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ギャンブル依存性治療プログラム受講してみた

ギャンブルは、お小遣いの範囲で暇つぶしやストレス発散として楽しむ方も多いかと思われます。

しかし、その範疇を超えギャンブルに狂い借金に苦しむ方も多いようです。ちなみにギャンブル依存性予備軍は国内で70万人もいるとか。

私もその範疇を逸脱し、FXをギャンブル化してしまい、妻に内緒で借金を500万円にまで膨らませ、最終的に妻へカミングアウトした身であります。

ここまで落ちぶれると、なりふり構ってなんていられません。とにかくこの負の流れを断ち切るか、このままズルズルとギャンブルに依存して絶望の人生を歩むのか、どちらを選ぶかは明確であり、私はギャンブル依存性外来を受診することにしました。

できない理由を探さない

依存性に特化した病院は、全国的にみても少ない印象です。

私は田舎暮らしであるため近隣には、そんな病院なんてありません。1番近くても自宅から100km離れた所に県の精神保健福祉センターもありましたが、基本はアルコール、薬物がメイン。ギャンブル依存性に関しては、まだまだ中途半端感が拭えず、さらに遠方の専門外来を受診することにしました。

今までの自分なら「そんな遠くまで交通費かけてまで行く必要ない」とか「病院に行っても治る保証ない」とか「そんな病院行くくらいなら仕事して稼いだほうがまし」とか行かない理由ばかり考えていたと思います。

だけど今回は家族に嘘をつき続け、みんなを悲しませ、誰ひとり幸せにならないことをしでかしてしまっただけに、半信半疑であろうともやり遂げなければならないと決意した次第です。

ギャンブル依存性外来は予約が取れない

受診すると決めてから、遠方のため電話予約することにしたのですが、意外にも予約がいっぱいで早くても1ヶ月先、しかも16時からになると… もちろん断る理由はないので予約を入れました。

「当日は問診に時間がかかるので、事前にweb問診票を回答して頂けると待ち時間が大幅に軽減できます」とのことで、事前にスマホで問診票を入力したのですが、問診の数が驚異的で回答が終わるまで相当な時間を要しました。こりゃ病院でやってたら嫌になってたレベルだったので事前に回答しておいて正解でしたね。

これには理由があり、ギャンブル依存性だからと一括りにできないそうです。他の精神疾患が原因でギャンブル依存性になる方も多いらしく、原因となっている精神疾患も踏まえて治療が必要な場合もあるため問診は非常に重要とのことでした。

受診当日は、妻と一緒に行ったのですが、患者さんはギャンブル依存性だけではなく、アルコールや薬物依存も多いようで、待っている間「他の患者さんにガン見され怖くてたまらなかった」と妻。ちなみに患者さんの約9割は男性でした。

診察は問診票をメインに進行。ギャンブル依存性の脳の仕組みを説明され、最終的に依存性治療プログラムを勧められました。

受診した患者さんの約半分は回復しているそうです。ただ完治は非常に難しく「5年間、全くギャンブルに触れていなかった患者さんが、偶然の積み重ねでギャンブルに触れてしまい、気づけば借金数百万円になってから再受診された方もいます。その多くの患者さんは皆、行き詰まってから再受診される。もっと早く受診していれば… これがギャンブル依存性の怖い所です」と実例を挙げて説明して頂きました。

ギャンブル依存性治療プログラム受講

3ヶ月間(毎週末実施)ワンクールのプログラム。テキストに沿って「ギャンブルへの再発を防ぐための技術的思考」を学ぶ場であり、参加者との意見や工夫、決意などを合わせながら専門医が解説する感じでした。

受講内容や、その場で語られたことなど外部公開厳禁とのことなので詳細は避けます。

根本的な内容は、市販されている本などとさほど遠からずと言ったところですが、やはり参加者(20名弱)の経験談や実践している工夫など、皆でシェアすることができる点は非常に有意義な場であると実感。

ギャンブル依存性から回復したい方々なので、こちらも腐らず前向きに学べ、且つモチベーションも維持できるため受講して正解だと感じることができました。

依存性治療プログラムは自立支援医療制度を利用すべし

依存性治療プログラムは全過程12項目。気になる受講料は3000円/回 (受講料は病院によって前後します)ですが健康保険が使えるので900円/回 × 12回 = 10800円となります。

ギャンブル依存性の方々は、きっと「お金を失ってるだけに病院でこの出費は痛い!」と感じるはず。

そこで「自立支援医療制度」を活用するのです。まぁ、きっと病院でも進められるはずなんで説明は要らないかなと思いますが一応しときます。

通常の健康保険を使うと医療費は3割負担ですが、自立支援医療制度を使うと医療費は1割負担になります。

プログラム1回につき900円かかってたものが 300円/回になるということです。

ただ申請時に医師の診断書が必要なため診断書作成の料金(私は3000円でした。病院によって違うようです)がかかります。

1割負担で 300円/回 × 12回 = 3600円 + 3000円(診断書) = 合計6,600円 となります。

3割負担と比べると 4,200円もお得になるんですね。あくまでも私が受講した病院の金額であり、あえて端数は省き分かりやすくした例えと思っていただけたら幸いです。

最後に

正直なところギャンブル依存性治療プログラムを完走したからといって再発しないとは限りません。受講されている方の中にも再発し、プログラム2周目という人もいました。

私の場合になりますが、病院まで片道3時間もかかる道のり。それだけの時間を毎週末3ヶ月間続けられたこと。これって大変だったからこそ絶対に再発しないぞ!というモチベーションに変わっているのだと思います。

なかなか1人で乗り越えることが難しい病気なだけに近しい人の協力を得られれば立ち直りも早いかもしれません。

それでも結局は、自分自身の理性頼みになってしまうわけで、渇望を抑制するための訓練を怠ることはできませんね。これからもずっと。

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