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私を構成する5つのマンガ

 面白そうなお題があったので参加してみる。

 とはいえ、いざ書き出して5つに絞ろうとするとなかなか難しい。現在連載中で、有名どころだとまずこの5作品あたりが思い浮かんだ。

* バトルスタディーズ
* グラゼニ
* ハイキュー!!
* 約束のネバーランド
* ここは今から倫理です。

 とはいえ、わざわざこんな有名漫画を紹介するまでもないので、過去に強い影響を受けた漫画で縛り込んでみた。

* ドラえもん
* タッチ
* めぞん一刻
* ドラゴンボール
* デスノート

 と、さらに個性もない面白くないリストができあがってしまった。

 ので、物語としてはすでに完結している作品で、紹介しがいのある漫画に絞ってみた。その結果が以下の5作品。

* リウーを待ちながら

朱戸アオ作。伝染病を題材にした漫画。2018年、全3巻完了。同じく伝染病がテーマとなっているカミュの名作『ペスト』へのオマージュも感じられる。タイトルの「リウー」というのは『ペスト』の主人公医師の名前。コロナのこの時期だからこそ読み応えがある作品だと思う。哲学的な色合いが大きく感じた。「誠実」というキーワードが出てくるのだが、この漫画の中だけではなく、大きな壁に立ち向かうとき応用できる考え方だと思う。「誠実」であることの大切さを僕に教えてくれた作品。

* 九龍で会いましょう

柴門ふみ作。香港人と日本人のラブ・ストーリー。2000年、上下巻完了。香港に居た頃にどこかで知り、電子書籍で購入した。とにかく(日本男が感じる)香港女をこの上なく上手に描き出している。「香港」が凝縮されており、僕が香港に居たことが嘘でないということを思い出させてくれる作品。とはいえ、もう香港も香港じゃなくなるのも時間の問題かもしれないので、それだけ貴重な漫画でもある。2002年には石田ゆり子、河村隆一主演でドラマ化もされた。

* 魁!!クロマティ高校

野中英次作。どうしようもないナンセンス漫画。2006年、全17巻完了。タイトルから予想するような野球の話は微塵もない。ヤンキー達が登場する学園が舞台だが、形容しがたいどうでもいいことが滔々と語られ、不思議な中毒性が有る。2005年には映画化されるも、ウォーレン・クロマティ氏が「勝手に名前を使われた」と公開中止を求めて提訴されるというシュールな逸話も。どうでもいいことって一番おもしろくて、一周まわって意味もあるのだということを僕に教えてくれた作品。

* アドルフに告ぐ

手塚治虫作。史実に基づいた大作。1985年、完了。第二次世界大戦前後のヒトラーとユダヤ人をバックボーンにドイツ、日本で物語が展開する。とにかく圧巻。もともとナチスという特異な集団とユダヤという悲運の民には興味があったこともあるが、登場人物一人ひとりに尋常じゃないほど感情移入できた。生まれながらに悲惨な運命を決められた人というのが世の中には数多く存在し、反面僕らのような日本人は日本人というだけでどれだけ恵まれているかということを否応なく自覚させてくれた作品。この先香港人もこのような流浪の民になってしまうのだろうか。

* ミノタウルスの皿

藤子・F・不二雄作。1969年、短編作品。1話のみの短編漫画なのだが、何が間違っているのかと考え出してもきりがないループと読後感の悪さに強烈な印象が残っている。生まれたときから存在する常識や教育によって、何が幸せなのか、何が名誉なのか、何が非常識なのか、何が当たり前なのかがまったく変わってくるということを教えてくれた作品。

#私を構成する5つのマンガ

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