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チルアウト、デジタルデトックスにお勧め 金湯館の思い出

先日、秘境の名湯に行ってきたのでその時の思い出とともに感じたことを記録に残しておきたいと思う。

即決!

大学以来の友人M君(29・男)と僕でお盆にどっか行くかー、という話していた。その時、飲み仲間の人妻Aちゃん(43・女)が混ざってきて最高の提案をしてくれた。Aちゃんが10年以上温めていた旅行先である、「霧積温泉」にいきたい!と。よし行こう行こうと、あっと言う間にフットワークの軽い3人が集まり、一泊二日の秘境温泉ツアーが決定した。

霧積温泉とは

身近な人間で霧積温泉を知ってる人はいなかった。もちろん僕も初耳。相当知名度が低いみたいだ。
それもそのはず、その温泉には一軒しか宿がなくて非常にアクセスも悪い。
40年ほど前に『人間の証明』という作品の舞台としてクローズアップされたことがあったが、以降ほぼ見向きもされていない温泉のようである。

霧積温泉に唯一の温泉宿、「金湯館」。かつては勝海舟や伊藤博文が訪れた由緒ある宿とのこと。ではなぜ「唯一」の宿なのであろうか。
明治時代の山津波により、金湯館一軒を残して集落の他の建物は全て流されてしまったという。なかなか壮絶な歴史を持つ温泉である。

詳しくは下記リンクにて

金湯館への道のり

東京から関越道を利用して約3時間、金湯館の「駐車場」に到着する。その道中、霧積ダムというきれいなダムがあるのだが、その付近からdocomo以外の電波が途絶え、圏外になる。ドライブミュージックをSpotifyに頼っていたぼくたち。ダムを越えてからは電波も音楽も途絶え、いよいよ秘境への期待値が上がっていく。

「駐車場」から宿までの道のりは、送迎車に乗るか徒歩で行くかを選ぶことができる。今回は徒歩を選んだ。

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こんな道のりを

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約30分、ほぼ登山。通称ホイホイ坂。伊藤博文が乗った駕籠の持ち手はこの道のりをホイホイ言って昇って行ったらしい。一方ぼくはノリでサンダルで来てしまったことを軽く後悔。

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到着。山中に突然、ポツンと一軒宿。まるで千と千尋の神隠しの「油屋」。

金湯館を満喫

涼しい山中とはいえ、30分も歩くと汗でじっとり。宿帳を書いたら早速部屋に通してもらう。案内してもらう途中、ご主人にここが伊藤博文が逗留していた部屋ですとのご説明を受ける。当時の趣そのまま。この山奥で金湯館だけ時間が止まっているみたいだ。

部屋で少し寛いでから、お待ちかねの入浴。ぬるめの源泉かけ流し。気持ちよくていつまでも浸かってられるのだが、、ビールがほしくなってきて風呂を出た。

ビール欲しさにソワソワ待っていると、部屋に食事が運ばれてくる。まずは瓶ビールをシュポンと開けて、みんなで乾杯。お待ちかねのビールでのどを潤す。

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Aちゃん撮、苦笑。口を開けた鮎と、てんこ盛りの山菜の天ぷら、そしてでかめのお椀の田舎汁。想像以上でも以下でもなく、ちょうどいい。

食事が終わると晩酌タイム。明日宿を出たらどうするだこうするだと作戦会議。いろいろ前日に決めちゃう行き当たりばったりな感じ、ちょうどいい。八ヶ岳方面に出て、白樺の森と白駒池の散策に決定。

三者三様の寛ぎ方

作戦会議も終わり、Mはテレビ、Aちゃんはお笑い動画、ぼくは読書。三者三様のチルアウトを満喫した。こういう思い思いの時間の過ごし方ができる感じ、この3人の関係性、ちょうどいい。

この日も朝早かったので、23時頃に早めに就寝。網戸にしておけばクーラーいらず。だいたい初夏手前くらいの気温、ちょうどいい。

ゴキゲンな朝飯だ...

7時過ぎぐらいに起床。ほか二人は熟睡中。旅館の周りを軽くお散歩。この日もいい天気で気持ちいい。ちょい肌寒いくらい。うっそうと茂る木々から差し込む木漏れ日、ちょうどいい。朝食も部屋に持ってきてくれる、8時くらい。味噌汁、納豆、焼き魚、山菜のお浸し、たまらず飯三杯。こちらも予想以上でも以下でもない、ちょうどいい。ゴキゲンな朝飯だった。

朝飯の後に二度寝。11時にチェックアウトなのに10時半に起きる。急いで朝風呂、荷物をまとめていざ長野県。

ノルウェイの森って、こういうこと?

金湯館の駐車場から約一時間、長野県内の白樺の森に到着。

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高原地帯に多く見られる樹木、白樺。日本では北海道か、ここ八ヶ岳周辺にしか群生していないそう。確かに初めてみた。なんか北欧の森ってこんなかんじなのだろうか。僕の浅い北欧知識じゃいい例えは見つからない。ムーミンか、村上春樹か。とりあえず日本の森じゃないみたい。

白駒池一周、40分

白樺群生地を出て、白駒池へと。

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こんな小さな池の周囲を一周した。

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通称もののけの森。

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こんな細い足場。一回滑って踏み外しました。

途中の東屋で昼食。金湯館が持たしてくれたでっかいおにぎり二つ。

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デカいなと思ったけど、朝飯三杯食ったけど、ぺろり。

バックトゥ俗世。

白駒池散策も終え、名残惜しいがバックトゥ俗世。金湯館でも白樺群生地でも白駒池でも、まともに電波が入らず強制デジタルデトックス状態だった。メール・電話・LINE・各種SNSの通知、、僕は一日平均5時間くらいスマホの画面を見ているらしい。金湯館で気づかされたが、どれだけほぼ無意識でスマホを手に取っていたのか。つい無意識で手に取る→圏外なので何もできないことに気づく→置く。何回か繰り返してしまった。

とにかくチルアウト、デジタルデトックス。最高の一泊二日でした。

遊んで飲んで騒いでの旅行も楽しいんだけど、こういう色んな学びや気づきがある旅行も素晴らしいもんですね。

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