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『それでもなお、人を愛しなさい』

私がこの言葉に出会ったのは、ある人が勧めていた本を読んだ時でした。

当時、今のように電子書籍が普及していませんでしたし、YouTubeやSNSも日本で広く浸透していたわけではなかったように思います。

大きな書店に行けば、毎月出版されるたくさんのビジネス書、有名人のエッセイ、難解な金融工学や経済学の本、政治学や哲学の古典などはありましたが、実際にその本を見つけたときは、宝物を発見したような感覚を感じたように思います。

『それでもなお、人を愛しなさい 人生の意味を見つけるための逆説の10ヶ条』(ケント・M・キース 大内博=訳, 早川書房 2002年)
(以下、本書といいます。)


著者によると、著者がハーバード大学2年生の時に、高校の自治活動をしているリーダーたちのために、『静かなる変革ー生徒会におけるダイナミックなリーダーシップ』という小冊子を書いて、1968年にハーバード大学学生部より出版されたということです。その一部として「リーダーシップのための逆説の10ヶ条」が書かれています。

「逆説の10ヶ条」の内容を、本書から抜粋してご紹介します。



逆説の10ヶ条

1 人は不合理で、わからず屋で、わがままな存在だ。
  それでもなお、人を愛しなさい。

2 何か良いことをすれば、隠された利己的な動機があるはずだと人に責められるだろう。
  それでもなお、人に良いことをしなさい。

3 成功すれば、嘘の友だちと本物の敵を得ることになる。
  それでもなお、成功しなさい。

4 今日の善行は明日になれば忘れられてしまうだろう。
  それでもなお、良いことをしなさい。

5 正直で率直なあり方はあなたを無防備にするだろう。
  それでもなお、正直で率直なあなたでいなさい。

6 最大の考えをもった最も大きな男女は、最小の心をもった最も小さな男女によって撃ち落とされるかもしれない。
  それでもなお、大きな考えを持ちなさい。

7 人は弱者をひいきにはするが、勝者の後にしかついていかない。
  それでもなお、弱者のために戦いなさい。

8 何年もかけて築いたものが一夜にして崩れ去るかもしれない。
  それでもなお、築きあげなさい。

9 人が本当に助けを必要としていても、実際に助けの手を差し伸べると攻撃されるかもしれない。
  それでもなお、人を助けなさい。

10 世界のために最善を尽くしても、その見返りにひどい仕打ちを受けるかもしれない。
  それでもなお、世界のために最善を尽くしなさい。




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