セラフィムという団体に所属しているんだけど、あのね、あたしたちは悪魔を退治することを使命としているのよ。でも、そういう話ってちょっときついかもしれないから、なんか他に話題…」

    話の中で、突然サラは真帆のリュックサックがゾクゾクと動くのを感じた。
    風かな?と、思っていたら、リュックサックに小さな羽が生えてるのが、見えていた。

(あれ?リュックサックが動いた気がするけど、風かな?あの羽はアクセサリーよね)

    サラは、心の中でつぶやきながら、思わず目を疑った。
    風が草木を揺らす音とは違う、微かな羽ばたきの音が、どこからともなく聞こえてきた。
    サラは確かめるために手を伸ばした。
    静かに揺れ動くリュックサックを見て、もう一度目を疑った。

「ちょっと、あんたのリュックサック動いてるわ!悪魔よ!」

    サラが驚愕の声を上げ拳銃を真帆に向けた。
    真帆は慌てながら使い魔について説明してくれた。

「やめてください!私の相棒、蝙蝠の使い魔リゼルがリュックサックに変身してるだけです。銃を下げてください!リゼルは私にとって非常に大切な存在であり、昼間はリュックサックに変化して、行動を一緒にしてます。リゼルは悪魔でも何でもなく、危害を与えることもありません。驚かせてしまって申し訳ありませんが、リゼルを傷つけることは絶対に許せません!リゼルを守るためなら何でもします」

    真帆が慌てふためいて説明すると、サラはオーラが見えるため、目を見開いた表情に変わった。
    しかし、真帆の言葉に促され、彼女は拳銃をそっと下ろした。
    その瞬間、部屋の空気が緊張から解放されたかのようで、サラの肩もほっと一息ついたようだった。

「使い魔って………逆に面白いじゃない!あたしにも見せてよ!」

    真帆は手に乗せた蝙蝠のリゼルを誇らしげに見せた。
    リゼルは小さな体躯ながら美しい毛並みと大きな翼を持つ美しい蝙蝠だった。

「ほら、サラさん。私の使い魔のリゼルは風を操る能力も持つ風の蝙蝠なんですよ。夜には夢にも見られない美しい舞を舞います。」

    真帆が自慢げにリゼルの変身能力と風を操る能力があることを語った。
    しかし、サラはリゼルを見て。

「……あら、やっぱり星2のアークコウモリみたい。」
「サラさん、星2のアークコウモリってなんのことですか?」
「ごめんなさい、あたしたちセラフィムは悪魔の強さを星の数で表しているの。星2は下から2番目に弱い悪魔を指すんだけど、今回の悪魔は凶暴そうなのにどこか大人しそうな雰囲気があるわ。こんなことは初めてだわ、不思議ね」
「ありがとうございます。なるほど、セラフィムは独自の評価方法をお持ちなんですね。では、私の独自の評価では、リゼルは星6になります!とても可愛いので、そう評価しました」
「そ、それは…あんた、いいわね。でも、リゼルは確かに可愛いし、星6っていう高評価にふさわしいと思うわ。べ、別に褒めてるわけじゃないからねっ!」

    二人は楽しそうに時間を過ごしていた。
    私たちはリゼルの可愛らしさや魅力について話し合い、リゼルは風を操って美しい舞を披露し、魅了していた。
    非常に楽しい時間を過ごした。
    サラはリゼルの話題から再び自己紹介を再開した。

「自己紹介が途中だったわね。あたし、最近ハンドメイドが趣味なんだよね。特にアクセサリー作りが好きで、自分でデザインして作るのが楽しいの。あとは、最近読んだ小説が面白かったな。『幸せの形』っていうタイトルで、人生の幸せって何だろうって考えさせられる本だったよ。あとは、セラフィムの団員たちと一緒に、クッキング大会をしたことがあるんだけど、すごく楽しかったの。それぞれ自分の得意料理を作って、みんなで食べまくったんだ。やっぱり仲間との時間は大切だよね。そうそう、最近はゲームにもハマってるんだ。特にアクションゲームが好きで、一緒にプレイする友達との協力プレイが楽しいの。セラフィムの仲間とも一緒にやってるんだけど、意外な一面が見れて、それもまた楽しいんだよね。というわけで、セラフィムに所属しているということはあるけど、普段のあたしは、そんなにちょっと変わった人間でもないんだよね。」

    真帆は何時間もサラの話を聞いていた。サラの話はとても興味深いものがあり、特にセラフィムに対する愛情が伝わってきた。
    それ以上に幅広い世界があることを知った。
    しかし、時間が経つにつれて、真帆は疲れてきた。
    サラの話はとても長く、加えてサラはとても熱心に喋っていたため、真帆の耳は疲れ切っていた。
    そこで、真帆はサラを家に招待した。

「サラさん、お話はとても興味深かったです。ただ、時間が経つにつれて、私も少し疲れてきてしまったので、もしよかったら、私の家に来て、一緒に休みませんか?トマトジュースでも飲みながら、のんびりしましょう。」
「な、何よっ!家に招待してくれるなんて、ちょっと恥ずかしいわ……で、でも、とても嬉しいわ…。あたしって、人との付き合いが苦手で自信もないから、こんなに大事にしてくれるなんて想像してもいなかったわ。ありがとね!」

    私たちは話し終わった後、真帆の家に向かって歩いていた。
    その途中で、アークスライムの群れが現れた。見た目はドス黒く禍々しく、無数の小さな目玉が付いていた。サラは、声をかけた。

「真帆、星1のアークスライム群れよ!星1でも相手は強敵だから、隠れて!」

    サラは真帆の前に出たが、真帆は疲れていて少し、イライラしていた。
    学校から自宅への通り道には、よく出るアークスライムが出現する場所があり、サラは知らなかった。
    突然、アークスライムがサラに向かって走り出した。
    すると、真帆が使い魔リゼルに指示した。

「リゼル、風魔手裏剣」

    リゼルの攻撃でアークスライムを、1匹倒せたが、残りのアークスライムは四方八方から真帆たちを囲んでいた。
    しかし、真帆のオーラによって、アークスライムは逃げていってしまった。

「アハッ!リゼルすごい!真帆のオーラも効果的だったね。星1のアークスライムが逃げちゃった。今まで、そんな悪魔を見たことがなかったよ」

    サラが感嘆の声を上げた。
    真帆は仰天し、口を開けてキョトンとした表情を浮かべた。

「え、本当ですか?私のオーラが本当にそんなに効果的だったんですか?ここら辺はよくスライム出てくるので嫌なんですよね」

    真帆は苦笑いした。
    サラは、真帆に向かって、口調を重ねて、言葉を丁寧に選び、言った。

「……あんた、能力を過小評価しすぎ。アークスライムたちが戦意喪失したのは、あんたのオーラで間違いないわ。自分をもう少し評価したらどうかしら?」

    真帆はサラの言葉に考え込むことにした。確かに、自分の能力を過小評価しすぎていたかもしれないと気付いた。

【つづく】

Midnight Bloodline 第2話

Midnight Bloodline 第3話


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