見出し画像

【エッセイ】ずっと書きたいと思っていた。

こんにちは、UMA(ゆま)です。note投稿12回目になります。前回から、さくさく投稿してみようとしています。構えすぎずに素直に書こう!とか、反射神経を鍛えよう!みたいな感じです。今日はnoteを始めるきっかけにもなった思いを書きました。よろしくお願いします。


ずっと書きたいと思っていた。

これは正直な気持ちではあるものの、いやいや、ずっと書いてきたではないかという自負もある。

大学を卒業してから、翻訳学校に通い、実務翻訳者になった。これが20代。

その後、出版翻訳もやるようになって、10冊くらい訳書を出した。これが30代から40代。

実務翻訳の仕事を通じて技術の知識も多少あったことから、企業もののライターの仕事を始めた。これが30代後半。

出版翻訳の仕事をしていた時のつながりで、ゴーストライター(最近はブックライターというらしい)をするようになった、これが40代。

これまでの諸々の経験から書籍の企画編集をするようになった。製本も始めた。これが50代。

(ちなみに、この話の流れの中では余談のようになってしまうけれど、その途中で、やや言葉に疲れて、今では自分の創作活動の重要な部分になっている写真を始めたのが40歳の時だった。)

気がつけば、仕事をするようになってから35年がたっている。これまでやってきた仕事はほとんど今も並行して続けている。すべて書く仕事だ。私はいつも何かしら書いていた。

でも、まだ書いていない。

翻訳者として、ライター(受託ライター)として、私はいつも自分ではない「私」になる。私が書く「私」は私ではない。

その時、私は自分を消す。私は無になる。そこに真価がある。もともとそれほど自己主張が強いわけではない私にとって、求められたその役割は合っていたともいえる。

日本語を書くことそのものが好きだったから、人の話を聞き、人の書いたものを読み、日本語を積み上げる、この職業人生はとても幸せだったと思っている。

でも、私は、まだ、というのか、また、というのか、書きたいと思っている。

小学校の校庭、ライン引きの道具や跳び箱が入っていた用具倉庫の裏にいた自分を思い出す。イチョウの木の下でノートに懸命に書いていたのはなんだっただろう。

自分の内側から出る、ささやかな物語を、いつか。


最後までお読みいただきありがとうございました。暑さも徐々に和らいできましたね。いい一日を。

この記事が参加している募集

ライターの仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?